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目について(雑記)

 自動販売機の隣に設置されたリサイクルボックス。ペットボトルや缶を入れるための穴が二箇所付いている。
 それがまるでこちらを見つめる目のようで、夜などは少し不気味に感じることがある。
 黒目が際立って大きい生き物。一番最初に思いついたのはフクロウだった。
 特に夜行性のフクロウは、黒目の色のついた部分というべきか、虹彩とも呼ばれるらしいが、その部分が見当たらないため、少し怖いと思ったりする。

 おそらく、夜にリサイクルボックスと目が合うと動揺してしまうのは、それがまるで生き物のように見えてしまうためだろう。
 ぽっかりと空いた穴が、開き切った瞳孔にも見えて、その奥にある得体の知れない暗闇に恐怖する。どこまでも深く、なにものでも飲み込んでしまいそうな気配。それは例えば、田舎町のやたら広い家の中に一人でいる不安感に似ている。
 自分の使わない、持て余している空間があまりにも多いために感じる、何か人間以外の何かが潜んでいそうな気配。それが胸の底あたりをざわつかせてたまらなくなる。
 

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