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閑話二題 ~ 知られざる一乗城下町 ~

 国特別史跡「一乗谷朝倉氏遺跡」(福井県)は細長い山間の一乗谷に広がる戦国時代の城下町跡です。
 城下町の南北の入り口にあたる上城戸と下城戸の間、約1.7kmの中に1万人の人々が平和に暮らしていました。
 北の京と言われる戦国時代有数の巨大都市で、103年間の栄華繁栄の中で一度も戦場にならなかった戦国のユートピアともいえる城下町でした。
 その細長い南北の谷間の中心部あたりに、東西に伸びる奥行き約500mほどの支谷がありました。八地谷やちだにと呼ばれれている区域です。

 八地谷は当時は別名「八地千軒」と言われ、多くの屋敷が密集していました。特に寺院が多く、私は「寺町」とも呼んでいます。
 八地谷の入り口にあたる区域だけはすでに発掘整備が完了しています。
 新しい福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館が昨年秋に開館してからは、この辺りを散策される見学者が目に見えて増えてきました。

 散策と言えば、案内板が少ないこともあり、見学者の皆さんがそぞろ歩きしながらもご存じでないことが結構あります。
 今回はその中でも観光パンフにも記されていない事項を二つだけ紹介させていただきます。

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