【考察】パーメット、GUNDによって繋がるアド・ステラの子供たち-後編
前編では、ラウダとスレッタの相似部分、パーメットによる情報共有能力、それらは人間でも行われ、感じられるものではないか?そしてGUND技術のゴールとは、人間の内面の相互干渉、つまり心の交流ではないだろうか?
中編では、ガンダムはパイロットと相互干渉を行う、スレッタはガンダムに乗ることによって相手のパイロットの心に干渉し彼らとパーメットによる繋がりを得て、そのためその心を見抜くような発言ができるようになる。アド・ステラ世界は生殖機能の衰えによる少子化世界で、それをエリクトを失ったプロスペラが補ったのではないか?そしてそれは御三家にもたらされたのではないか?
このような考察を行いました。
後編では、GUND-ARMと母子の共通点、クワイエット・ゼロとは何か、ラウダとミオリネ・グエルとスレッタの相似点について述べていきたいと思います。今回は考察寄り…いや、生殖機能のGUNDが前提ですが、とにかく、どうぞ!
※3/26クワイエット・ゼロ、沈黙がゼロになる世界を変更しました。
※4/7 4/2にガンダムチャンネル他媒体で公開された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season1ととのうSP において、グエルとラウダの母親は生き別れ(というか明確にヴィムが捨てられたみたい)なようなので、そこら辺の描写を斜線いたしました。普通に家族の設定資料集が出てきてビビりました。
※なお、この考察はあくまで私の考えであり、確定情報ではありませんので、この先設定が明らかにされて否定されても、私自身に責任は発生しないものとします。
当ページに載せているスクリーンショットは考察による説明の補足として引用しているものであり、三次利用はいかなる理由があろうとも禁止とします。
GUNDで繋がる、母と子、ガンダムとパイロット
ガンダムはGUNDを軍事転用したGUNDフォーマットを搭載したモビルスーツです。そしてパイロットはガンダムとケーブルで繋がり、ガンダム内部のコクピットに搭乗しています。
…これ。ちょっと女性の方は不快というか、ぞっとすると思うんですが、こう見てみると、母親と胎児の関係性そのものなのです。
ガンダムはGUNDを搭載した母親。母親と胎児はへその緒というケーブルで繋がっている。コクピットはそのまま胎内である。
私はこの類似性に気づいた時、ぞっとしました。そしてこの世界のガンダムとは、パイロットと相互干渉を行う存在です。
つまり。ガンダムを母体でありパイロットを子供であると見た場合、母親とその子どもは相互干渉を行ってしまうということになるのです。
え!?データストームが!?
データストームはGUNDでは起きないで、あくまでGUNDフォーマットで起きますし、ガンダム側である母親は正真正銘人間なので、人間に近いAIを搭載すればデータストームは起きないという仮説に従うならば、データストームは起きません。
しかし、子供の感覚が大人に流れ込むという事態は起きるはずです。
皆さんは大人でしょうか?大人と子供は、時間間隔も、世界に対する心の揺れ動きも違います。一般的に子供の方が感受性が豊かで、新しい刺激を受けても休むことなく次の興味へと向かいます。大人は映画を見て感動をしたらしばらく休憩をはさんだり、そもそも感動することが疲れるという人もいらっしゃるでしょう。
もし。子供の感受性を大人が受け取ってしまったらどうなるでしょう。想像がつかないですが、私たちは子連れのパパやママを見ている時にどうなるか目撃しています。
つまり、ものすごく疲れます。子供の体力に振り回されて大人がヘトヘトになっているのに、子供は遊び足りないと大人を引っ張り、それに付き合って体力が尽きるまで付き合ったら、もうこっちはバテバテという、見てる分にはほほ笑ましい光景です。
それが精神的に、そして強制的に起こる。
想像してください。美術館での感動や、空を見上げて綺麗だ、と感じるその数十倍の感動が強制的に脳内に叩き込まれ、ちょっと休憩と休んでも、子供が活動している限りそれは途切れることなく続く。眠っている時ですら、夢を見る子供と同調してしまう。
これは恐らくパーメットの流入がないのでデータストームにはなっていませんが、それと同じぐらいの地獄です。何せ心の休まる瞬間がなく、病んでしまったとしても防ぐことができない。
恐らくグエルとラウダの母親が登場しないのはこのためであると私は考えています。いや、妄想全部当たってないとダメダメなので絶対違うと思いますが、しかしこう考えると綺麗に繋がるのもまた事実なのです。2期でお母さんが生きて登場したら私は笑いながらお詫び記事書きますけど!
