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綾瀬──凶悪殺人事件の地はいま

東京の北東部に位置する足立区といえば、治安の悪い場所として誰もが眉をひそめる、文字通りの東京の鬼門である。そのイメージを決定づけたのが、昭和の終わりに綾瀬で起こった女子高生監禁殺人事件であろう。

詳細に言及するのも憚られるが、事件のあらましは、不良少年のグループが1988年11月に埼玉県三郷市で帰宅途中の女子高生を拉致し、足立区綾瀬にあるメンバーの自宅に監禁して、40日以上にわたってなぶり続けて死なせた後、遺体をコンクリート詰めにして江東区の埋立地に遺棄したというものである。

凄惨な事件として社会に大きな衝撃を与えながら、主犯格の男には懲役20年、他の男たちにはそれぞれ懲役5年以上の不定期刑が科せられたのみ。彼らは出所後も殺人未遂や傷害で逮捕されたり、また後には別の少年による一家殺人事件も起こったりするなど、「少年の健全な育成を期」する少年法の趣旨に鑑みた判断は、結局傍若無人な狼藉者たちを増長させるのに役立っただけだった。

あれから30年余り、事件の舞台となった綾瀬を訪ねてみた。


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