アーミー退職記念ツアー!(その4)
この日は帰宅日。MIKIちゃんも別行動で帰ることになったので、帰り道は夫婦二人でノンビリと帰る。(といっても、今日のチェックインで予約が入っているので、そんなにノンビリもできない)
朝、路面電車の唸る音で目覚める。時計を見るとまだ6時過ぎ。
眠気と比較して、昨日気になっていた本を読みたい思いが勝り、リビングに降りて本をジックリと読みふけることに。途中でスタッフの方が降りて来て、慌ただしく出発していく。大学に行くのだろうか。
ここは大学生が主体となって運営しているらしく、若者らしい明るい雰囲気が宿からも感じられる。
8時ごろには出発。ここで少し、僕と瑛美ちゃんは別行動。南富山駅まで車を運転してもらい、僕は富山の路面電車に試乗してみることにしたのだ。
丁度来た電車に飛び乗る。
一晩お世話になった、よすが。なんと玄関の目の前が電停。富山駅前方面であれば、玄関を出て横断歩道を渡り、30秒後には電車の中という、これ以上ない立地だ。
丁度来たのは南富山行き。しかし、比較的新しい車両であるので、折角だし途中で旧型車両に乗り換えたいなと画策。
スイッチバックとなる富山駅で下車して、旧型車が来るのを待ちつつ、路面電車の動きも観察してみることに。
ここ、富山の路面電車は、元々は市内線の南富山~富山駅前~富山大学前の系統が元祖。(さらに古くは様々な路線があったようだが、モータリゼーションの影響で、次々と廃止となった模様)富山港線のJRからの切り離し・LRT化から風向きが変わり、市内環状線系統の新規開業・そして、富山駅の高架化に伴い、富山ライトレールを合併して南北に分かれていた線路もつながる。
全ての系統が入り交ざる富山駅で観察すると、南富山⇔富山大学前、環状線、そして岩瀬浜方面系統の列車が行き来。
特に、南富山⇔富山大学前と、環状線のみの系統は、スイッチバックで折り返していくこともあり、非常に複雑で面白い。しかしそんな中でも、相互に上手く接続が取られているようなダイヤにはなっており、軌道敷地内に原則立ち入りが禁止されているからこその定時制の高さが重要なのだろうと思う。
暫く観察していると、丁度南富山行きの方向幕を掲げた旧型車がやってきた。
いそいそと乗り込み車中の人に。
まさしく唸り声をあげるようなモーター音と、ガタピシ言いながら走る乗り心地を味わうこと20分少々、終点の南富山についた。
先回りしていた瑛美ちゃんと合流。旧型車に乗るために少し待たせてしまったようだ。
途中で、瑛美ちゃんの親戚のおじさんの墓参りに行く。
昔、富山の親戚のところで遊んだ記憶も蘇り、道中の景色を見ながら懐かしい!と連発していた。
到着すると、なんということか。
冬場にお墓参りする人は皆無なのか、全く除雪していない模様。
今こそ、念のために持ってきたものの、ここまで活躍する機会もなくトランクで眠っていた長靴の出番。このために持ってきたのかと合点する。
日当たりが悪いところは膝上まで埋まる積雪。
気温が高く、緩んでいることもあり、さらに歩きづらい。
僕が先行してひたすら足を前に進ませて、ようやくおじさんのお墓に到達。
こんな中、よく来たなあと、労ってくれているだろうと思いながら合掌。
瑛美ちゃんも、昔、よくかわいがってもらっていたのだそう。ようやくパートナーを紹介することが出来たと喜んでいた。
足元を中心に、キンキンに冷えた体を温めるにはやはり温泉。
41号を南下する道中、よさげな温泉があるので目をつけていた。その名も割石温泉。地元のじいさまのサロンパスの香りが充満する更衣室を脱出すると、かけ流しの湯が。露天はないものの、かけ流し湯があればそれでよし。
昨日の銭湯があまりゆっくり入れなかった分、ここでノンビリと浸かる。
一面の雪景色の中、神岡・古川を抜けて、飛騨高山へ。
今日のお昼は、毎度恒例だが弱尊のカレー。瑛美ちゃんからは、高山経由と聞いた瞬間、ここを狙っているなと読まれている。
今の季節は、一番お気に入りの限定カレー、すきやきカレーのタイミング。旅の締めに、美味しく満腹になって帰路についた。