<番外編>タイ国鉄南線・鈍行列車旅のススメ 後編
前編も併せてお読みくださいね〜!
<車内設備>
非冷房かつ、座席はボックスシートが基本。一部ではあるが、ロングシートも存在する。
灼熱のタイで非冷房!?と思われるかもしれないが、停車中は暑いものの、走り出せば心地よい風が吹き込んでくる。
ただ、陽が当たる側ではじりじりと焼けるような暑さ。席が空いていれば移動して直射日光を避けよう。
僕が旅した範囲では、立ち席が発生していたのはフアヒン~バンコクのごく一部区間だけだった。
とはいえ、必ず着席が保証されている訳ではないので、そこは覚悟しておいた方がいい。
なお、仏教国タイらしく、僧侶専用車両もバンコク行きの場合、前寄りに連結されているので、間違えて乗車しないように気をつけよう。
トイレ
各車両に1カ所ぐらいはある。
いわゆるタイ式のトイレで、気になる方はトイレットペーパーや手洗い用の水(たまに出ないこともある)なども持参した方がいいかも。
なお、基本的に進行方向左側についていた(バンコク方面行)ので、座る位置はその反対側に陣取った方がいいかもしれない。
高速走行時でも構わず垂れ流しなので、時折・・・臭う。これ以上は言うまい。
座席は以下のパターンがある。好みに応じてぜひ様々な座席を試してほしい。
・2×2 通常タイプボックスシート
日本の昔の急行型や、ローカル線などではお馴染みの座席配置。
ただし、背もたれは薄い素材なのか、後ろの人が動くとその感触が直に伝わってくる。これが夜行列車などでは結構気になるところなのだが、あまり寝るまででもない昼間の列車ならそんなに気にならなかった。
・2×2 通勤型ボックスシートバンコクの近辺を走る、通勤型気動車の座席。測ったわけではないものの、客車列車よりもシートピッチは狭く、四人きっちり座るとなかなか窮屈だ、横幅も、通路を確保するためか狭いように感じた。
手摺が付いていることから、立ち席客にも配慮している。
・2×3 詰め込み型ボックスシート
座席の質としては通常タイプと同様だが、配置が2×3の計5列と、新幹線と同じ列数のボックスシート。とはいえ、もちろん新幹線ほどの車体幅がある筈もなく、恐らく定員ギッチリと座ったらかなり窮屈だろうと思われる。
一応、日本でも昔の修学旅行専用列車であったり、一時、首都圏・常磐線で試験的に運用されていた415系2階建て列車の2階席にて実績があるので、その当時の雰囲気?を懐かしみたい方は、ぜひこちらの席を探してみてほしい。
閑散としていれば、3列側シートは少し長いため、寝転ぶには最適なシートと化する。
・2×2 木製シート
座り心地としては、見る限りの座席バリエーションの中としては恐らく最低の部類に入るだろう。というか、これよりも劣る座席があるなら見てみたいものだ。
クッションなど勿論なし。列車の揺れが直にお尻に伝わる。長距離を乗る場合には絶対に避けたい車両だ。
なお、上の2枚目の写真のように、いきなり座面が外れるトラップがある模様。座る時は気をつけて座ろう。
・2×2 ベンチ型シート
駅によくあるようなベンチがまさかの車内に出現!?
一応、座るところにクッションがあるものの、背もたれが低いため、木製ボックスシートほどではないが、掛け心地はあまりよろしくない。
このタイプに関しては、車端部にロングシートも存在し、僕はその部分に座ってみた。
<食糧事情>
本編でも触れたように、基本的に常に行商人が乗っているので、飢えることはないと言い切れる。
ちょっとしたお菓子的なモノから、ご飯ものまで。
大体、主要駅で乗り込んできて、他の列車と行違う駅で乗り換えていくというパターンが多いので、ラインナップもその時々で異なる。
ガパオライス的なモノや、パッカオ(タイ風チャーハン)だったり。
また、駅停車中に窓から買うことも出来たりする。
メイン級の食事でも40バーツぐらいなので、とても安い。
飲み物に関しても冷たい飲み物限定にはなるが、しょっちゅう廻ってくる。
その入れ方は人によってまちまちで、丈夫なビニール袋にダイレクトに飲み物を入れているパターンもあれば、プラカップに入っている場合も。そして、密閉タイプのプラカップに入って渡してくる場合(この時はタピオカミルクティーだった)もあった。
水は除いてどの飲み物も確実に甘いのは覚悟しよう。
なお衛生概念は、多分現地レベルとなるので、もしも気になる方は避けた方がいいのかもしれない。
屋台メシを気にせず食べるくらいの旅人であれば、問題なく手を出していいのではないかと思う。
ちなみに僕は全く気にせず、色々な食べ物を食べてみたが、特に腹を痛めることなく旅を終えることが出来た。
<切符の値段>
とにかく、めちゃくちゃ安い。
国策的なものもあるのだろうが、価格破壊的な安さだ。
今回の旅で使用した切符の値段を明記しておく。
スンガイコロク~タンヨンマット 9b 42.79km
タンヨンマット~ハジャイ 35b 170.92km
ハジャイ~チュムポーン 79b 460.05km
チュムポーン~フアヒン 49b 255.54km
フアヒン~トンブリ 42b 212.99km
1142.29kmを214バーツ、日本円に直して1000円弱で移動したことになる。因みにこの距離は日本に当てはめると東京~福岡に匹敵し、JRの運賃表に当てはめると13750円を要する。
日本とタイの物価の差があるとはいえ、これは凄く安く抑えられていると思う。(日本の運賃は高い??)
考え方によっては、時間が掛かるのを厭わなければ、最安値で移動するには最も適した交通手段かもしれない。
まあ、宿泊費・食費などを考えたら、高速バスなどの方がコスパは良いかもしれないが。
因みに、路線によっては特別価格が設定されているので注意されたい。
今回乗車した、ハジャイ~パダンベサールの国境越え路線では、45.26kmの距離で50バーツだった。それでも日本の感覚だと充分に安いが、タイ国鉄普通列車感覚だとかなり高いなということがわかる。
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