台湾環島旅行記(その5)
【それぞれの道へ】
台湾三日目の朝。
6時に起きることが出来たメンバーで、大人気だという朝ご飯屋さんへ行く。6時半を過ぎると大混雑して、下手をすれば売り切れもあるという大人気店らしい。
早朝の宜蘭の街を歩く。前回の台湾旅では、夜市しか見ていなかったので、活気ある朝の街の表情を見るのも新鮮だ。野菜や果物を扱う露天も目に付く。
お店に到着。とりあえず現地の方に身を任せて待っていると、麺、そしてさまざまな小皿が並ぶ。朝から豪勢だ。
普段は朝ご飯は意図的に抜いている僕だが、旅に出れば話は別。美味しく頂く。食べると思われてか、おばあちゃんから半分ぐらい食べて!とほぼ押し売りされて、結局1・5人前近く食べることに。
ちょっと食べ過ぎた!
ホステルに戻り、サクッと支度を済ませると、みんなは出発時間。
僕も、電車に乗らなければいけない時間なので、みんなと共にチェックアウトし、スタート地点の宜蘭駅前へ。
颯爽と走り去る一行を見送り、僕はここでみんなとはお別れ。まだまだ200kmぐらいあるが、最後まで笑顔で走り切ってくれることでしょう!
ココから僕は、ナオキさん達とは逆方向に廻って、鉄道で駆け足台湾一周の旅に出かける。
付記 その後、GPSランナー一行は、無事に台湾環島を達成!各都市へと再び再訪してGPSアートを描いたり、台湾メディアに出演したり、中学校の卒業式に来賓として出席したりと、忙しい台湾滞在を送った模様である。
さて、僕は一昨日借りた自転車を返しに行かなければいけない。
帰り道を再び自転車で走るなど、絶対にしたくないので取った手段が、鉄道!
台湾の鉄道は、日本でいう普通・快速に相当する区間車・区間快車は、原則として折りたたむことなく自転車の持ち込みが可能なのだ。有料なので、自転車用の切符を購入。宜蘭~南奥まで28元(130円ぐらい)だ。
時計回りの場合は先頭車が乗車させる車両として指定されており、そちらへ行くと、ちょうどサポーターチームの方(Yさん)の一人も花蓮へ帰るところで一緒になる。
そういえばこの列車、一昨日乗った列車と同じ、台北から花蓮への長距離列車。最新型の車両での運用だ。先頭車の半分は自転車を乗せるスペースで、自転車を垂直に立てて固定する器具が備えられていて、省スペースで自転車を積むことが出来るように配慮されている。
自転車を設置するのに苦戦していると、先に乗っていたサイクリストらしきオッちゃんが手伝ってくれた。
どうやら会話の雰囲気で、Yさんがオッちゃんに、ナオキさんのプロジェクトのことを話したらしく、オッちゃん、とても驚いていた。
途中でそのオッちゃんも降り、僕も降りる準備を。Yさんに手を振って南奥駅に降り立った。
サッサと自転車を返して、さてどうしようか?
実はこの後、2時間以上花蓮方面の電車は来ない。散歩するにも暑くて大変だしな…と、とりあえず冷房付きの喫茶店でも探してウロウロ。
充電をさせてもらいつつ、旅行記を書いたりしながら地元の人に混ざってティータイム。
なんかまだ眠気があるので、日陰で寝転んでダラダラしたり。(虫に襲われて退散)
Googlemapで見つけた南奥神社に行ってみるも、だいぶ荒れているな…と思いながら石段を上がったら、まさかの何もない。
うーん、不可思議だ。
駅前のお店でミルクティーをゲット。タピオカいるかい?という感じで2種類示されたから、特に拘りがないので安い方を選択したら、それでもタピオカが結構な量、入っていた。どうやら高い方はタピオカの量が倍量だという感じかな。
【環島再スタート!】
南奥から花蓮は、PP(プッシュプルの略)自強号と呼ばれる、ヨーロッパ式の機関車に挟まれるスタイルの自強号だ。
プユマやタロコ、そして新自強号に押されながらも、まだまだ活躍している。
ICカードであれば、座席の保証がないものの、こういった旧式の特急なら追加料金不要で乗車できるのがとても有難い。
客車列車ならではのノンビリとした出足。
しかしめっちゃ倒すことが出来る快適なシートをゆっくりと堪能しながら、花連に向かった。
花蓮到着。
台湾東部の中枢の都市であることから、規模がでっかい駅だ。
1時間ほど時間があるので、ここで昼ごはんの調達。表口は結構、街並みまで距離がありそうなので、裏口へ出てみることに。結局複数ある線路をまたぐ関係もあり、こちらも沢山歩かされることになった。
しかし、駅の近くにはあまりピンとくるお店がない。
オバちゃんとかが露天を出していて、そこで弁当箱に総菜を詰めてくれる的なお店を期待していた(瑞芳ではそんな感じの店があった)が、なかなかそうはいかない。
表側もグルリと廻り、結局駅内の売店で弁当を購入。日本の駅弁に相当するが、こちらでは100元(450円ぐらい)と安く食べることが出来るのが嬉しい。
日本で駅弁を食べようとすると、1000円は覚悟せねばという所だ。
ホームでの待ち時間、ふと見るとワンコが安全チョッキ?を着て悠然と座っている。お仕事中なのか?それとも職員さんの癒しのために居るのか?
