コロコロの中での旅日記 その1

2020年6月、まだ新型コロナウィルスの影響で、世間は自粛ムードの中。
しかし、そんな中でも「動く」ことは必要ではないか。
2020年6月時点での情報を見る限りでは、ワクチンが開発されていないというだけで、過度に恐れる必要はないと考えられる。少なくとも日本国内で見る限り、致死率も毎年流行しているインフルエンザとそこまで変わらない。そして感染者数も対人口比で見ても、そこまで恐れるまでのものではない。


3月にオープンしたホニャラノイエ。何とかギリギリというタイミングで、ささやかにオープンパーティーを行うことは出来たが、ホニャラノイエだけでなく、つながりのある地で開催するという計画も、4月は流石に世間の流れに抗うことは出来ずに断念。元々は大阪・豊能の里山ベースハナビで開催する予定だったのを、やむを得ずオンライン開催に切り替えた。
そして6月。そろそろ動く時。そう感じた僕達は、こういう時だからこそ、あえて「会いに行く」という行動を起こした。
状況としては、4月に発令された緊急事態宣言は、5月には解除されたものの、依然として政府からの県境移動の自粛要請は出ている状態。特に東京を中心とした都市部と田舎との行き来は避けられるような雰囲気だ。一部地域では、感染者が発生していないことから県外ナンバーの車への忌避感が強く、報道では県外狩りなどというフレーズもまだ飛ぶころだ。

そんな背景の中での旅に出発した。

今回の旅の目的地は、千葉県・鋸南。元々、6月13日瑛美ちゃんの誕生日の日を、ホニャラノイエオープンパーティーIN鋸南と共に、祝うことにしていた。
それだけでなく折角の機会でもあるし、様々な人と出会う旅にしようと、様々な「人」と出会う計画を立てた。そんな旅の様子をお楽しみください。



【安曇野地球宿編】
最初の目的地に選んだのは、僕ら夫妻の出会いの地でもある、安曇野地球宿。
元々は昨年、世界一周新婚旅行から帰ってきて直ぐに臨んだ「安曇野ハーフマラソン」への参加を目的に滞在する予定をしていた。が、当然のごとく開催の中止が決定。代わりに参加賞のTシャツや安曇野のお米が送られてくることになった。

それでも、二人の思い出もたくさん詰まった地。状況を見ながら泊まりに行っても大丈夫か?聞いてみると、宿主の望さん曰く、「是非おいで~!田植えの作業あるよw」と受け入れてくれることになったので、1泊滞在することに…と思ったら、僕らが出発する日に田植え後のピザパーティーするよ!との悪いお誘いがあったため、してやられた~と思いつつ、もう一泊することにしたのだ。
さて1日目。昼過ぎの到着を目指してホニャラノイエを早朝に出発したこともあり、順調に木曽路を進む。途中、毎度お世話になっているお気に入りの温泉、桟温泉にも入浴。到着がお昼を回りそうなので、途中の気になっていた国道沿いの食堂でお昼ご飯。トラックの運ちゃんの御用達の店なのか、中々ボリューミーで美味かった。


お昼過ぎ、安曇野に到着。直接、地球宿の田んぼに到着する。着いてみれば順調に午前中の作業が終わったらしく、かなりノンビリムード。久しぶりにお会いする方や、地元のママさん達との会話を楽しむ。
裸足で田んぼに足を突っ込んで植えるのは、なかなか楽しい。体重が重いせいか、他の人に比べて機動力は劣るが。
少し早めに作業も終わり、久しぶりに会ったスタッフのキクちゃんも一緒に誘い、3人で温泉へ行くことに。安曇野に来たら必ずと言っていいほど一度は行く、富士尾山荘の日帰り入浴を目指す。ここは露天風呂はないものの、渋い雰囲気の岩風呂が気に入っている。毎度安定の貸切状態でゆったりと風呂を楽しみ、久しぶりの地球宿の夜を楽しむ。

毎年、スタッフが入れ変わる地球宿。
瑛美ちゃんがスタッフで入ったことをキッカケ?として、それ以来女性スタッフと男性スタッフの組み合わせにしていくことになったそう。
今年は元々、望さんが運営するシェアハウスの住人だったキクちゃんと、ポンさんのコンビ。
しかしスタッフとして就いた瞬間からのコロナ。宿も一時的に閉めていたので、望さんの繋がりの農家さんで出稼ぎしたり(元々農繁期に外国人が中心となるウーファーさんを入れていたものの、今年は皆無なので、人手不足の農家さんが多いようだ)地球宿の模様替えをしたり、オンライン企画を立ち上げたりと、今しか出来ないことを工夫していたようだ。