しかしこうして失ったのだとすれば、ヴィムが未だに再婚していない理由もできますし、息子二人をいつまでも子ども扱いして「親の言うことを聞いていればいい」と、逆説的に俺が何でもやってやると言うのも理解できるのです。そりゃ立て続けに愛する妻が(仮にこうだとすれば二人ともヴィムにとっては妻です)幼い子供を遺して死んだら、再婚なんて頭によぎらないぐらいがむしゃらに働いて、妻の分も子供たちを幸せにしようと、幸せな人生を送れるようにと邪魔になるものは何でも、手段を選ばず排除しようと躍起にもなります。そして権力志向のヴィムにとっての幸せとは、全員がひれ伏すほどの圧倒的な権力と、自社の成長です。だからヴィムはベネリットグループ総裁の娘婿という地位を盤石にしようとデリングを葬り去ろうとし、邪魔なガンダムと暗殺計画を知るプロスペラも両方始末できるなら万々歳と御三家とも手を組み、娘婿の座が消えても今ならば自分が株式の関係で総裁になれる可能性があり、息子たちがいる間はそれを守り、自分が去る時にはジェターク社CEOでないどちらかにプレゼントしてやれる。そう考えていた可能性が浮上します。
4/7追記 そんなことはなかったのが発覚してしまいましたが、、、ただグエルとラウダが10歳ぐらい?けっこう育ってからだし、正妻と愛人が隣り合って去っているので(イメージとしても)「何があったんだ…」という感じで、もうひとひねりあるのかな~という感じもしますがね、あの一家。ヴィムの性格にうんざりしたのかもしれませんが、正妻はともかく愛人はよくわかってるでしょうし、浮気と隠し子がバレたからにしてもそれじゃ何で愛人のところで生活していたであろうラウダがジェターク家にいるの?という感じになるので、グエルとラウダはやはり兄弟として元から暮らしていて、正妻と愛人が仲良く二人でお母さんをやっていたのはやってたんじゃないかな~…という、摩訶不思議家族しか想像できないので、ぜひともここら辺も深掘りしていただきたいですね…これだといきなり夫も子供も捨てる理由があまり思いつかないですし…
まぁ、あれだけマイホームパパっぽいヴィムが本編になってしまっているので、子をなした女性両方に捨てられたショックと、男手一人で二人の子を育てなければならない重圧とで徐々に歪んでいっちゃったのかな~と、解像度も上がりましたが、しかしシングルファザーご家庭の解像度も上がってなんとも嫌に生々しいですね、ジェターク家…
まぁグエルは自分で夢を見つけられる子供で、ラウダは手の中に抱えられるだけの幸せで十分満足できる子供だったので、グエルはヴィムがどうして自分の意思を尊重してくれないのかと嘆き、ラウダはどうして今の幸せを壊すようなことをするんだと怒り、相互理解できないままでしたが…。
期せずしてガンダムとパイロットという関係になってしまった母親と子供。これは恐らくプロスペラにとっても想定外な事態です。なぜならプロスペラもまた、エリクトを安全に産むためにこのGUND手術を行っています。自分も死ぬ可能性があれば手術はしないはずです。
もう一つ、母親が子供の心を受け取ってしまうなら、子供もまた母親の心を受け取るはずです。
こちらは、パイロットとガンダムの関係に当たり、実際子供から見れば母親は自分の何倍も大きな肉体ですが、こちらは母親よりもはるかに影響は少なかったでしょう。何せ子供は柔軟性が高く、母親がきちんと子供を愛してくれている人ならば、「あなたが大好き」という心を読み取っても嬉しく思うことはあれど、支障はないはずです。むしろ嬉しくてもっと元気になるでしょう。
しかし母親からすれば、自分の心が子どもに読み取られているというのは心穏やかでいられないはずです。ただでさえ鋭い子供というのは、時に大人をギクリとさせるのですから。
特に隠し事の多いプロスペラにとっては、それは一大事のはずです。
プロスペラは、スレッタへの愛情が希薄な描写がいくつかあります。スプーンの持ち方もそうですし、エアリアルへの言い方とスレッタへの言い方の重さが違う。ハッピーバースデーの歌も、エリクトはきちんと「ハッピーバースデーディアエリクト」と名前を言ってもらえるのに、スレッタは「ハッピーバースデーハッピーバースデー」と、ハッピーバースデーのリフレインでカバーされていて、「ディアスレッタ」とは歌ってもらっていないのです。
