見出し画像

旧型ジンバル MOZA AirCrossの優れた美点を4つ紹介

今回は、既に旧型となって久しいジンバル MOZA AirCrossの優れた美点を4つ紹介したいと思います。

MOZA AirCross初代

ちなみに、MOZA AirCross 1 つまり初代の機種です。
AirCross 2, 3ではありませんのでご注意のほど⋯
ぜひ最後までご覧ください。


1)必ずしも最新型が良いわけではない

これは常々感じていることですが、最新型のジンバルは機能性・利便性の追求に終始しており、本来ジンバルに求められるはずのフォローの挙動・三軸の安定化・設定の柔軟性といった点が完全に置き去りにされてしまっています。
残念ながら、ジンバル黎明期には存在していたはずの美点が失われてしまったんですね。
そこで今回は、もう6年以上前に発売されたMOZA AirCrossの初代をフィーチャーしてみます。

このジンバルの良さを知ったら欲しくなってしまうかも知れませんよ。
というのも、ジンバルでのカメラワークにこだわるかたほど、フォローの挙動はもっとも気になる点かと思いますからね。

もう新品では手に入らないのかなと思ったら、今現在もAmazonで売られていることもあるようです。
中古やオークションのほうが在庫は豊富にありそうです。
いずれにせよ、6年以上に渡って販売され続けているジンバルは他になく、まさにロングセラーと言っていいジンバルですね。

2)MOZA AirCrossの優れた美点

MOZA AirCross

2-1)フォローモードが秀逸

MOZA AirCross最大の美点は、まさしくフォローモードの秀逸さにあります。

これは、カメラワークの自由度が高いことを意味し、撮影者に妥協を迫ることなくグリップだけでノンリニアで流れるようなカットを撮ることができます。
最新型のジンバルと違ってロール軸が傾いておらず、三軸のモーターがそれぞれ直角に配置されています。

三軸すべて90度にレイアウトされている

そのため、上下左右にジンバルを動かした際、非常に素直で違和感のないフォローモードで撮影できます。

2-2)インバートモードで撮りやすい

前のチャプターでも説明しましたが、ロール軸が傾いていないので、インバートモード(ジンバル可動部を下に吊り下げた状態)で撮りやすくなります。

インバートモード(逆さ持ち)

背面液晶の視認性がまるで違いますね。
一般的に、ジンバルはインバートモードで撮影したほうが安定感が得られます。
物理的にも、重いジンバル可動部やカメラを吊り下げるほうが身体で支えやすいからです。
代表的な例で言うと、映画撮影で使われる大型のジンバルはそのほとんどがインバート状態で撮影しています。

もっとも、重量のあるシネマカメラを載せますので必然的にそうなるわけですが、それでも安定化を重視していることに変わりありません。
ミラーレス一眼用のジンバルも、本来はそこを重視してもらいたいんですが、マーケティング目線で捉えると現実的には難しいようです。

2-3)保持力

最新型のジンバルに比べると、モーターパワーが強力とは言えず、重いカメラ・レンズには不向きですが、軽量な組み合わせならまずまずの保持力を発揮します。
不思議なもので、少し触ると動いてしまうので一見ブレてしまいそうですが、実際に撮ってみると意外に悪くないんですね。
これは、おそらく振動を拾った際にブレを吸収するようなモーターセッティングになっているからだと思います。
これとは逆に、最新型のジンバルはモーターパワーを強化することでしかブレを抑えることができない機種が多いですね。
話を元に戻しますが、走ってみてここまでスタビリティーを発揮できるなら今でも通用するジンバルだと思いますね。

2-4)シンプルな操作系

ジョイスティックと電源ボタンしかありません。

操作系は2つだけ

フォローモードは、ジョイスティックを押すことで切り替えられます。

  • 1回押し:パンフォロー

  • 2回押し:パン・チルトフォロー

  • 3回押し:ロック

  • 4回押し:ロールフォロー

それと、これは覚えておくと便利な機能です。

  • 電源ボタン3回押し:リセンター

  • ジョイスティックを押しながら電源ボタンを1回押し:スリープ

  • ジョイスティックを1回押し:スリープ解除

  • ジョイスティックを押しながら電源ボタンを2回押し:オートチューン

  • ジョイスティックを押しながら電源ボタンを3回押し:インセプションモード(360度回転)

  • 電源ボタンを4回押し:ロールコントロール(左右に約45度回転)

よく考えられていると思います。
使い方を覚えれば、これほど素早く操作できるジンバルは他にないでしょう。

3)デメリット

私にとってはさほど問題になりませんが、一般のかたにとってデメリットとなりうる点に触れておきます。

  • モーターパワーが弱め

  • 三軸のロック機能がない

  • タッチスクリーンがない

  • ジンバルの設定にスマートフォンが必要

  • バッテリーの放電が比較的速い

最新型のジンバルに慣れきってしまった人には信じられないかも知れませんが、現行機種と比べると機能性や利便性が劣るのはやむを得ません。
とはいえ、私個人的には今もなお実用上特に問題は感じません。
それと、バッテリー交換可能な点はメリットと言えますので補足しておきますね。

交換バッテリー

今回、久々にMOZA AirCrossに触りましたが、改めて使ってみると本当にいいジンバルですね。
繰り返しになりますが、フォローの挙動が素晴らしく、また全方位フォローの挙動に違和感がありません。

ロール軸に傾斜がないため挙動が素直

もしジンバルメーカーのかたが見ていたら、ロール軸が90度に配置されたジンバルの復活を是非実現してもらいたいと思いますね。
それだけで、最新型のジンバルでは妥協せざるを得なかったカメラワークを見事に解決してくれます。
旧型ジンバルでも、まだまだやれるということをお伝えできたら幸いです。
ぜひ、ジンバル撮影を楽しまれてください。

今回は以上となります。
ご視聴いただきありがとうございました。
また次の記事でお目にかかりましょう。

いいなと思ったら応援しよう!