サイコロ切符の旅(その5)
大阪での宿に決めた、ゲストハウス君彩屋(きみどりや)。もう、瑛美ちゃんは寝ているかな?と思ったら、共有スペースでまだまだ話し込んでいる。
タロット占いをやってもらったり、オーナー・さやさんとお話ししたりして、ついつい夜更かししていたのだそう。
僕も軽くシャワーを浴びて少しだけお話し。
なんか瑛美ちゃん、行き&帰り、どちらも茶屋町(岡山・宇野線)で2時間ほどの足止めを喰らったらしく、よほど茶屋町に何か縁があったのかというところらしい。(当地は、瑛美ちゃんが倉敷のゲストハウスで働いていた時に縁があった場所にも近いらしい)
翌朝、叩き付けるような雨音で目を覚ます。
下へと降りると、外は一歩でも出ようものなら、その瞬間にぬれねずみになりそうな勢い。
共有スペースでノンビリしつつ、コーヒーとトーストのモーニングを頂く。
昨日お話ししていたあゆみさんも起きてくる。雨のお陰でまた会えたね!と笑いあい、結局11時近くになって記念撮影。ようやく重い腰を上げる。
瑛美ちゃんが、安さに惹かれて桃を一箱購入している(本当は3箱買おうとしたが自重したらしい)ので、あまり歩けんなwということで、いまざとライナーというBRT(といっても単なる快速バス)のバス停まで歩き、杭全(くまた)まで乗車。大和路線(こちらは東部市場前駅。なぜ統一しない?)に乗り換えてと、車が置いてある三郷へ戻る。
すこし瑛美ちゃんの実家にも寄り道(桃のお裾分け)して、目指すは榊原温泉。ホニャラノイエに予約があれば、今日中に帰ろうかと思っていたが、今朝の時点で予約はゼロ!
これもご縁かと、瑛美ちゃんの本・「ゲストハウスは学校だった」
↑詳しくはコチラ!
のオンライン対談に遊びに来てくれた、榊原温泉近くのゲストハウス・イロンゴに宿泊することにしたのだ。
名阪国道を走っていたら、奈良からホニャラノイエに向かうときの帰り道に当たる、亀山インター付近で事故のため通行止め。さらには付近の高速道路でも土砂崩れで通行止めのダブルパンチらしい。
周辺の道路も混雑するだろうから、直接帰ることにしていたら、とんでもない目に遭っていたなと、強運に感謝だ。
最初は榊原温泉に入ろうと思っていたら、途中、「大山田温泉さるびの」の近くを通ることに気づき、良さげな感じなので入ることに。
榊原温泉、泉質は良いのだろうが、日帰り入浴が高いよな~と思っていたので丁度良かった。
ここも泉質は上等。奥まったところの源泉かけ流し風呂は、軽く30分ぐらいはノンビリ入っていられるぬるめの温度がGOODだ。
露天風呂は多分かけ流しではないものの、片隅に飲泉場があるのも本物の温泉の証。
ただ、サウナの温度は良いのだが、水風呂がぬるめなのが残念だ。
ゆっくりとくつろいで、ゲストハウスイロンゴに到着。
日本人の奥さんと、フィリピン人の旦那さんでやっている宿だ。
到着すると、日本でありながら、東南アジアのゲストハウスのような雰囲気。
元気すぎるお姉ちゃんと弟クンの兄弟が遊ぼう!と絡んでくる。
僕に対して「オジサン!」というので、「おにいさんだ!」と訂正するが、なかなか聞いてくれない。(因みに、年上の瑛美ちゃんにはおねえさん)
「目をつぶって!」「10秒数えて!」と、本来の目的(かくれんぼ)を言わずともそれをさせるという術をこの年にして持っているところに驚いた。
夜ごはんはおススメの食堂に。国道沿いのみやたというお店。少しお高めの定食だったが、お値段も頷けるお味。僕が頼んだ手作りクリームコロッケも、瑛美ちゃんが頼んだアジのお造りも、なかなか絶品だ。
翌朝。少しお散歩で近くの榊原温泉口駅に。
というのも、ここを通る近鉄大阪線は、ホニャラノイエスーパー常連のFさんの乗務線区。あわよくば偶然会えたりしないかな?という期待を持っての訪問だ。
確か、この日はアケ番の筈。(なぜゲストの仕事日まで把握している笑)
朝のこの時間帯なら、近鉄線のどこかを乗務しているのだ。
ホームに上がると丁度、東青山行き普通列車が。
どうだ?どうだ?
違う・・・
山中の駅だが、特急も停車することもあり、案外本数が多い。なので、小一時間ほど上下ホームを行ったり来たり。(エスカレーターなんかないので良い運動になる)
はたから見たら、相当不審な行動。なおかつ、鬚面。
結局Fさんには会えなかったものの、間違いなく車掌さんや運転士さんの間では榊原温泉口駅の怪として噂になるだろう。せめてそれがFさんの耳に入れば気付くかな?と期待して駅を後にした。
ちなみにこの間、3回も同じ車掌さんに会ったこともあり、印象には相当残った筈だ。
そして、美杉町の山奥で本日開催されるという、「森の音楽祭」に行くことに。
昨日、イロンゴに泊まったときに、この日にこの音楽祭が開催されることを聞き、キャンセルも出ていることもアリ、当日でも飛び込み可能だという事で訪れることにしたのだ。
今年で10周年だということで、南米を中心としたさまざまな音楽や出店を楽しむことが出来るイベントだ。
駐車場にクルマを置いて、参加者はここから30分近く森林の中を歩いていく。
こんなところにイベント会場が?という山中の小さなキャンプ場に、その会場があった。携帯の電波も通じず、下界とは隔離された別世界だ。
出店は南米やスイス、東南アジア、日本などの料理が並ぶ。
軽快な演奏を聴きながら、少しづつつまんでいくと、二人で全店を制覇することが出来た。
ちょうどよい規模だ。
みんな、思い思いの場所で音楽を楽しむ。僕らも、時にはツリーハウスに登ったり、座敷席で寝転がったりしながらの時間を楽しむ。
途中には、丸太切り大会や、スイカ割大会などのイベントも!
そして盛り上がってきた後半は、ペルーの楽器に合わせ、少しずつ輪になって踊り始める。僕も瑛美ちゃんを誘って、踊りの輪に加わる。
そういえば、ペルーでもお祭りに遭遇して、楽しそうだな~と眺めていたら、現地人に誘われてその輪の中に突撃したこともあったっけ。
その時の記憶を思い出しながら、身体を一杯に使って踊り狂う。
もう汗だく!
だけど、その疲労感が心地よい。
この会の主催者である、理事長や副理事長も、満面の笑みで音楽を一緒になって楽しんでいる姿が印象的。本当に楽しんでいるから10年間続いているんだろうなと思う。
子ども達の反応も多種多様。大人に巻き込まれるようにして、訳も分からず身を任せていたり、ちょっと離れて恐る恐る眺めていたり。
まあ、こんな経験もそのうち何かいい経験になるのだろうな~と思う。
大満足の1日が終わり、帰り道には温泉を楽しんでホニャラに帰還した。
今回、夫婦それぞれ別の場所に旅するという試みだった。
瑛美ちゃんはなかなか波乱万丈。僕はノンビリダラダラ旅。
それぞれ毛色が違う旅となったよう。
最後には一緒に旅したこともあり、一人旅の良さと、二人旅の良さが上手くミックスしたような旅になったな~~と思った。