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真夏の太鼓日記(その5)

神戸への太鼓ツアーから帰って数日後、今度は揖斐の山里へ。
樹庵という、里山体験型の宿泊施設の20周年記念イベントに呼ばれ、そこで太鼓の演奏をする。
樹庵は旧横倉村の、廃校となった小学校を活用した宿泊施設で、林間学校や合宿、研修向けに改装した。噂には聞いていたが、訪れるのは初めて。さて、どんなところなのか?

少し天気が怪しいということで、外での演奏予定を切り替えて、体育館で行うということ。現地について、あれ?どこが体育館なのか?と思ったら、なんと2階。
ほう。これは珍しい構造だ。
費用も嵩みそうな気がするし、田舎なので特に土地がないわけでもなさそう。なぜわざわざ体育館を2階に作ったのだろうか。
そのおかげで太鼓を運んで、階段を上らなければいけないのが大変だ。

詳しいことは不明だったが、どうやら記念式典の出し物として演奏するらしい。
町内の有力者が集まり、なんか盛大な雰囲気。体育館ということもあり、空気がこもって蒸し暑い。
フランスチームの面々も暑い~!と言っていた。
ヨーロッパは涼しいイメージがあるから、やはり日本の夏はつらいのだろう。


サクッと叩いて、お楽しみはまだまだここから。会場の物販で使えるチケットを頂けたので、それで色々楽しむことが出来る。
外でイワナやアユの塩焼き、豚の丸焼きを販売しているのに目を付けていたので、片付けが終わったらそちらへGo!
手伝いに来た地元のオバちゃんたちと話しつつ、塩焼きを頂く。
そういえば、他のメンバーはどうしているのだろう?と思って体育館にいってみると、なんとそこでもオードブルが振舞われており、高齢の皆さんはあまり食べないということもあり、食べ放題状態!
ついつい調子に乗って食べ過ぎてしまいました。
結局こちらにも山というほど魚の塩焼きは運ばれてきており、慌てて食べなくてよかったw
地元の喫茶店の方との企画で、カラオケ大会も行われる。本格的なカラオケ機器も持ち込まれており、円さんも美声を披露。
けっこう皆さんノリノリで、次から次へと歌う方が続出。
和太鼓女子チームもかぶりつき席で盛り上げる!
僕も負けじと飛び込みで一曲、歌わせてもらいました。

お次はグランドでの催し。なんとか天気も小雨がパラつく程度で、支障はない程度。(さすがオレ、晴れ男)
盆踊り大会ということで、郡上おどりの曲も何曲か。
徹夜踊りに2回ほど参加したことがあるので、記憶を頼りにと、自信がありそうな人の振りをみながら踊る。フランスチームの一部メンバーも参戦。やはりみんなで踊るのは楽しい。


さらに地元出身のチームによるファイヤーダンス。
そして、締めを飾るのは花火。3・2・1!とみんなの掛け声でスタート。結構な規模でたくさんの花火が打ち上げられる。
近くということもあるし、しかも周囲を山に囲まれていることもあって、花火の音がこだましてさらに迫力が倍増。
忙しい合間の夏のひとときとなった。

【揖斐川・はなももホールにて】

樹庵での演奏から二日後、今度は地元・揖斐川町のはなももホールでの演奏だ。セッティング・リハーサルを終えて、開場時間。
実は、神戸では観客の数としては少なかったので、今回はどうなのか?と思っていたら、結構な人数が来てくれた。800人収容のホールが半分近くは埋まっただろうか?
これだけの大人数の前で演奏するのはなかなかない機会だろう。

負傷でここまで戦列?を離れていたチーム最年長(喜寿)の小森さん、気合でこのはなももホールでの演奏は叩く!とのこと。
結局揖斐大和太鼓、夏の演奏で唯一フルメンバーで演奏する機会となるのが、ここはなももホールでの演奏だった。

ここでは尺八や舞もコラボしての演奏。静寂なホールに尺八の雅な音が、太鼓の迫力のある演奏の合間に挟まる。
ここではフランスチームは「元寇襲来」をテーマとした寸劇を挟みながら、ミュージカル風に演奏を進めていく。
来日してからも、毎日のように練習してこの日のために磨き上げてきたのだとか。
日本人でもなかなか使わない難しい日本語もがんばって覚えたらしく、迫力ある演技とあいまって、歌舞伎の演技を見ているような気分になる。
元寇の襲来に怯える兵士と、そのなかでも皆を鼓舞して戦おうとする武将。
怯えているような兵士には任せていられない!と、家族や自分たちの土地を守ろうと立ち上がる漁師、そして最後は兵士と漁師、力を合わせ、嵐の助けもあり元寇を撃退するというストーリーだった。

ふと時計を見ると、もう終演時刻(20時半)までわずか。
しかしまだ終わる気配はないし、そもそも最後の全員が叩く「崇音」が残っている。予定より軽く30分以上オーバーして、いよいよフィナーレ。特に全体的にもたついたような印象もないし、時間にアバウトなヨーロッパタイムが適用されたのだろうか?

無事に叩き終わるが、やはり一筋ではいかない?のがホニャラ。実は僕、演奏中にバチを飛ばしてしまう。幸い足元に落ちたので、演奏をそのまま続けながら事なきを得たが、終わった後に聞いた話、僕がバチを飛ばした直後、エミポンも飛ばしていたらしい。一部のメンバーは気づいていて、息がぴったりだね!と笑われた。夫婦そろってなにやってんだか。

会場の閉鎖時間が迫っているので、お客さんにも速やかに退場してもらうようアナウンスが入り、僕らも急いで出口でお見送り。
円さんがお疲れさま会を用意してくれていて、宿屋揖斐川でのバーベキューでたくさん肉を頂き、一日の疲れを癒した。
まだ神戸での2回目の演奏を残しているが、お盆時期ということもあって、エミポンを含め、大和太鼓の半分のメンバーは、今日でフランスチーム縁とはお別れだ。

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