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ホニャラ北海道・桃岩旅!その5

9月8日 青森~余市


携帯のアラームで起床。もうまもなく到着の時間だが、まだ船が減速する気配がない。
デッキに出てみると、右手には函館山。あれ?ちょっと遅れてないか??
そういえば、一回トイレに起きた時、結構横波に揺れていた気がする。
台風の余波の影響か、おそらく減速運転したのだろう。
実は今日、長万部で会いたい人がいる。
北海道・洞爺湖から、福岡県・八女市まで、お茶や本を売りながら徒歩で日本縦断中の、坂本治郎さんだ。
8月のサイコロ切符の旅でその人が営む宿・天空の茶屋敷に泊まり、その時にこの企画を聞く。ちょうど時期も同じころなので、どこかで会えたらと思っていたのだ。

昨晩、長万部に泊まるという連絡を受けたので、出発前に何とか会えたらと思い、始発の特急で長万部へ向かおうと思ったのだが、フェリーから列車の接続はギリギリ。このチャンスにかけて、函館港にタクシーを手配してあったのだ。

留守電に、船員さんに急ぐ旨を伝えると、一番で降ろしてくれるということが入っていたので、丁度見かけた船員さんに伝える。しかし、着岸してタクシーに乗り込んだ時点で、すでに列車の発車時刻3分前。こりゃ無理だわ…と、諦めて、函館駅に送ってもらった。

治郎さんに到着時間を伝え、多分待っていてくれるだろうと期待。
朝市はあまり活気も無いように見られ、サクッと見まわして港の公園で朝食を食べつつノンビリする。
ここからは、北海道LOVE6日間周遊パスを使用!これまでの青春18きっぷより1日当たりの単価は安いのに、特急まで乗り放題という優れものの切符だ。
最初は北海道を廻るのにはコスパの良いレンタカーかな?と思っていたが、これがあるなら!と、鉄道旅を楽しむことにしたのだ。

函館の街並みを出て、駒ケ岳を眺めつつ走る。この辺りは昨年、ミンタロハットの日本縦断企画に伴走して「森~五稜郭間、深夜の徒歩8時間・40キロの乗り換え」に挑んだ区間でもある。特急でも30分ほどは掛かる区間。人家もまばらなこの区間をよくぞ歩いたものだな~と、過酷な思い出を振り返る。

森からは一転して海岸沿いの景色を堪能する。瑛美ちゃんは疲れたのか横で爆睡。過酷な日程だから、無理もないか。よくこの鉄分が濃い旅について来れているなと感心する。

長万部駅に到着。かにめしの名所だけあって、駅の近くには冷凍のカニ飯の自販機があったりもする。
駅近くのシャマンという宿へ。ここに治郎さんは昨晩から泊まっている。
「八女茶」の幟が掲げられたリアカーも目印に、宿を発見。僕は約一か月ぶりに治郎さんとの再会。他のみんなは初対面だ。
シャマンのオーナーも気さくな方で、上がっていきなよ!と、僕らを快く迎えてくれる。


旅人宿という雰囲気の宿で、ちょっと雑然とした雰囲気が、日本というよりはアジアンチックな印象もある。
お話ししていたら、いつのまにかお昼前。
そろそろ出発だという治郎さんを見送り、僕らもお昼ごはんだ。

これまた昭和な雰囲気(なぜかフィギュアが沢山置いてある)の食堂で、カレーやラーメンを食し、長万部温泉へ。
駅からは20分ほど歩くが、ここも良い泉質だとは、アーミーの情報。

途中に少し離れたところから見えるのは、最近噴出したという、温泉の自噴泉。ある日突然噴出し、全く止まる気配がないのだとは、シャマンのオーナー談。(その後、9月26日に突如として噴出が止まったのだそう。自然は摩訶不思議だ)