何より彼女はスレッタに手を汚させます。自分もスレッタを守るために人を殺害しますが、彼女もまたモビルスーツに乗れる人間であり、ゆりかごの星ではエアリアルのテストパイロットを務めたのは彼女です。だから、娘にわざわざ手を汚させる必要はなく、自分で乗れば良かったのです。ヴィムでさえ暗殺計画に息子を巻き込むことはなく、サリウスも彼個人としてはヴィムの計画に手を貸すつもりはないようです。
しかしプロスペラは、むしろ嬉々として娘に手を汚させます。しかもスレッタよりも愛していそうなエアリアルにもです。彼女はエアリアルに「スレッタの剣になれ」とゆりかごの星で言います。エアリアルはそれに「スレッタを巻き込まないで」「僕がやるから」と、スレッタを巻き込むことに、彼女の手を汚すことに最後まで反対します。今でも多分反対の立場でしょう。エアリアルはあくまでモビルスーツです。スレッタというパイロットありきの存在で、彼女がいるから動ける、彼女がいるから人を殺せるのです。(©創通・サンライズ・MBS 機動戦士ガンダム水星の魔女公式ホームページ https://g-witch.net/music/novel/ より引用)
しかしそれは同時に、自分の手も汚すと同時に、大切な小さな妹である彼女の手も汚すことになります。12話のように、血と臓物に汚れたエアリアルの右手と同時に、スレッタの右手もまた同じように汚れます。これが一番のスレッタの罪です。彼女は大切な家族であり姉であるエアリアルの手を操って、殺人という罪を犯させた。そしてそれを彼女は罪深い行いだと感じていない。
家族のためなら、大切な人のためなら人を殺してもいい。それは別に問題ではないのだと思います。実際に、目の前で殺されそうなときに相手を殺して大切な人を助ける。それは仕方のないことです。
しかし愛し愛される家族の手を握って、一緒に引き金を引かせるのは紛れもない罪です。一点の言い訳のしようもない狂った価値観です。しかもスレッタもプロスペラも、エアリアルの意思を確認していない。エアリアルは彼女たちに自分の意思を伝えられていません。
プロスペラはこの意味で魔女で、スレッタはこの瞬間に魔女になった。エアリアルの覚悟はできていますが、スレッタはエアリアルの手まで汚したことには恐らく気づいていません。スレッタはスコアを上げると「みんな」とは言いますが、エアリアルの声が聞こえた描写はありません。そしてエアリアルも、モニターを点滅したりスレッタの言葉にアプリを起動したりはしますが、意思表示は「声」ではできないような描写があります。プロスペラへは明確に「僕の声は届かない」と言っているので、エアリアルは彼女たちの大切な家族でありながら、声を届けることができない、意思表示ができない、そこにいるのにいない子供です。(©創通・サンライズ・MBS 機動戦士ガンダム水星の魔女公式ホームページ https://g-witch.net/music/novel/ より引用)
そして娘たちのことを潜在的に「復讐の道具」として見なしているプロスペラですが、エアリアルはともかく、パーメットによる情報共有が行えるスレッタはこのことに気づいている描写はありません。母親のことを尊敬し、心から愛し、彼女の言うことに盲目的に従う、従順な娘であり、自分が娘として愛されていることを疑っていません。
しかし、関係性が深くなればなるほど共有する情報が多く、正確になっているはずです。プロスペラとはエアリアルを介してパーメットも共有しているはずで、そうなれば自分を正しく愛しているかいないかがすでに伝わっているはず。
ここでプロスペラの不審な点が注目されます。それはヘッドギアです。
あのヘッドギアは「仮面の下の顔も、水星の磁場に持っていかれました」と言っていますが、彼女の顔は綺麗なもので、目も見えていないようにはとても見えません。だいたい彼女は噓つきです。ガンダムなのにガンダムではないと嘘をつき、右腕もヴァナディース事変よりもっと前から失っています。
あのヘッドギアは、脳内のパーメットの情報が共有されるのを阻止する装置である可能性はないでしょうか。
