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青春18きっぷ、終焉への一歩か?(前編)

10月24日、JR6社から青春18きっぷについて、とんでもないニュースが発表されました。
もう既に様々なサイトなどで述べられているが、簡単にその概要を記すと…

×連続する5日間での使用
×複数人での同時使用不可に
×発売時に利用日を決めないといけない(但し、1度のみ利用開始日の変更のみできる。3日間用⇔5日間用の変更は不可)
〇3日連続用の切符も発売
〇自動改札機を通ることが出来るようになる

利用者視点で見る限り、メリットは自動改札機を使えるようになったこと。そして新たに3日間用が発売されることぐらいです。

恐らくではあるが、この改正は本当であればこの夏発売(あるいはもう少し前から??)の青春18きっぷから、適用したかったところなのだろうと思われます。
というのも、この夏の青春18きっぷの発売に関しての発表が、異例の6月18日と、かなり発売開始までギリギリのタイミングになっていた。
一部では廃止説もあったりしたが、僕は流石にいきなりの廃止はないと見ていたが、なにかの制度変更の可能性はあると考えていたものの、結局は特に仕様変更はなく、発売開始が少し遅くなった以外は特に変わりなく発売されました。
JR各社間での最終的な調整もあったりして、なかなか纏まらずに夏はそのまま発売。最終的な調整が出来たために、今回の発表となったのではないかと思われます。

このリニューアルについて、元鉄道員かつ旅人目線の僕なりの視点で見てみます。


<リニューアルによるJRの狙い>
・金券屋・又はネットオークションでのバラ売り阻止?
従来の青春18きっぷは、半ば金券ショップでのばら売り・レンタルなどが常態化。また、ヤフオクなどのネット経由でも、個人間で1~4日単位での売買が定着していました。
初期には5枚バラで発売していたところ、あまりにも転売が多すぎたため、それを防ぐために5回分を1券片に纏めたという経緯があり、それでも完全に転売を防ぐには至らなかったものの、恐らくある程度は…というところで黙認してきたというのが現状でしょう。
ただ、ネット社会の発達により、個人間の取引まで増えてきたと言うのが、もしかしたらJRの目に障ったのかもしれません。

・現場負担の軽減
青春18きっぷの利用者は、有人改札を通る必要があります。
そのため、シーズンとなると主要駅では長距離列車(もしくは接続の良い列車)が到着するたびに、精算の列に加わって、青春18きっぷユーザーも並ぶことになります。
係員数に余裕があれば、機転を利かせて一人が自動改札付近に立って開放。その上で、券面を確認して18きっぷユーザーを通過させる対応も。
しかし、係員数を減らしっつある現在、そんなことをするような余裕もなくなってきています。
おそらく、並ばされている18きっぷユーザーからの苦情の声もあったかもしれません。

・都市型、駅員無配置駅の増加
この数年で、都市型の無人駅というのが増加しているように思います。
これは、自動券売機(特急券なども買える、高性能券売機を含む)や自動改札機は従来通り設置しているものの、駅員は無配置なタイプのもの。
こういった駅で青春18きっぷで乗降する場合、まずは自動改札機の横にあるインターホンでセンターの係員を呼び出し、切符をカメラを通して提示した上で自動改札機を通れるよう手配してもらわなければいけません。
基本的に複数の駅を管轄しているため、やはりシーズンなどはかなり手間が掛かることになると思われます。
特に、てっちゃんが沢山集まると思われる、梅小路京都西駅(JR西の鉄道博物館最寄り)もこのタイプの駅だったはず。一体どう対応しているだろうかとちょっと興味が湧くところです。

・不正防止
残念ながら、青春18きっぷを利用した不正も散見される模様です。
例えば日付を微妙に隠しながら足早に通過したり、なかには切符の偽造や変造をするものも。
自動改札を通過させることによって、こうした不正はかなり防ぐことができるのは事実です。

・客単価の上昇を目論んでいる?
人口減少時代となり、先行きが暗いなか、客単価を上げることは、JRにとっては至上課題でしょう。
そんななかで、格安のバーゲン価格ともいえる青春18きっぷを発売し続けることには異論があったのかもしれません。
3日間用を設定することにより、実質的にそちらに誘導。
これだけで、1日あたり2410円から3333円に一気に単価を上げることができるわけです。
5日間用にしても、実際に5日間連続で列車に乗り続けるユーザーは少数でしょう。実質的には4日ないしは3日間で利用を終えるユーザーも出てくると思われます。これもある意味では、実質的な客単価の上昇と言えます。

まだまだ続きます。

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