シャルソン&パクチー銀行旅 その8
いよいよ第一の間に移動し、準備運動が始まる。
恒例のラジオ体操だ!
正しく出来るか不安~とか、大丈夫かな??とかの声が上がるが、Kさんはサクッと一刀両断。「大丈夫!だれも見えてないからわからないよ~」
そりゃそうだ(笑)
円形を作って体操が出来る体形に開く。
少し探ると、僕の真後ろには壁があり、なぜかイスがある。ここに座ってサボっても、誰にもバレないんやろか…との邪念を振り払い、お馴染みの音楽に乗ってラジオ体操。
ジャンプするところとか、少しずつ位置がずれていないか心配になる。
が、ズレていたとしても隣の人とぶつからない限りはわからない。というか、ぶつかっても自分がズレているのか、隣の人がズレているのかは不明だ。
無事に体操が終わり、次のプログラム。これも先ほどと同じように部屋を移動する。
今度はバンブー競争。
まずは2チームに分かれ、壁沿いに立つ4人と、1本の長い竹棒を持ってその4人の真向いに立つチーム。よーいドンとともに、竹棒を持つチームは、部屋の真ん中にある柱へ。そこではKさんが鈴を鳴らしてアシストしてくれている。そこの柱に、端っこの人が触れながら一周して、また元の位置に戻って、最後に壁沿いの4人(声を出してサポートしている)がいる前に立ててある三角コーンに全員が触れることが出来たらクリアだ。
そこまでのタイムも計ってくれる。
僕らのチームはKさんもなかなか速い!と言ってくれるほどスムーズに。物怖じしないメンバーが多く、小走りに近いスピードで、柱を廻ってくることに成功したのが原因だ。
だいぶみんなの緊張もほぐれたところで、次のステージへと進む。
次は玉入れ競争。
V字型の列に並び、Kさんが鈴を鳴らしてくれるところにゴールの籠があるのだ。球の数は50個あるらしく、足元にばらまいてくれて、一人3個ずつは手にした状態でスタートする。
作戦はどうする??と言われたが、とりあえずどんどん投げる!ということでみんなの意見は一致。
よーいドン!でスタート。
大体のラインから近づきすぎないようにというルールだが、前のめりになってしまうのは人の常。子どもが近づいて投げるのを察知すると、Kさんが、誰か近づきすぎているよ~!と注意。見えているのか?とビックリ。
結局どれぐらい入ったのか?もわからないままに、タイムオーバー。
数を数えると19個。
一番多いチームは30個以上も入れたらしく、作戦をミスったのかもしれない。
というのも、投げる球は直ぐに尽きるが、それを拾うのも一苦労。
結局、めいめいで球を拾いに行くのだが、勿論どこにあるかもわからないのでそれもタイムロス。
途中から機転を利かせた子どもが拾い役に回ってくれたが、正確に渡すことなど勿論出来ずに、みんなが大半の時間を玉探しに奔走したというのが正直なところだ。
多分、拾い役を2人ぐらい、それを中継して投げてに渡す人も2人?
投げるのは正直、4人でも良かったかもしれないな~と、終わった後で思うがまさしく後の祭りだった。
そして次の部屋へ。少し距離が長く、足元の感覚が変わったり、声の反響で壁の材質が変わったのを感じることが出来たりする。
次は休憩タイム。
3種類のパックドリンクが配られるが、いくら眺めても勿論どの種類かは不明。ストローを穴にさすのを苦戦している人もいた。
近くに座ったKさんと話していたら、なんと出身がお隣の滋賀県であることが判明。ちょっとローカルトークで盛り上がる。
子ども達からはちょっと疲れた!という声も。運動自体は大したことはしていないのだが、普段はあり得ない環境に、脳みそが疲れているような感覚。
単なる視覚障害の疑似体験というよりは、自分の中で本来持っている視覚を除いた感覚を呼び起こすような体験と言えるかもしれない。
体験前はどんな感覚になるのか?と期待と怖さ半分だったが、いざ始まってみると、もう見えないものと割り切って冷静に考え、他の感覚をフル活用している自分が居る。それに気づけたのも、参加してとても大きかったかもしれない。
最後は、みんなで列を作ってラインダンスで進んでいく。軽快なメロディーに乗って、右!右!左!左!前!後ろ!前、前、前!!
と、歩を進めていく。
なんか、僕がいる辺りが前方の遅いスピードと、後ろからの速いスピードのぶつかり合う地点??で、押し合いへし合いなかなか大変だった。
体力的にはこのプログラムが一番疲れたな~~
そして最後の部屋に到着。
ここでKさんが、光を少しづつ入れるけれど、最初は目を閉じた状態で、徐々に慣らしていくように注意する。
確かに90分弱とはいえ、生まれてきて初めてこんな暗闇を経験しているのだ。急に明るいところへ出れば目もびっくりしてしまうだろう。
目を閉じた状態でも、ふっと明るくなったのを感じる。
ゆっくりと目を開けてみると、まだ外界への扉を数センチ開けているだけ。
それでも充分に眩しく感じている。
それでも程なく目も慣れ、それに応じて扉を開いてくれた。
あ、光だ!
プログラム中は楽しんでいたものの、やはり安堵感は半端ではない。と同時に、やはり少し緊張が続いていたことに気付く。
恐らく、体験した人それぞれ、得るものは違うと思うけれど、東京に来るなら、ぜひ時間を見つけて体験してほしいプログラムだと思った。
あっ、当然ながら体験中の写真など一切ナシ!
なので今回はノー写真なのです。