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真夏の太鼓日記!(その1)

我々ホニャラ夫妻、1年半ほど前から太鼓を習っております。
というのも、とある揖斐川町の大和神社の御神事を見に行った時のこと。太鼓の演奏があり、その後は自由に叩いていいよ!という感じに。
よろこんでポコポコ叩いていたら、神社の神主でもあり、太鼓チーム・揖斐大和太鼓のリーダーである保井円さんが「練習会に遊びに来る?」と誘ってくれて、そこからいつの間にか、その太鼓チームの一員として週一度の練習で太鼓を叩く日々になったわけです。

時々、御神事などで叩いたり、イベントに出張して叩いたり。という感じで緩く活動しておりましたが、今年の夏。なんと、フランスの太鼓チームとの合同で神戸まで演奏に行くことになりました!

それだけでなく、勿論地元でもさまざまな公演が組まれ、いつしか八月のホニャラの予定は太鼓にジャックされることに!?
因みに、どんな予定だったのかを公表すると…
8月2日 合同事前リハーサル
8月4日 みんなで奈良へ。
8月5日 神戸甲南大学で演奏
8月8日 揖斐川町・樹庵にて演奏
8月9日 揖斐川町はなももホールにてリハ
8月10日 はなももホールにて演奏
8月12日 神戸・酒心館にて演奏


まあ太鼓だけでこんなに予定が埋まるのは初めての経験。
そして、今回わざわざフランスから太鼓チーム・縁(えにし)が来日してくれることになったのはこのような経緯があります。

1993年からフランス甲南学園の国語教師だった保井は、和太鼓部を作りたいという夢を持っていました。ある保護者さんにその話をしたところ、たまたまお子さんが小学生の時に和太鼓部の部長だった縁もあって趣旨に賛同いただき、和太鼓一式を寄付していただけることになりました。2000年のことです。  その年の夏の保護者面談の後、保護者さんとともに京都に和太鼓を見に行き、宮太鼓2台と平太鼓3台を注文し、夏休み明けに生徒であるお子さん(孝夫君)を中心に、いよいよ念願の和太鼓部を発足させる手はずが整いました。  ところが、あろうことかその数週間後、孝夫君が事故で亡くなってしまったのです。葬儀の場で保井からご両親にお悔やみを述べるとともに、和太鼓寄付の話も丁寧にご辞退申し上げたのですが、「孝夫の遺志を継いでいってほしい」との保護者さんの願いとともに、夏休み明けにフランスに和太鼓一式が届いたのです。  

そこで保井が孝夫君の鎮魂のために『崇音(たかお)』という曲を書き、全校生徒の有志とともにこの曲をたたくことで、和太鼓部が立ち上がりました。  そんな悲しいスタートとなった、フランス甲南学園の和太鼓部ですが、生徒たちの熱心な練習の成果が実ってめきめきと腕を上げ、地元の様々なイベントをはじめボルドー・パリ・リヨンなどフランス各地はもとより、イギリスやドイツなどからも演奏依頼が届くなど、大きく成長しました。  また、当学園の存在するサン・シール市が長年人道支援をしてきたセネガル中部の小都市クサナール市を支援するため、2005年から2013年まで9回のチャリティーコンサートをフランスで実施し、合計日本円にして200万円以上を寄付することができました。そのお金は教育や医療の改善に用いられ、特に洪水で倒壊した校舎を含め3つの学校を再建・新築し、そのうちの一つにはKONANという名がつけられるなど、大きな社会貢献もしてきました。  このように活躍したフランス甲南学園和太鼓部でしたが、2013年の学校の閉校とともに消滅しました。

ところがそれを惜しむ地元の市民たちが、なんとか和太鼓を教えてほしいと声を上げ、それに応える形で保井がフランス人に和太鼓を教え、サンシール日仏友好協会の部活動として、和太鼓チームが復活したのです。  保井は家業の神社を継ぐため2016年に日本に帰国しましたが、その後は甲南学園の同僚教師であった馬込江美子氏がリーダーを引き継ぎ、チーム名をEnishi(縁)と名付け、本格的な和太鼓演奏者集団に仕上げました。 今年5月には、かつて甲南学園の生徒たちがチャリティーコンサート行ったサンシール市のホールを満杯にする演劇仕立ての和太鼓スペクタクルを成功させ、名実ともに地元を代表する和太鼓チームに育っています。  今回このEnishiのメンバーの中から、「フランス甲南学園閉校10年を迎えた今、孝夫君の鎮魂の曲『崇音』を、できれば卒業生や、卒業生が創部した甲南大学和太鼓部の学生たち、そして保井が所属する岐阜県揖斐川町の和太鼓チームと合同で演奏したい。そして、孝夫君の両親と天国の孝夫君の魂に捧げたい。」という声が上がり、「忘れ物を届けに」とのテーマの下関係者が集い、神戸で2回(甲南大学および灘の酒蔵福寿・酒心館ホール)、揖斐川町で1回、コンサートを催すこととなりました。 日本文化を代表する和太鼓の世界的な広がりを皆さんに実感していただくとともに、国際交流の一つの姿として、日仏の和太鼓奏者が一つの目的の元に集い、その思いを表現する場として今回の演奏会が実施されることをうれしく思います。

ということで、太鼓の夏の始まり!

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