老いのつぶやき ⑫
観光庭園ではない。発掘庭園だからです。
国特別史跡「一乗谷朝倉氏遺跡」の「湯殿跡庭園」は京都の金閣寺や銀閣寺の庭園と同格だと言っても、観光客はどなたも信じてくれません。
いづれも国特別名勝庭園(国宝に相当する庭園)でありながらなぜか。その答えは一言でいえば最初の太字一行になるかもしれません。
つまり、観光庭園と発掘庭園の決定的な違いは、前者が後世に手が加えれれていること、つまり美観を重視し必要に応じて修景がなされて、築庭時の景観とは異なる部分があるけれど、景観美を重視していることでしょう。
対して後者は築庭後に何らかの事情で廃庭となり、時の流れの中でしだいに風化荒廃しながらも地下に埋もれていって、発掘により現代に蘇った庭園であるということ、特に湯殿跡庭園は戦国時代特有の風情、精神性を重視していることだと言えるでしょう。
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