【猫】猫が可愛い理由はベビーシェマ
「猫が可愛いのはなぜ?」
2020年12月25日に放送された、NHKの「チコちゃんに叱られる」で投げかけられたテーマ、「猫が可愛いのはなぜ?」。番組では、「ベビーシェマ」という概念でもって説明されました。
この「ベビーシェマ(=Baby Schema、ベビースキーマ)」とは、ドイツの動物行動学者であるコンラート・ローレンツ(1973年ノーベル医学生理学賞受賞)が提唱した概念で、外見的に「顔が丸い」、「目が大きく丸い」、「鼻が小さい」、「顎が小さい」、「頬が丸い」、「弾力のある柔らかい肌」などの特長があるとされます。
「幼い動物の身体的特徴をかわいいと感じる」のは動物行動学的には本能であり、その本能を利用して乳幼時期は「自分自身を可愛く見せることで保護者の養育反応を喚起させる」のが目的なのだそうです。ある意味、あざといという気がしないでもないですが…
個人的には、赤ちゃんを見るのは好きです。自分の子じゃなくても可愛いですもん。やっぱり本能なのかベビーシェマと意識せずに可愛いと思っちゃいます。そして、なぜか赤ちゃんは私の顔を見るとニコッと笑ってくれることが多いような気がします。よっぽど面白い顔なのか、あるいは無害と認定されるからなのか。ちなみに私はベビーシェマの要素からは程遠い顔です。
多くの動物は、成長と共にこのベビーシェマは失われていきますが、猫の場合は成長後もこのベビーシェマの外見を保持し続けることにより、仔猫じゃなくても人間が可愛く感じる理由なんだそうです。
仔猫のベビーシェマは強烈
我が家は生後2週間程度で3兄妹を迎えることになりましたが、彼らのベビーシェマはなかなかに強烈でしたよ。
ベビーシェマの特長として、「身体に比して大きな頭と小さな鼻」「顔の中央よりやや下に位置する大きな眼」「突き出た額」「短くてふとい四肢」「やわらかい体表面」「丸みをもつ頬」「全体に丸みのある体型」「ぎこちない動き」などがあるとされていますが、仔猫はこれらのほとんど全てを持ち合わせていますよ!
幼猫が、ミルクでお腹がパンパンになった状態でよちよち歩いている姿はまさにコレぞ…という感じです。
通常は失われるベビーシェマ
iisjahによるPixabayからの画像
イノシシは、成獣になっても可愛いと言えなくもありませんが、成獣に比べてウリ坊の可愛さは別格。親子を比較すれば、頭の比率が大きく、そして眼が大きく丸っこい体形など、ベビーシェマの有無が分かりやすいかと思います。
可愛いなあ、ウリ坊。
そして、我らが家猫は成長してもベビーシェマはなかなか失われないのです。
やはり、猫の場合、眼が大きくて丸いことや、小さな鼻、丸い顔つきや身体つきなど、可愛いとされるベビーシェマの要素を数多く残していることがお分かりいただけると思います。ちなみに、この写真の時、3兄妹は11歳。人間で言えば60歳くらいです。羨ましいな、若々しくて…。
ベビーシェマはkawaiiの基本
いわゆる可愛い系や萌え系のキャラなどは、このベビーシェマの概念を踏襲していると言います。
Akane-KによるPixabayからの画像
こちらは、Pixabayから借りたフリー素材ですが、「身体に比して大きな頭と小さな鼻」「顔の中央よりやや下に位置する大きな眼」「やわらかい体表面」「丸みをもつ頬」「全体に丸みのある体型」と、ベビーシェマの要素をかなり網羅しているように思えます。萌えキャラは猫系のキャラクターも多く、やはり親和性が高いんでしょうね。
最近はアニメキャラや、ポスター等に描かれるキャラクターも、この萌え系のものが多く、個人的には食傷気味ではありますが、ベビーシェマの法則に則っていれば、本能的に訴えるせいか見る側の不快感も少ないのかもしれません。
世間によく叩かれるのは、萌え系+お色気系のポスターやイラストですが、本来は保護すべき対象としてベビーシェマの概念を持たせたキャラクターを、過剰にセクシーに描いたりするからじゃないのかなあ。乳幼児にお色気コスプレとかさせたらおかしいのと同じ。ただ、描かれた衣服の皺の一つ一つをとって「煽情的だ」と攻撃するほうもどうかとは思いますが。
また、ベビーシェマにもバランスが重要なようで、人間が画像アプリ等で眼だけを大きくしても全然可愛くなくて、あまりにも不自然でむしろ気色悪く感じたり邪悪に感じたりするのはそういうことなんじゃないかと…。あれ、本人的には可愛いと感じてるのかなあ…。
老猫になっても可愛いのです
我が家の次男猫も18歳半、人間で言えば90歳くらい。
身体の丸みは失われてしまいましたし、柔らかさというよりも骨が浮き出たごつごつ感を感じる体形です。歩くぎこちなさは幼児期のよちよちとは違ってヨロヨロしている感じですし、頬も削げてきてしまっています。フツーに爺さんです。しかしオヤツが欲しい時にこちらを見上げる時や、撫でて欲しいときの真ん丸な眼は健在です。
また、猫の後頭部がたまらんという方も多いんですよね。撫で肩に対して相対的に大きい頭部と、耳と耳の間の曲線美は、歳をとっても全く変わらないkawaiiポイントです。
皆さんが感じる猫たちのkawaiiポイントを教えてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。