「日本サウナ祭り」にみる人間性の回帰と観光資源としてサウナ

2018年3月3日~4日。長野県小海町にあるフィンランドビレッジにて開催された第3回日本サウナ祭りに参加してきました。定員200名のところ、応募申し込み開始から約10分で1000人の応募が来る人気イベントになりました。

日本初のピットサウナ(古式スモークサウナ)のお披露目、テントサウナやウィスキング、氷の張った湖での強冷水浴や八ヶ岳を望む大自然での外気浴で、心の底からリラックスできます。

テントサウナやドームサウナなどの薪ストーブで室温を上げる設営式サウナが計5つ設置されていました。女性の参加者もかなり多く見受けられ、水着にバスローブ、サウナポンチョを羽織って各々のペースでサウナを楽しんでいました。ほとんどのサウナでセルフロウリュができます。

テントサウナは温度や湿度調整が難しくなかなか身体の芯までは温まりにくい。そんな時に威力を発揮するのが移動式サウナです。気仙沼サウナクラブさん運んできてくれた移動式薪サウナ「サウナトースター」。埼玉県でおふろcafeなどを運営する温泉道場さんが運んできくれたのは自走式電気ストーブサウナ「サウナワーゲン」。トースターではヴィヒタを贅沢に用いて強力なロウリュを終日行っていました。「サウナワーゲン」ではその強力なストーブで2~3分に1回のハイペースロウリュでもストーンがよく鳴いていました。

フィンランドビレッジに併設されているサウナコタやロッジ内の電気ストーブサウナも楽しめます。アロマ水をかけた雪で蒸気を発生させる「スノウリュ」やマルシンスパの熱波師 マグ万平さんによるセクシーアウフグースが楽しめました。

サウナで身体を熱しきった後は、氷の張る湖へダイブ！！！キンキンに冷えてます。湖に流れ込む小川から組み上げた飲料可なほど綺麗な水風呂(3.2℃)も最高です。体を冷やし切った後は、芝生で日光浴を楽しみます。

冷えた体に手製のハーブティが染みます。

サウナ大使 タナカカツキ先生から直々にソーセージも振舞っていただきました。

「サウナ祭り」のサウナ体験はいつも都会で体験するサウナとは圧倒的に違う点があります。それは、サウナの中で知らない人との自然な会話が生まれること。

「今日はどこから来たんですか？」「ちょっとぬるいんでロウリュ強めにやってしまいますね」「へー！ホームサウナがAKCなんですかあ！」などなど。

同性だけでなく、異性とも自然な会話がサウナの中では発生します。性別や国籍の壁もなく、純粋なサウナ愛だけでそこに集まった人同士の空間だからなのでしょうか。これが本来の「サウナ」の姿なのかなとも思いました。単に汗をかいて冷水浴でリフレッシュするだけでなく、都会の荒んだ生活で失われた人間本来の温かさや絆みたいなものが再確認できる場所。

何よりも運営の人たちのサウナ愛が溢れていました。2日間通しで参加料3700円は安すぎます。スナック濡れ頭巾では白州ロックが500円で飲めるし、イオンウォーターや温かいコーヒー、ハーブティーは無料でいただけるし、万平さんはタオルの振りすぎで肩上がらなくなってるし、サウナ大使カツキさんはガウン軍団相手に大人の対応しているし、イケちゃんこと池田晶紀さんは楽しそうにヴィヒタロウリュをやっている。薪ストーブのメンテだってかなり大変だっただろう。普通にやったらそんな参加費じゃ元とれないはずなのに、運営の人たちが本当に楽しそうにやっているのが印象的でした。

営利のことは二の次で、とにかく自分たちが楽しいこと、誰かを楽しませることをやろう！「人間らしさ」ということを改めて教えてもらえた気がします。

そして僕らはサウナ祭りの期間中、近くの旅館に泊まりました。

宿探しを始めたのは2月の2週目に入ってからで、どこも予約がいっぱい。4件目の電話でようやく宿が決まりました。近くで大きなイベントをやっている情報もなかったですし、これはサウナ祭り効果なのではないでしょうか。

会場があった長野県 小海町は決して交通の便が良い町ではありません。電車や車で東京から3時間半かかる場所。そこに「サウナ」に入りに来るためだけに、日本全国から200人が集まったわけです。

ここに観光資源としての「サウナ」の可能性を感じるわけです。新雪が降り積もる極寒地。清流が流れる山奥の村。綺麗な海と砂浜がある町。サウナ好きにはたまらないシチュエーションでサウナ祭りのようにテントサウナを設置したイベントを開催してみたら、サウナファンはこぞって押し寄せるのではないか？

「何もない」と呼ばれている地域が逆に余計な思考を生まないアンプラグドな環境で、サウナをつくるにはもってこいの場所だったりします。

サウナを活用した地域興しの取り組みは今後もっと生まれてくるかもしれません。

※本投稿はサウナブログ「SAUNNY!!!」からの転載になります。

http://saunny.club/archives/saunafes.html