プロスペラは二回、スレッタと電話をしている時にヘッドギアを外しています。あの時のスレッタはリラックスしていて、エアリアルがガンダムと言われたことも自分が魔女と言われたことにも、パーティーの時のように切羽詰まって確認するのではなく、軽い雑談であり、最初から「違う」と言われることを予感しているような感じです。二回目はエランと外出するということの報告ですが、「変かな?」という尋ねる言葉も、他の人に向けるよりも柔らかく、無意識に親から否定してもらいたいという甘えを含んだ感じで、オドオドきょどきょどした感じはありません。そして共通するのが、電話の終わり際に柔らかくほほ笑んでいる点です。ヘッドギアを付けている時には、後述しますがこの自然なほほ笑みは見られません。
このように、ヘッドギアを外している状態の会話は、本当に普通の親子の会話で、スレッタの態度も普通の娘として当たり前の、距離感の近いものなのです。
翻ってヘッドギアを付けている時。
パーティーでは、「ガンダムじゃないよね!?」と必死に確認して、ガンダムだと言われると驚愕に目を見開きます。ガンダムと指摘されたのは初めてではないので、恐らく母親に対して初めて本気の疑念を抱いたのでしょう。それが否定され、初めて母親に裏切られた。そういうショッキングな場面です。
そして嘘をついていたことを確認しに来た時には、怯えた様子で、ちらちらと視線を動かす、親の真意がわからない子供の反応を示します。プロスペラが義手を「怖い?」と尋ねた際には、真剣な顔で「ううん」と否定します。なぜこんな当たり前のことを聞くのだろうという反応にも見えますが、ちゃんと自分の真意が伝わってほしいという必死な顔にも見えます。その後プロスペラの言葉に、上記とは違う不自然な笑みを終始浮かべて、「そう、だよね!私たちのためだよね!」「変なこと聞いてごめんなさい!これからは私も、エアリアルのこと守るから!」と、母親の意見に絶対服従のような態度を取り、「お母さんのために!」とまで言います。様子が変と言うより、お母さんの機嫌を損ねてしまったと感じた子供が、必死になって自分の感情を殺し、親のご機嫌を取ろうとしている様子にも見えます。
今度は親子らしい交流である、プラント・クエタでの電話も、内容についてはまぁいいとして、「会いにいらっしゃい」と言われると、スレッタは「うん!行く!すぐ行く!」と飛びつきます。その前の「お母さんもエアリアルもそこにいる」と言われても、「エアリアルも!?」というような反応もなく、むしろ何が言いたいんだろうと言わんばかりに黙ってプロスペラの言葉を聞いて、お母さんの「会いにいらっしゃい」という命令のような言葉にすぐさま反応します。この時の喜びようも、笑顔も、大げさなものです。
極めつけはやはり、12話での血の中での会話です。人の死を初めて目にして、動揺するスレッタに、プロスペラは笑顔で語りかけます。「逃げたら一つ、進めば二つ」という言葉に初めて話を聞く体勢になったスレッタに、彼女は「スレッタが戦ってくれれば」と、人殺しの教唆を始めます。さらに動揺するスレッタに「みんなを救える」と誘惑し、それでもまだ迷っているスレッタに、「スレッタ。あなたは進める子」と止めを刺します。この直後スレッタは覚悟を決め、自分を奮い立たせ、そしてやはり慈しみのほほ笑みではなく、張り付いたような笑顔で「進めば二つ」と戦いに出ます。
どれもこれも、スレッタは母親にすがるように声をかけ、母親がどこかおかしいのかもしれないと思いながらも、母親が言うのならと疑念を持った自分を押し殺して、代わりに母親の言うことは絶対に正しい、母は自分を愛しているというフィルターで覆い隠して、彼女の言うことに従順に従う。そういう風な過程を経ているように思います。
そしてこれは、母親が絶対的な権力を持つ家庭で育つ、幼い子供の特徴に思えます。母親に嫌われたら自分には何もない。だから自分が間違っているのだと自分を責め、あるいは母親が絶対に正しいのだと自分をだまして、ひたすら母親に恭順する。
「変なこと聞いてごめんなさい!」「…うん。進める…。進んできた。」
この言葉は恐らく母親を疑って困らせた自分を責め、母親の言うことは絶対に正しいと自分をだました、そういう言葉です。
しかし、スレッタは上記のように、ヘッドギアを付けていなければここまでへりくだった態度はとらず、母親に甘えるごく一般的な少女です。
しかしここに、ヘッドギアでパーメットがスレッタに情報共有することを抑えることができる、自分の心がスレッタに決して伝わらないようにできる、という仮定が加わると、相いれない二つの態度が自然になります。
