あがり症を治すための『レジリアンスモデル』と目標設定の過ち
あがり症が治ることという目標設定の過ち
あがり症を治したいと願います。
切に切に願います。
これこそが自分の人生がうまくいかない原因と考えます。
他の病気もそうかもしれませんが、あがり症者の苦しみは体験者のみ知ります。
いかに苦しいか。
故に望みます。
あがり症が治ることを。
そしてあがり症が治ることが、あたかも人生の全てのようになってしまいます。
しかし、ここに落とし穴があります。
あがり症が治ることが全てになると、治った後のことが希薄になりがちです。
ひょっとしたら真っ白かもしれません。
イメージできない未来は実現しないのです。
「あがり症が治ったら~する」ではなくて、どうありたいか、どうなりたいか、どう暮らしたいか、あなたの望む人生像、価値観こそが先なのです。
いわば、あがり症が治ることは人生にとっては小目標であり、人生でどうありたいか、どうなりたいかは目的です。
目標より目的が上位概念です。
目標とは、大学に入ること、資格を取ること、収入を増やすこと、仕事で実績を上げること、売り上げを上げること、その他諸々です。
目的とは幸せになることです。
ただしその中身は人それぞれでしょう。
目標を人生の全てにしてはいけません。
目的こそを大事にする必要があります。
どうありたいか、どうなりたいか、そこに集中して生きていけばいくほど、あがり症の症状の囚われから次第に離れていき、症状のことをいつしか忘れていくのです。
だから、自分の目標設定の仕方を変えましょう。
あなたがあがり症が治ることという目標を実現した先には、どんな世界が待っているのでしょう?
あなたの生きる意味とは?
ストレスを減らすのではなく、ストレスからいかに回復するか
レジリアンスという言葉があります。
精神医学や心理学の用語で、シンプルに訳すと回復力。
あくまで私の印象では、何かストレスや嫌なことがあってもボヨ~ンと跳ね返す力であったり、低反発枕のように凹んでもジワ~っと復元する力をイメージします。
これまでの精神医学での主要な考え方は、特に統合失調症等で知られる脆弱性モデルやストレスモデルでした。
これは、ストレスが貯まって限界を超えたとき、症状が発症するというもの。
このモデルに立脚するといかにストレスを減らすか、いかに自分の脆弱さを強くするかという発想になるでしょう。
しかし、レジリアンスモデルは異なります。
ストレスはあるのです。
生きていく以上、時に強いストレスを抱えることもあるでしょう。
大切なことはストレスがあったとしても、そこからいかに回復するか。
ストレスがあったとしても、それにいかにボヨ~ンボヨ~ンと対処できるかなのです。
ちなみに私の場合、私はあがり症を克服したと言い張ってます。
しかし、そんなこと言ったってあがる時はあがるんです。
ましてや元重度のあがり症です。
私は順番恐怖と私が名付けている、順番に回ってくる自己紹介が大の苦手です。
というか、普段はたくさんの人の前で講座や講演をしているのに、たかだか10人程度の場でも緊張してしまうことがあります。
もはやフラッシュバックです。
かつてほどの強烈さではないにしても、あのイヤな感覚、心臓がドキドキ、キュ~っとしていたたまれなくなることはたまにあります。
しかし、終わってしまえば忘れていきます。
これがレジリアンスです。
私は、どうしてもこんな下らないことに振り回される人生はもうホトホト嫌なんです。
あがり症に死に物狂いで抵抗してきました。
あらゆる方法を試し、自分の時間の全てを,、エネルギーの全てを、あがったかどうか、人にバレたかどうか、あがってしまったらどうしよう震えてしまったらどうしようというネガティブワールドに費やしてきました。
あがり症流ネバー・エンディング・ストーリーです。
終わりなき世界。
心底イヤです。
もう十分味わい尽くしました。
敢えて言います。
もう、くそ食らえです。
私は価値のある人生を生きたいんです。
自己実現したいんです。
他者貢献したいんです。
もう、あがり症に囚われた人生は嫌なんです。
あがることはあっても、あがることに囚われることは嫌なんです。
こんな私のレジリアンスとは何か?
それは、「ま、いっか」と自分を許すこと。
そして「私はどうなりたいか」を追求することです。
あなたのレジリアンスは?
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