対処不要なチャーン(解約)を考察する!
SaaSベンダーとして最も嫌なことの一つ。それはチャーン(解約)ですよね。
SaaSをはじめとするサブスクリプションビジネスは顧客と長い関係を結びLTV(顧客生涯価値)を最大化するということが命題です。
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前職ではカスタマーサクセスとして、解約理由を分析したことがあり、どんなに頑張っても対処するのが難しい理由があることに気づきました。
解約はなにがなんでも阻止したいからすべてに全力投球!も良いのですが、有限のリソースを割くのは勿体ないので、今日はそのあたりについてまとめていきます。
対処のしようがない(不要な)チャーン
Webで「チャーン 対策」などで「チャーン 防止」で検索すると色々なTipsが出てきますが、ここに当てはまる理由の場合、無意味だと考えています。
早速本題。
ここは大きく二つのパターンがあると考えています。
一つ目が政治的理由による解約。例えば下記のようなケースです。
・M&Aにより別のサービスを使うことを余儀なくされた
・社長が知り合いに聞いたサービスの利用を押し付けてきた
これらは実際のヘルススコアにも現れませんし、NPSのサーベイにも現れません。利用者Usageが非常に高くても、担当者やユーザーのNPSが9点や10点の推奨者であっても上記の理由であれば解約になります。
そして経営層の気分といった理由ですと、青天の霹靂のようにやってきます。
このパターンは無理なものは無理と諦めた方が無難です。
そして二つ目が一時利用目的での契約です。例えば下記のようなパターン。
・一時的なプロジェクトでの利用
・一時的にできた会社や団体の契約
実際私も一時的なプロジェクトのために複数のSaaSを契約していましたが、プロジェクトの終了をもって全て解約しています。
もちろんUXが素晴らしく、一時的なプロジェクト終了後も継続するという判断もあるかもしれません。
ただし、そもそも継続しない可能性の方が高い場合は、そこにリソースを割くのは少し勿体無いです。
また、一時的にできた会社や団体についても同様です。例えばW杯やオリンピックなどは開催が決まると組織委員会が立ち上がります。こういった団体はイベントの終了後に解体されるので、その時点で解約となります。
そのため、言わずもがなですが、解約阻止をしようとしても無駄です。
そもそもこれらは頻繁に発生するようなものではありません。
しかしながら、例えば一時利用の解約があまりにも多いという場合は、そもそもSaaSとして(サブスクリプションモデルとして)扱ったほうが良いのか?などから深堀りしたほうがよいかもしれません。
その他は対処すべきチャーン
逆に言うと、SaaS企業として対処すべきものは上記以外のものになります。原因は様々ですが、一言でいうと価値を感じられていないということになるのではないでしょうか。
具体的には下記のようなケースがあると考えています。
・使いこなせていない
・価格が高い(と感じている)
・使う機会がない
・機能が十分でない
なお、この対応についてはプロダクトによってや体制によってやり方が大きく異なりますし、とても長くなりそうなので今回は割愛します。
まとめ:大事なことは顧客に誠意を持って対応すること
今回対処が難しいチャーンについて記載しました。
しかし、どんな場合であっても顧客には誠意をもって対応することが重要だと考えております。
担当者が転職した場合に転職先でサービスを使ってくれる可能性は往々にしてあります。
担当者がその友人や知り合いにサービスを勧めてくれる可能性もあります。
解約をするからといって冷たい対応するのではなく、どんな顧客にも誠意をもって対応し、ロイヤルカスタマーになってもらうというのはカスタマーサクセスとして、また、SaaS企業としてのあり方だなと日々感じております。
ではまた次回。
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