診療報酬、プラス改定か、マイナス改定か?薬価の行方は?
2018年度の診療報酬改定の論点が出そろった。今年末までには結論を得る。
前回の2016年度の診療報酬改定と異なる点を挙げれば、次のようになろう。
1つには、前回までと比べて、今回は「支払側」の影響が強まる可能性がある。衆院選後、これまで経済界が躊躇していた保育の受け皿整備への企業からの拠出金について、10月27日に開催された人生100年時代構想会議で、安倍晋三首相が3000億円の拠出を要請し、榊原定征経団連会長は協力の姿勢を示した。
保育所整備の話と、診療報酬は表立った関係はない。しかし、経済界が躊躇していた事業主負担を、保育所整備で首相の要請に応じるとなれば、加えてほぼ同時期に医療保険でも事業主負担保険料を容易に増やせるとは思えない。事業主負担保険料をあまり増やせないとなれば、本人負担保険料負担もあまり増えず、ひいては医療給付費も全体として増やせない、ということになる。それは、診療報酬総額のマイナス改定への圧力となろう。
もう1つは、薬価制度の抜本改革の実施である。薬価の引き下げは、前回よりも本質的なところで行われる可能性がある。その点について、下記拙稿に詳述している。