レトロな温泉街には廃墟(というより壊れかけ)の建物も。そんな建物に興味を持つふじポン。この旅でふじポンの生態がまた一つ、解き明かされた。
1時間ほど、温泉を楽しむ。濃厚な成分のお湯は、身体がよく温まる。飲泉も出来るが、鉄塩の味が濃く、少しずつゆっくりと体内に入れる。
露天でちょっと休憩していたら、若者が声を掛けてくれた。なんでもチャリで旅しているそうで、一緒に来ていた仲間について行けず、この温泉で休憩したのだとか。
旅の話で少し盛り上がり、ホニャラのこともちゃっかりと宣伝。また再会できるといいな。

再び駅へ向かう。アーミーによると昔はこ線橋があったらしいが、今は撤去され、大回りして向かう必要がある。鉄道から利用することをもう想定していないのだろうか?

長万部13時29分発の倶知安行きは、当然の如く?1両編成。しかし、車内に入ると空席どころか、通路まで立ち席が出るほどの大混雑。
そりゃそうだ。昼間の時間帯に走るのは、これ唯一。旅行者はどうしてもここに集まってしまうのか。
この区間はつい先日、北海道新幹線の開業と共に消滅することが決定した区間。
確かに地域住民の足としては、もうほぼ使命を終えたといってもいい。
車内の様子を見ていても、殆どが乗り鉄であろうことが見受けられる。
しかし、住民の足としてはともかく、貨物輸送のサブルートや、観光ルートとしての使命はまだ終わっていないはず。ちょっと早急な決断だったような気もする。

沿線は、殆どが原生林と言っていいほどの自然の中。
一駅間が300円オーバーの区間があることからも、人口が希薄な地帯を行くことがわかる。瑛美ちゃんがその運賃表示に目を丸くしていた。
新幹線の駅設置のための工事が進んでいる、終点・倶知安に到着。満員の列車から吐き出され、真向かいのホームに並ぶ。いい加減、足も疲れてきたので今度は絶対座りたい。
小樽方面から来た列車は2両編成なので、楽々と着席。向かい側の乗ってきた列車は、逆に超満員になり、長万部へと引き返していく。
うとうととしつつ、もう間もなく余市。ここで実は、ふじポンは一旦お別れ。なんと、お仕事のためこのまま新千歳空港へと向かい、飛行機で自宅へと帰るのだ。
なるべくこの旅の行程に参加するためのウルトラな動き、これを聞いたときにはビックリした。因みに、この旅のFBでの発信の様子を見て、「あ、旅立ったんだな…」と知ったふじポンの同僚、翌日に職場にいるのを見て「なんでおるねん!!!」と驚愕したのだそう。

余市では、ホームに来てくれたたんたろうさん。一計を案じ、たんたろうさんの宿のこの季節の名物である、プルーンだけでもふじポンに味わってもらおうと、僅かな停車時間の中だが、ふじポンにもぎたてのプルーンを渡したのだ。
これを食べて、仕事を無事に終わらせて帰ってきてね!ふじポン!!!


たんたろうさんのクルマに乗せてもらい、まずは僕は去年も来た、柿崎商店へ。
ここならではの海鮮を買い込み、今夜は海鮮まつりじゃ!!
そしてゲストハウスあずまに到着。僕は1年振りの再訪だが、少し進化したところもあり、屋根裏部屋の秘密基地空間がとても居心地イイ。
今年のプルーンは、昨日通り過ぎた台風の影響で、かなり実を落としてしまったそう。
それでもまだ傷がついていないものや、なんとか無事だったプルーンを木からもいで頂く。大当たりのプルーンは、本当に甘さが際立ち、ジューシーで美味しいのだ。

夜は、アーミーのお知り合いも札幌から駆けつけてくれて、5人での宴会に。
少しシーズンが外れてしまったが、ウニの旨さは健在。たんたろうさんに勧められて買った「ますこ」も、イクラやスジコとはまた違った味わいで美味だ。
ノンビリと、そして楽しく宴会を楽しんだ。

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