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夏の終わり旅 その15

9時過ぎまで爆睡。これだけ遅くまで寝るのはホニャラを出発して以来だ。旅に出ると早起きになるのはいつものことだが、今回の旅はそれがことさら激しい。
みんなもボチボチと起きてきたところだ。
昨晩、イルカ女将から情報量モリモリの鹿児島市内の情報を教えて貰っていた。

半分ぐらいの人はそのまま連泊するということもあり、仙厳園へ行くとか、天文館辺りをブラブラして買い物とか食べ歩きというプランもあったり。実は列車内で聞いた話では、最南端の駅・西大山を目指すという案まであったが、流石に災害による不通もあり、却下となっていた。

僕は今日、妙見温泉という鹿児島空港近くの秘湯宿に泊まることを決めている。イルカに連泊も勿論考えたのだが、一旦旅の疲れをここでしっかりと癒そうという考えだ。
天気が良いし、桜島フェリーにも乗ってみたいと思ったので、午前中だけで弾丸ミニトリップを敢行することに。
殆どのメンバーとはここで別れることになるので、一旦みんなには別れを告げて、桜島港へと歩く。
港へ着くと、ちょうど船が出航したばかり。とはいえ、15分おきに頻発しており、既に桟橋には次発のフェリーが係留されている。どうやら港で待たなくてもいいように2つの桟橋で交互発着しており、フェリー乗り場にありがちな広い待合室も見当たらない。というよりも必要がないのだろう。
桟橋を渡り乗船。実はこの時点でまだ乗船料を払っていない。
これも桜島フェリー独特のシステムで、必ず桜島側で運賃の収受を行っているのだそう。
ちょっと不思議な感覚を味わいつつ船内へ。
そして、イルカ女将に言われた通り、直ぐに店内のうどん屋さんへ向かう。
女将曰く、「乗船したらすぐに名物のうどんを食べること!ノンビリしていると桜島についてしまうよ!」とのこと。



しかし、流石に出航まで10分以上ある状態ではまだ準備中で空いておらず、少し手持ち無沙汰に船内をウロウロ。オープンしたところで一番乗りし、ごぼう天うどんを求める。
店内は狭いカウンターしかないが、どこで食べてもいいよとのことなので、甲板デッキに上がってテーブルの一角を陣取る。
折しも出航。散々脅かされたほど時間がないわけでもなく、錦江湾の景色を堪能しつつ、ゆっくりとうどんを味わうことが出来た。

桜島に到着。
歩いて回るか、少し離れた展望台までバスで向かって片道だけ歩くか…と考えていたら、フェリーターミナルの目の前に1時間400円のレンタサイクルの文字が。
あまり長くここに居ると、鹿児島市内に帰ってからが忙しなくなるので丁度いい。
自転車を借りて、桜島ミニサイクリングに出発だ!

周回ルートを教えて貰い、まずは緩い坂がだらだらと続く道を登っていく。
天気はとてもよくて暑いぐらいだが、肝心の桜島本体の頂上は雲に隠れていて、なかなか姿を現してくれない。
烏島展望台に到着。解説によると。約100年前まではここは島だったものの、桜島の噴火により陸続きとなったこと。
また、桜島自体は定期的に噴火しているが、その噴火場所は毎回異なる場所である。
そして噴火によって一旦は森林が無になるものの、その後、長い年月を掛けて森林が再生していくことから、同一場所、同一条件で、さまざまな森林の生成模様が研究できる場所としても貴重な場所らしいということがわかった。

さらにもう一カ所。赤水展望広場にもいってみる。こちらは鹿児島湾を望む展望スペースで、以前、長渕剛の大規模コンサートがここ桜島で開催されたのを記念した像があったりもする。
途中、外国人のハイカーを追い越すとき、「コンニチハ!」と元気に声を掛けてくれて、こちらも返す。どこから?と聞くと、オーストラリアから。楽しんでね!と追い越していった。


ここまで車道を走っていったが、帰りは散策路に入ってみる。
火山灰が積もっているところがあるから気を付けてね!と言われた道、たしかにカーブで砂に車輪を取られると転倒しそうなので、ゆっくりと走らせて海岸線沿いへ。気泡のような穴が沢山空いた石が多いのは、火山岩だろうか。溶岩が海水でいきなり冷やされるとそうなるのだとか。
そのまま進んでいくと、足湯のある公園へ。
長~い足湯があり、気候が良い時には本をもっていくゲストさんもいると、イルカの女将が言っていた。目の前は海が広がる絶景だし、たしかにそれも頷けるほどのロケーション。
あまりのんびりも出来ないが、少しだけ足をつけてみるとなかなか熱め。気温が高いせいもあるのだろう。


再びフェリーで鹿児島市内へ。天文館近くへと歩いて、ぶらぶらしていたアーミーと合流。
これも女将さんから勧められた餃子の王将へ。ここの王将、天津飯がオリジナルの味で美味しいのだそうだ。
美味しく頂いて、食後のデザートを求めて氷屋さんへ。鹿児島名物の白くま(カキ氷)だ。フワフワで美味しく、フルーツも沢山!
酷暑の夏にぴったりだ。


一旦宿に戻り、荷物をピックアップ。ちょうど女将さんもみえて、さらには看板ネコもチラリと顔を出してくれる。
写真を撮って出発。1泊では勿体なく、また次はゆっくりと過ごしたいものだ。

ここでアーミーとも別れて、近くのスーパーで買い出し。
到着時間を伝えたら、近くにはご飯を食べるところがなく、公共交通ならば買ってきた方がいいとのこと。
海の幸も交えて買い出しし、鹿児島駅からJRに乗車。国分行き普通列車は、電化区間だというのになぜか気動車。重厚なキハ40系で隼人へと向かう。
鹿児島を出ると、暫くは海岸線を走る。
桜島が雲から顔を出してくれているのだが、火山灰の影響か窓がかなり汚れていて、綺麗に車窓が見えないのが残念だ。


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