つまり、ヘッドギアを被っている時のプロスペラは、本当に「仮面」を被っている状態なのです。
私たちがこの人はわかりやすいと思うのは、表情と言動が一致している人です。面白いと思えば笑い、悲しいと思えば泣く人です。逆に仏頂面で常に表情が変わらない人はわかりづらく、時には怒っているのかと不安にもなります。
これが恐らくヘッドギアを付けている時にスレッタが感じているプロスペラへの印象です。彼女はプロスペラが怒っているのか、笑っているのか、自分を愛して言っていることなのかがわからない。ヘッドギアによって脳内のパーメットの情報が共有されない、心がわからない。そのためにスレッタはこの時のプロスペラに対し異常なほどに従順なのです。いつ怒るかわからない母親に対して無力な子どもができることは、怒らせないように彼女の望みをかなえ続ける他にありません。
問題のあるシーンではありませんが、パーティーでプロスペラに飲み物を持ってくるよう頼まれたスレッタが、「うん!」と即決したのもそのためです。その前にスレッタは「ミオリネさんと会ったことあるの?」と尋ねようとして、それを遮られており、電話で自分は魔女なのかと、普通の母親でも言われたらドキッとするようなことを軽く尋ねられるのなら、もう少し粘りそうです。しかし実際には粘ることも、機嫌を悪くすることもなく、すぐさま飲み物を取りに向かいます。これも思い返せば、「あっちで遊んでて」と言われて体よく追い払われる子供に見えなくもありません。
そしてもう一人、スレッタと同じように高いパーメットの情報共有能力を有し、プロスペラと対峙した人間がいます。
とはいえ描写が多くないんですが…。ラウダはプロスペラに「父からの伝言です。例の件の再取り引きをと。」という理由でプロスペラを引き止めます。それに対しプロスペラは、「ふぅん?」と面白そうに笑って肩を上げます。恐らく彼女は、何か仕掛けられていることに気づいていながら、あえてのっています。
それに対するラウダのリアクションはわからず、煮え湯を飲まされた段になって初めて悔しそうな表情が現れます。これについての情報がないのでまたしても状況から考えるしかありませんが。
プロスペラが自分を舐めていることに気づいていたら、あの怒りっぽいラウダがそういうリアクションを取らなかったわけがありませんし、つっけんどんになっていたと思いますが、プロスペラは「お話、まだ続きます?」と言っているので、何かしら話しています。そもそもの取引内容の発端が「デリング暗殺未遂事件」なので、恐らくそこまでのことは話していないと仮定すると、無難に取引条件とか、なんで直接じゃないんだとか、そういうところですかね?
ところどころイラっとしながらもラウダは最後まで続けていたとすると、プロスペラが自分を舐めているとは最後の煽りで初めて気づいた可能性が高い。あんなわかりやすく笑っているのにちょっと反応が鈍い気がするので、あの笑みをラウダは別のものだと感じたということになります。
そこで先ほどの「面白そう」という感じに注目すると、ラウダはこの「面白そうだ」という考えを「取り引きに食いついた」と感じた、と仮定することができます。取引内容を面白そうだと感じ、手を変え品を変えこちらの真意を探り、もっといい取引条件を引きだそうとしたり、自分の流れにして場を支配しようと話を弾ませるのは、ビジネスの世界では挨拶のようなものなので、プロスペラとの話はこういうビジネスな内容で、ラウダがそれに付き合ったのはそれだけこちらの取引に相手が食いついている証拠だと思ったから、という推測が成り立ちます。
そして多分、あのヘッドギアはあくまで「脳のパーメット」、その人の思考や感情をシャットアウトするだけで、体のパーメットの情報については止めていないという仮定もまた立ちます。ラウダは一応プロスペラがこの取引を面白そうだと思っていると感じていて、取引に食いついたと思ったからこそまだ話が続くほどに相手をしてやった。つまり、ボディランゲージレベルの情報は共有していたと思われます。
そしてスレッタの描写を振り返ると、スレッタが最終的に「そうだね!」となる、あの目が丸くなったヤバイ感じの笑顔をするのは、共通してプロスペラがスレッタを見下ろしている時です。この「見下ろす」というのは、見下ろされている相手に対して強いプレッシャーをかけるもので、支配者の視点です。「私の言うことを聞きなさい」というボディランゲージを受け取ったとしたら、何を考える間もなく命令に従ってしまうのも無理はありません。
