世論はこうして作られる②
前回は、①自分ゴト化→②コミュニティ形成→③公共性→④連帯感
という流れで世論や流行りが作られる!と紹介しました。
「いざブームを仕掛ける際の具体的なアクションが分からない!」
と疑問に思う方も多いはずです。
今回はブームを仕掛ける際のファーストステップ
自分ゴト化して貰う情報の賢い作り方ご紹介します。
ステップ1:自分ゴト化して貰う!
自分ゴトにする為に必要なのが、文脈作りです。
つまり、企業側が伝えたいポイントをターゲットの興味や関心のある、文脈に翻訳して刺さるコピーや文脈を作る事が必要になります。
概念だけでは分かりづらいと思いますので、伝えたいポイントを
上手に翻訳する事で成功した事例をご紹介しておきますね。
P&Gさん:ママの視線を奪ったパンパースのコピー
吸水性の良さではなく赤ちゃんの発育ツールとして訴求しました。
P&Gさんが販売する『パンパースさらさらパンツ』の訴求文脈はPRコンサルタントしては、脱帽するほど上手く設計されています。
恐らく、P&Gさんが機能として打ち出したい情報は”パンパースの吸水性”
(広報支援室の推測です)
しかし、吸水性を前面に打ち出すと他社商品と訴求文脈が被ってしまうのでお母さん達の感情には刺さりません。
そこで!お母さんが抱える2つの欲求に文脈を沿わせたのです。
①夜泣きの悩みから解放されたい
②赤ちゃんが誰よりも健やかに育って欲しい
そこでP&Gさんは『質の高い睡眠が赤ちゃんの発育を促す』事を啓蒙し、『赤ちゃんの眠りを邪魔しないおむつ』としてお母さん達に訴えたのです。
参考リリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000006237.html
失敗例:栄養ドリンクのタウリン競争
イケてない事例として挙げられるのが栄養ドリンクのタウリン競争です。
国内産の栄養ドリンクのほとんどが『タウリン○○グラム配合』を謳い文句としています。
タウリンが沢山含まれている事で、どの様な効果があるのか?を
ターゲットが理解し辛いのは明白です。
そして、タウリンが多い製品を高い値段を払って購入しようとも思わないはずです。
国内企業がタウリン含有量競争をしているうちに、突然海外からやってきたエナジードリンクに市場を奪われてしまいました。
赤い闘牛が缶に刻まれたそのエナジードリンクは、
『翼を授ける』というキーワードと共に”モてる” ”ビジネスでの成功”を連想させるCMを打ち出して市場のほとんどを短期間に奪っていきました。。。
ターゲットの興味関心に沿った情報に翻訳する
企業として伝えたい事ではなく、ターゲットの興味や関心に合わせて情報翻訳する事で、ターゲットの感情を動かす事ができます。
顧客視点に立ち彼らの感情(インサイト)を少しでも深く探る事に
情熱を傾ければ、きっとヒントが見えてきます。