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知られざる遺構 ~2~

 前回の「知られざる遺構  ~1~」で、義景館跡を取り囲む土塁には垂直の石垣が張めぐされていた可能性が高いことを記しました。

 朝倉時代の石垣は湯殿跡庭園の空堀の石垣に見られるように、「垂直」に築かれているのが特徴だと言われています。

 今回もその石垣についての話題です。
 実は2012年12月上旬のことです。義景の妻の屋敷跡だった諏訪館跡の北側(谷川沿い)のほぼ垂直に近い急斜面にも、石垣が一部露出していることを私は発見しました。
 私にとっては一大スクープ(?)でした👇


2012年12月撮影
この画像を撮った時点で、専門家の意見を聞かずに「これは石垣だ!」と確信

①を近寄って撮影  矢印の上部に一部石垣が露出している



2013年8月撮影
①②から約9か月後に別地点でもかなり大きい岩らしきものを発見

2013年8月撮影 苔むした巨岩らしきもの



時は流れて2019年6月撮影

 ついに岩が姿を現わしたこの時点で、博物館の専門の先生にお願いしてこの現場で確認していただきました。石垣の岩に間違いありませんでした。


2019年6月撮影

2019年6月撮影

 清楚なユキノシタが花を咲かせていますが、それでも観光客はまったく気が付きません。
 というよりも私が撮っていても、だれも興味・関心を示しません。



2019年11月撮影

2019年11月撮影



2020年6月撮影

 露出した岩がこれだけユキノシタに囲まれると本腰で撮らざるをえません。
 記録写真ではなく情景作品を!と気負って撮った自己満足の画像が続きます。


2020年6月撮影



2020年6月撮影



2020年6月撮影



2020年6月撮影



2020年6月撮影  500年前の岩肌を凝視する

 もし、諏訪館跡の壁面(法面)全体が垂直に近い石垣で覆われていたとすれば、その高さ(約20m)から考えて、ものすごく豪壮な諏訪館の佇まいが目に浮かんできます。



2022年8月撮影


2024年7月撮影(現在の姿です)

 今はまだ痕跡でしかない遺構でもいつの日か、このような土に隠れている石垣が発掘により完全復原される日がくることでしょう。
 その豪壮な姿を実際に我が目で確認、観賞できないのは残念ですが、時々タイムスリップして楽しんでいるだけでも脳の活性化につながっていると思っています。

 
          
          最後までご覧いただきありがとうございました。




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