本読みで声が震える音読恐怖が緊張でうまくできない時の対処法
動画紹介(文字起こし全文掲載)
今日ご紹介する動画は、「音読恐怖が緊張でうまくできない時の対処法」です。
人前で文章を読み上げる機会は誰にでもありますよね。
そんなとき、頭が真っ白になった経験はありませんか?
特に、あがり症で苦しむ方にとってはつらい場面。
どのように乗り越えていけばよいか、そのヒントをお伝えします。
(2019年5月24日投稿動画)
「音読(音を出して読むこと)が苦手な人のために、どうしたらいいのか」
今日は、「音読(音を出して読むこと)が苦手な人のために、どうしたらいいのか」ということについてお話していきたいと思います。
会社でも学校でも、書類や教科書などを読まなきゃならないわけですが、読むときに、すごく緊張してしまって、声が震えてしまうという人がいます。
私もそうだったのですが、喋っていると息が続かないんですね、緊張のあまり。
もう口パク状態になっちゃって、金魚が水面に口をパクパクさせるような感じになっちゃうので、もう声が続かない。
それで声がプルプル震えちゃって、それがまた恥ずかしい。
人に気づかれたらどうしよう、また声が震えたらどうしよう、と考えちゃうんですね。
それで、もう二度とあんな恥ずかしい思いはしたくない。
ということで、皆、必死にあれやこれやと考えるわけなのですが、一回そういう風な、ある捉われ――あがること、声が震えることに捉われちゃうと、どうしてもそのことばかり考えて、そのとき声が震えて苦しいだけじゃなくて、その前も苦しいんですよね。
来週、会議でこれを読まなきゃならない、会社の打ち合わせでここを読んで伝えなきゃならないというときに、頭がどっかいっちゃって真っ白になってしまうという人もいます。
これが、責任のある立場の方、部長、課長、管理職などは、部下にこんなみっともない姿を見られてはならない、恥ずかしい思いをしてはならないということで必死に隠そうとするのですが、隠そうとしてもね、頭ではそうは思っても、実際の身体の方が従ってくれないわけですね。
感情なんてもう大変ですね。
緊張と不安なんてなくなればいいんですが、頭でコントロールしようと思ってもそれは不可能なわけです。
そうして、不可能なことを何とかしなきゃ何とかしなきゃ、と取り組んでいくわけですが、じゃあ本番でどうなるかというと、やっぱりそのことばかり考えてしまう。
会議のときなんて会議の内容はどっか飛んじゃうんですね。
授業でもゼミでもそうです。
自分の番がくる、次の次だと考えて、人の話なんて聞く余地すらなくなってしまう。
それで、自分が実際に喋っているシーンなどを頭で演じて、失敗するのではないかと、失敗シーンの予行演習ですよね。
声が震えるんじゃないかしらと。
そもそも、イメージトレーニングというのは、スポーツの世界でもあるわけですが、自分の良いところをイメージするものですが、それが、こころの中で当然無理だと思っていたら、良いイメージなんて持てないし、成功しませんよね。
あがり症の方というのは、恐怖や不安、恐れといったものを元にして、自分の本番シーンをイメージするので、恐怖のイメージ結果しか生まない。
つまり、あがるんじゃないかと思ってイメージトレーニング、本番のシーンをイメージする人は、あがることを実現するかのようにイメージし続けるんですね。
本人の望まぬことを、何とかしなきゃと思いながら、望まぬ結果になる。
「努力逆転の法則」?じゃないですけど、かえって自分を苦しめるようになってしまうわけです。
じゃあ、どうすればいいかということなのですが、音読恐怖の方はね、とにかく集中しきるしかないです。
あがり症は自分への捉われ、他者の目への捉われ、他者にどう思われるかという捉われなので、このベクトル――自分の緊張、自分の声が震えるという一つのベクトル、他者にどういう風に思われるのか、ばかにされるのでは、軽蔑されるのでは、震えたら自分はここにいられないんじゃないかという他者からのベクトルをどう変えていくか。
“他者から”ではなく、“他者へ”というベクトルに変えていく。
他者にどう伝えるか、とにかく言葉を伝える、そのことにだけ意識を集中させる。
相手が分かりづらそうだったら言い直す。
声が震えそうで、相手が何言っているか分からないとしたら、そこが伝わるようにもう一回言い直す。
とにかく文章を読み上げることに集中する。
あがってもあがらなくても、声が震えても震えなくても、とにかく読むことだけに集中する。
プラス相手に伝えることだけに集中する。
もう一回言います。
あがり症は自分への捉われというのが大きい病なので、自分に捉われ続ける限りはあがり続けます。
その捉われの自分へのベクトルというのを変えていく必要があるわけですね。
相手に向けていく。
相手目線にしていく。
つまり、あがり症の方は、自分のためを思えば思うほどうまくいかず、相手のためを思えば思うほどあがり症は軽減していきます。
皮肉な逆説の病なんですね。
音読恐怖の方は、たしかにあまりにもつらい。
緊張するかもしれない。
だけれども、とにかく一言一句を読み上げることに集中することが一つ。
そして、いかに相手に伝わるか、伝えられるか、に集中することが一つ。
そしてもう一つ追加でありました。
あがり、緊張はあるなということで、ただそれを観察するだけでいいです。
声がブルブル震えていたら、つらいけど、震えてる、喋られねーと思う。
それだけでいいです。
これらのことに意識を置いてやってみてはいかがでしょうか。
ありがとうございました。
※この動画で話した時に加えて、更に付け加えるならば、今この瞬間の五感に意識を向けることも推奨しています。すなわち、見る、聞く、触れる、嗅ぐ、味わうといったことに集中する。今見えるものを見て、今聞こえるものに耳を澄ます。あるいは足の裏が地面に付いているのをしっかり感じるでもいいでしょう。ただ、あまりの圧倒的恐怖を感じる場合には、臨床心理士などでトラウマセラピーなどを扱えるカウンセラーにご相談するのも良いかと思います。
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