老け顔の効用~駅員時代~
いまではようやく、年相応に見られることが多くなってきたが、まあ僕は昔から老け顔だった。(中学時代に駅の窓口で禁煙ですか?喫煙ですか?と聞かれたり)
新入社員として駅に配属されても、ロッカールームで先輩から敬語で挨拶されたり。その時は丁寧な先輩だな~なんて思っていたが、後ほど冗談半分にお前、あの時の敬語返せ!て言われたり。どうも他の職場から転属した先輩だと思われていたらしい。
そういえば、駅に配属され机上教育期間は出勤したら、1人の先輩社員について2人の新入社員が挟み、改札に立って「おはようございます!」などと声出しをしていた。(毎春の恒例なのだろう)
そんな我々にも、時には利用されるお客さんから列車の利用についてや周辺地理に関して聞かれたりする。その時、結構他の2人を差し置いて僕に質問してくる人のなんと多かったことか。
やっぱり一番ベテラン感が出ていたのは僕だったんだろうな~
まあ、その駅は学生時代から毎日のように利用していた駅ということもあり、ある程度土地勘はあるため、僕もある程度は質問に答えることは出来ていたが。
そしてこんなこともあった。
配属して2~3カ月経ったころだろうか?僕が乗り換え改札口で勤務しているときのことだ。大雨でその日は大幅に新幹線のダイヤが乱れていた。
詳しいことはもう覚えていないが、恐らく運転見合わせとなり、なかなか列車が来ないという時だっただろうか。一人の激おこサラリーマンが改札口に詰め寄ってくる。
うわ…ヤバい雰囲気や…神妙な顔で対応。
やはりなかなか運転再開しないことにいら立っていらっしゃる。
とはいえ、いつ動くなど教えてほしいのはコチラこそだというのが本音。
イライラする気持ちもわからんではないけど、こちらにその矛先を向けられましても…と思う。
こういう時にいつ動くかは、神のみぞ知る…心を無にして待つべし…と言いたいが、そんなことを言ったら火に油とダイナマイトを同時に放り込むようなものだろう。
すると…
「おい!おまえ改札責任者やろ!なんとかしろ!」
と。
目線は明らかに自分を睨みつけている。
え??オレ???
その日の改札メンバーでは一応僕が一番の若造。
横で対応をサポートしてくれていた先輩…実は、その先輩がまさしくサラリーマンが求める改札責任者(通称A番と呼ばれていた)なのだ。
助けを求める目線をチラリ…と見ると、スっとかっこよく
「私が責任者です!」
などとなれば、先輩カッコいい!!
となるのでしょうが、現実はそうはいかずw
神妙な顔でスッと半歩下がるのを僕は目の端で捉えた。
オイ!と先輩に心の中でツッコミながら、しどろもどろになりつつも対応。
なんとか収まり(収まっていないか?)立ち去った後で先輩に
「ひどいじゃないっすか!」と文句を言う。
にやにやしながら、まあまあwとなだめられたのだった。