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📖拾い読み📖

 今から60年前、学生だった頃、私が読みふけっていた一冊の文庫本があります。「大和古寺風物誌」(亀井勝一郎著、新潮文庫、1953) です。

 我が人生の晩年にカメラを通して一乗谷や平泉寺等の史跡にのめり込んでいるのは、この文庫本の影響もあるのかもしれません。

 「歴史に参入するものは、まず廃墟に佇んで己が愛を傾けるべき人間と邂逅しなければならぬ」という一行は、朝倉氏遺跡や白山平泉寺の史跡と対峙している私にとって、撮影スタンスの根底をなすものです。

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