因みに僕達二人ともに勝手知ったる地球宿ではあるが、ちょっとぎこちない?チェックインのご案内も受けた。

2日目。
一息コーヒーを飲んだら、この日も田植えのお手伝い。今度は少し広めの田んぼで、望さんが田植え機で植えた後を追いかけて、植え切れていない倒れた稲を手植えするのだが、土が柔らかすぎるのか、機械がボロいのか、場所によっては殆どが倒れてしまう始末。中々大変だった。
それでも、地元のママさんや、元気なお子さんを中心に人手が集まっていたこともあり、順調にお昼過ぎには予定の作業を終了。
気持ちの良い快晴の中、体を動かすのはとても気持ちいい


この日は二人でファインビュー室山へ。ここは最初に地球宿で二人が出会ったときに、僕が告白したという思い出の場所であり、二人の関係が動き始めた場所でもある。
お風呂でサッパリした後、夕暮れの公園から眺める松本平の景色を暫し眺めた。

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地球宿に帰るとピザ窯に火が入り、夕食の準備が始まっていた。セルフサービスで具材をピザ生地に乗っけて、それを望さんが焼いていく。昨年末に卒業していったスタッフ・シューマが足跡として完成させて出ていった作品。どうやらゲストに出すのは初めてだったようで、良い実験台?だったのだろうか。

具材はセルフでトッピング。個性が現れて面白い。

なかなか一度に焼ける数が少ないので苦戦していたが、みんなでペロリと平らげた。

3日目。
出発の日はスタッフも農作業に先に出かけ、少しだけ夫婦水入らずの時を地球宿で過ごす。この日はギルドハウス十日町を目指す。高台から見える安曇野の景色を眺めながら快走路を飛ばし、まずは戸隠神社へ。
途中、白馬と長野を結ぶ細い峠道の途中にある、隠れた絶景ポイントへ。前に来たときはやはり初めて出会ったときの最初のドライブ。その時は二人きり…とはいかず、もう一人オマケが付いていたのだが、今回は二人でゆっくりと、八方尾根を眼前に見渡す絶景を楽しんだ。

くねくねと北信州を抜けていく細い山道をクリアして、ようやく戸隠神社に到着。まずは中社にお参りし、そこから歩いて奥社までハイキング。途中、歩いていく道の途中にイイ感じの蕎麦屋さんを見つけたのでお昼に立ち寄る。信州来たら、やっぱり蕎麦だね!
僕は二回目の訪問の戸隠神社奥社。山中なのに、最初はなだらかで真っすぐな、それでいて両脇に大木が聳える参道を進む。

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大きな山門をくぐると、ジワジワと登り勾配が厳しくなり、横をチョロチョロと清流が流れている。前を歩いていたシニアグループも、結構きつそう。
観光バスの集合時間の関係だろうか?結局時間もあってか、ギブアップすることにしてしまい、すれ違いの僕らに「頑張って!私たちの分もお参りしてきてね!」と、思いを託されエアタッチ。
元気を貰い、ぐいぐい登っていったら、ようやく奥社に到着。達成感と気持ちの良い雰囲気に、暫し佇んだ。
ソフトクリームを食べようと、売店に引き寄せられたら、さっきのシニアグループが休憩中。ちゃんと登頂したよとご報告することが出来た。

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出発して次の目的地は野沢温泉。ここはスキー&温泉で有名な観光地。切り拓かれた山肌に広大なスキー場であることがわかる。
クルマを停めて、街中に点在する立ち寄り湯の一つを目指す。閑散とした雰囲気。シーズンオフに加えてこのコロナ。相当なダメージを受けているのだろう。
温泉に入ると、長期滞在で日本から出られなくなったのだろうか?ヨーロッパ系と思われる外国人と入れ違いになる。少し熱めの湯に浸かると、運転の疲れも吹っ飛ぶ気がする。
あとで瑛美ちゃんに聞いてみると、女湯は数人の地元のオバチャンたちがいたようで、入り方を教えてくれたり、よそ者にも親切にしてくれたようだ。外から来る人に対して迎える土壌が根付いているのだろうか。観光地などで、県外から来る人を忌避する地域もあると聞いていただけに少し心配だったが、やはりそんな地域だけではないことに少し安心する。今度はスキーシーズンに訪れてみたいものだ。


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