【新型特急でGO!】
ここからは何度も見ている新自強号に乗車。
この列車はICカードでは乗れず、別途で切符を購入。といっても、4時間も特急に乗車するのに800t元ほどと、4000円ほどで移動できてしまう。
座ってみると、ちょっと硬めの座り心地。リクライニング角度も含め、先ほどまでのPP自強号の客車の移住性には遠く及ばない。
時折、現在の走行速度も案内表示で出てくる。
営業最高速度は130kmの筈だが、見ている限りでは125kmがMAXだった。一桁台は5km単位に切り捨てているからだろう。
この新自強号は、年々増え続ける需要に応えるため、輸送力増強の切り札として12両固定編成で登場。見た目からもなんとなくわかるが、日本製だ。
車内案内をみても、特に特徴のあるようなものでもなく、漢字の表記も相まって、パッと見では日本の特急とそんなに変わらない。
花蓮からは暫く海とはお別れして、山間の盆地地帯を走っていく。
台湾鉄道は原則として、左側通行。(MRTやLRTは右側のようだ)
しかし台湾鉄道の特徴として、左右どちらも通行が出来るようになっていて、実際に複線区間で走行中に追い抜いたりもするらしい。
この列車も、なぜか途中でスピードを落として渡り線を使って右側へ。暫く右側通行になっていたりもしていた。追い抜いたりはしていないようだったので理由は不明だが、保守工事などの兼ね合いもあるのか?
単線区間もあったりして、ローカル特急のような様相も。停車駅も多く2~3駅通過したら止まるという感じで、まるで急行のようだ。
環島之星という、台湾を一周する観光列車と途中ですれ違い。ツアーなどで乗車する列車のようで、ちょっと豪華な内装になっているのを覗くことが出来る。
台東に到着、ここでちょうど半分少々が過ぎたところ。
ここまで結構な乗車率だったが、ここで一気に人が降りて閑散とした車内に。
それと共に列車の性格も一気に変わる。
これまでは10分~20分おきぐらいに停車していたが、ここから一気に1時間半のノンストップで西海岸の潮州へと駆け抜ける。
台湾の優等列車の設定方法の特徴で、列車によっては大胆な停車駅選定によって、区間により一気に役目が変わることがある。
ここから先は南廻線。最近まで非電化で残っていた区間で、ディーゼル車を使った自強号が走っていたそうだが、もう今ではほとんど見られない。
海を望みながら高台を走るが、実は非電化時代、ここは連続するトンネルで抜けていたらしい。狭いトンネルのまま電化することは出来ないため、景色が望めるようになったとか。
日本では線路改良=連続したトンネルとなり、景色が見えなくなるのが通例だが、ここでは逆の現象が起こっているのが面白い。
島の横断部分に入り、トンネルが連続。時折渓谷を望めるが、ほんの一瞬のことだ。この辺りでは沿線に果樹園が目立ち、もうすぐ取り頃なのだろうか、袋が掛けてある果物が目立つ。明日の朝ご飯などでフルーツもアリだな!
長時間のノンストップ運転も終わり、潮州、屏東と連続で止まればもうまもなく目的地の高雄(カオシュン)
地下線に入って17時過ぎ、定刻通りに高雄に到着した。
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