このように、スレッタとラウダがパーメットの情報共有能力を有していたとすると、それに隠し事をして欺けるプロスペラは、その能力を克服する装置を開発した唯一の人間です。
恐らく、実験体の母親たちや、グエル達の母親が立て続けに死亡したことで、プロスペラはこの危険性について初めて認識し、この装置を開発した。スレッタは17歳でグエル達よりも1歳年下なので、気づける時間はあります。
そしてこのことが、クワイエット・ゼロという計画の骨子になっていると、私はそう考えています。
クワイエット・ゼロ、沈黙がゼロになる世界
クワイエット・ゼロ。デリングが計画し、プロスペラが一枚嚙んでいる計画。
本編中でまーったく情報がないんですが、考察をしてみるとすると。
まず、プロスペラが計画立ち上げ段階からいたのはありえません。初期のデリングはエアリアルを廃棄処分する気まんまんでしたし、そうでなければプロスペラがわざわざヴィムに協力を仰ぐ必要がありません。ヴィムの弱味を握るにしてもこの一瞬でおしまい、デリングと共謀していたとしても、それなら暗殺の件でヴィムを直接叩く方がデリングらしい。なので、プロスペラは計画段階ではいない。
ではデリングだけが計画していたのか。プラント・クエタにあれだけ大規模な装置を作っているので、デリングが間違いなく関わっていますが、最終調整にガンダムの情報が必要な計画をデリングが立てるか?また、その技術知識はどこから出てきた?という問題があります。
そこで出てくるのが、彼の妻、ノートレットという存在です。彼女はデリングと「二人で決める」ということができるほど対等な立場で、上記の母親へのGUND技術を埋め込むという仮説が正しければ、御三家を巻き込んでしまった人物です。気難しいミオリネが心から尊敬していることから、恐らく人格者であるとすると、友人である彼女たちが亡くなってしまい、ペイルの四人もおかしな研究を始めたりしたら、自分のせいだと自責の念にかられたでしょう。
そして同時に、リスクのある宇宙での出産を容易にするこの技術は、同性婚を認めざるをえないほど少子化の洪水に襲われているアド・ステラ世界にとって、救世主となりうる技術でもある。もし母親が死ぬというデメリットをなくすことができるのなら、誰もが子どもを持ち、育てることができる夢のような世界が築かれる。
クワイエット・ゼロとは、そのまま訳すならば沈黙がゼロになる、沈黙がなくなる、という意味です。
赤ん坊の産声とそれを祝福する声で世界が満たされるのもクワイエット・ゼロです。
母親がいなくなって崩壊していく家庭の断末魔がそこかしこで上がるのもクワイエット・ゼロです。
恐らくこれが、デリングが計画しプロスペラが乗っ取ろうとしているクワイエット・ゼロの意味です。二人は全くもって真逆の結果を成就しようとしている。
そしてこの計画の完成がガンダムによってなされるのなら、機械に干渉することができるガンダムが支配することもできるし、パーメットの情報共有能力が高い人間が今度は人間の心や思考に干渉し、支配することもできる。
争いのない世界が実現できる。
もちろんこれは私の想像であり妄想ですが、これは私の考察なので正解!前提で話を進めると、プロスペラが仇敵であるデリングに協力しているのも、暗殺計画に加担していないのも、それはそうなのです。プロスペラが復讐したい相手は、人間すべてなのですから。
ただそうなると、プロスペラの狂気があまりにも高すぎる。彼女もまた母親であり、大切な伴侶を失った人間です。同じ苦しみを味わわせ、その子どもにまで咎を負わせる。そして自分の子供たちまで巻き込む。これは異常がすぎます。
しかし、こういう経緯があるとしたら、彼女の絶望もまた理解できます。
GUNDによって生かされ、GUND-ARMによって狂った魔女
この考察で、「エリクトはナディムと会うためにルブリスに乗り、パーメットの流入によって死亡した」と仮説を立てましたが、ただ単に死んだだけではない可能性があります。
パーメットスコアを上げるイメージは、パーメットの回路の先の光に到達するイメージです。これをガンダムの内面ではないか?と推測しましたが、そうなるとガンダムの内面に行った人間はどうなるのでしょう?
