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対話しない日本

私は腰が悪く、整形外科のある病院によく通う。最近、居住地の地方病院に行った。
開院時間の5分くらい前に、病院の入り口をくぐった。すると、地元のおじいちゃん、おばあちゃんがもうすでに並んでいる。
なるほど、開院前に並んでおくのがこの病院のルールか。と思う。
さて、病院の予約機のスイッチが入る。
私も自分の順番のところに並んだ。

並んだのだけれど、知らないおじさんおばさんにグイッと横入りされた。
私の前に入るとき、「若者は目上の者にゆずれ」とでも言わんばかりに一瞥された。
悔しかった。
すごく悔しくて、具体案(整理券を作ること)を引っ提げて、受付のスタッフにクレームしてしまった。
「さっき横入りされたんですけど?次から、あらかじめ整理券とか作ってくれませんか??病院側で。」
人生初のクレームだった。

今になって思う。横入りしてきた夫婦と「対話」すればよかったんだ。私の中の、「対話」を阻む日本人的思考が邪魔した。
もう二度とこんなくだらないことで「私の」通院を煩わせないように、病院システムを変えようとした。

思い通りにならなくて、先生やお母さんにチクる小学生みたきじゃないか。

結果的に、病院窓口に意見を主張した。
私は、無意識に「話がわかるやつ」(病院)に主張した。同時に、横入りした夫婦を「話がわからないやつ」と評価した。

よくある風景で想像に容易かったのではないだろうか?この場面は、共通ルール的には「横入り」が不正だろう。病院側としても、待合室で口論になるよりは良かったのかもしれない。
全体的に見たら、私がその場で対話を申し込むことを避け、病院側に注意喚起したことは、日本的にみたら「よくグッと堪えた、エラい」となるだろう。

これだからダメなんだと思う。こういう判断を再生産してはならない。
私は、相手と口論になることを恐れるあまり、「対話」の空間を排除した。

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