実際にはパーメットの情報共有の性質によって、ガンダムの膨大なパーメットの一部にその人の身体に含まれていた、その人の性質を完璧に共有し記録したパーメットが混ざる、という原理だと思いますが、しかしその人の性質を完璧にコピーして出力するというのは、もはやその人の魂が移ったに等しいとも言えるのではないでしょうか?
あるいは、奪われたか。
モビルスーツによってもパーメットの識別コードが異なるように、人間によっても含まれるパーメットのコードは異なるとすると、ガンダム・ルブリスのコクピットで冷たくなったエリクトを発見しただけでもエルノラは絶望したでしょうが、エリクトのパーメット反応がルブリスから返ってきたとしたら、あるいはルブリスの画面に「MAMA」と表示されたら、大きく二つ、リアクションするはずです。
一つは、ガンダムを娘を殺した呪いの箱として自身も呪うこと。
もう一つは、エリクトの魂がガンダムに移ったとして、それを何としても取り戻そうとすること。
そしてプロスペラは後者を選んだ。エリクトがガンダムに奪われたなら、奪い返すことも可能であるはずだから。
しかし、エリクトの肉体は異常な量のパーメットを含んだでしょうからもう使えない。それなら、新しく肉体を作ればいい。クローンを宿して産めば、それは「エリクトの肉体」である。幸いエルノラは「母親」なので、子供を自分の体で産みなおすことは可能です。
そうして子宮のGUNDを開発し、実験を繰り返した。この時はまだ必死な母親で、エリクトを何としても生き返らせて、今度はガンダムに奪われないように完璧な体を用意しようとしていただけだと思います。いや、これでも十分狂ってますが。
そしてついにパイロット技術と高いパーメット許容量を誇るクローンを産み落とし、それを育てた。恐らくエリクトが死んだ4歳まで。
そうしてその子どもをルブリスに乗せ、スコアを上げてエリクトと同じ状況にし、ルブリスからエリクトを吸い上げようとした。
しかし恐らくこれも上手くいかなかった。抽出されたのはエリクトではなくルブリスのAIで、苦労して作り出した完璧な成功作も、エリクトも失い、手元に残ったのは機械の心だけ。
こうして、エアリアル、スレッタ、エアリアルのビットや中に眠るエリクトという、現在の娘たちが生まれた。
クローンはエアリアルに、ルブリスはスレッタに、エリクトはエアリアルのガンビットにと、それぞれ回った。
図にしてみるとこんな感じです。まず、エリクトが死にルブリスのAIへ。
エリクトが死んでしまったので、エルノラはエリクトのクローンを作り出す。名前は…エアリアル(人間)にしましょうか。
エアリアルの体にエリクトを入れるためにルブリスと接続。結果、エアリアル(人間)もルブリスのAIに吸収され、ルブリスのAIが逆にエアリアル(人間)の体へ。
その後ルブリスはエアリアルへ改修され、エアリアルはガンダムの主人格に、エリクトはガンビットとエアリアルの深層意識に、ルブリスAIはスレッタへ成長。現在に至る。
かなり突飛な考えですが、こう考えると、プロスペラがエアリアルも娘としているのも、スレッタへの愛情が希薄な描写があるのも、青色のエリクト特有のパーメット反応を見てプロスペラが涙を流したのも、娘たちを復讐の道具としているのも、すべて説明がつくのです。
プロスペラはエアリアルへ「私の最高傑作さん」と言います。それは最高のガンダムという意味だろうと思われますが、元々はエリクトのために用意した最高の肉体であるクローン体なのであれば、まさにエアリアルは最高傑作です。(©創通・サンライズ・MBS 機動戦士ガンダム水星の魔女公式ホームページ https://g-witch.net/music/novel/ より引用)
スレッタは、その魂はエリクトを奪い、最高傑作も奪ったルブリスですが、その外見はエリクトそのものであり、彼女の失われた未来の姿です。その成長はとても輝かしく、PROLOGUEで付けていた髪飾りを与えているのは、恐らく成長したエリクトの姿をしているから。兵器として扱うことにためらいがないのは、元々がガンダムという兵器だから。
エリクトは未だエアリアルの中にいる。とは、恐らく最初は気づいていなかったのでしょうが(エリクトはガンビットとしているので多分)、ずっと希望を捨てずに待っていたと思います。だから9話でパーメットスコア6を記録し、エリクトのような青いパーメット反応を見て涙を流すほど歓喜した。エリクトがエアリアルの中で生きていると確信できたから。そう考えると、ハンガーにいるエアリアルに「置いて行ったりしないわ」と、今までにないほどに愛情を向けているのも、エリクトだからという理由が生まれます。
そしてプロスペラは、まだエリクトを生き返らせることを諦めていないと思います。
例え別人であっても、パーメットの情報が共有されたら、その人に残滓を遺せる。そういう可能性があります。
それがゆりかごの星のエアリアルが「僕」と自分を表している点です。(©創通・サンライズ・MBS 機動戦士ガンダム水星の魔女公式ホームページ https://g-witch.net/music/novel/ より引用)
この考察通り、エアリアルは元々エリクトのクローンの第一世代だとすれば、エアリアルは娘であり女の子です。しかし、彼女は自分を「僕」と男の子の口調で称します。
エアリアルはガンダムという機械であり、ユニセックスな存在です。それにわざわざ「僕」と男の子っぽい呼称をさせているのは、エアリアルが男の子であるか、女の子だけれども「僕」と自分を称しているかのどちらかです。現実では別に「僕」と自分を呼ぶのは女の子でも男の子でも引っかかるところは何もありませんが、これはあくまで創作であり、エアリアルは小説という文字媒体で語っているので、自分を何と呼ぶのかは読者にとって重要な情報なので、意味があります。本当にユニセックスにさせるのであれば、AIですし、「私」や「自分」と称させればいいのです。
意味がある、のであれば、本編の中で自分を「僕」と称し、エリクトと関係が深く、彼女とパーメットによる交信をした人間がいます。
父親のナディムです。彼は「僕もだ…愛してる」と言っているので、一人称は僕です。
スコアを上げた状態で交信し、彼のパーメットの情報が共有される。しかもその情報は、ルブリスではなくエリクトに記録されたんじゃ?と思える描写があります。
それが、ナディムが死んで歌が止まったのに、エリクトが笑顔で「ハッピーバースデー」を最後まで歌っていることです。
あの時エリクトはナディムの声が最後まで聞こえていたのではないでしょうか?だから最後まで楽しそうに体を揺らして歌います。ナディムの声が途切れていたのなら、エリクトはあんなに楽しそうに歌いきることはできなかったと思うのです。
そしてそうであるならば、ナディムの声はエリクトの中で響いていた。つまり、エリクトの中のパーメットがナディムの情報を共有して記録された、ということではないでしょうか。そしてそのパーメットはエリクトの遺伝子に混ざり、クローンとして生まれたエアリアルに引き継がれた。だからエアリアルは「僕」と自分を自称している。
つまり輪廻転生ということで…どうもアド・ステラ世界は、テンペストがモチーフであるし、ノートレットの葬式が教会でやられているっぽいので、キリスト教的世界観なのかと思いきや、どうも根本にあるものは仏教的世界観なのでは?と感じるのが多々あるのですが、これは話が脱線するので、また別の考察で行うとして。
パーメットが他者の肉体のパーメットに情報を共有し、その繋がりが深いと相手のパーメットに生体情報や心、魂と呼んでもいいものが記録される。そしてそれは、パーメットが元素であるがゆえに、相手の遺伝子にすら含まれることがあり、その情報を継いだ子供が生まれることすらある。
それぐらいパーメットというのは少量でも影響を与えるのであれば、一度失敗した程度でエリクトを諦める理由にはなりません。
そして実際に、プロスペラはエアリアルのレイヤーの奥底にいたエリクトを見つけました。モビルスーツによってパーメットの識別シグナルが違うように、人によってもシグナルが違う。のであれば。
魂の一部ではなく全部が。当初はわかっていなかったシグナルが判明した。のなら、そのシグナルだけを発するパーメットを抽出して、スレッタに入れれば、スレッタの人格を上書きしてエリクトをよみがえらせることができる。
スレッタはエアリアルのパーメットは流入していますが、恐らくエアリアルからの干渉はありません。エランが「あの感覚がこない?」「パーメットが反応していない?」と言っており、「呪いを克服しているのはエアリアルだ」と言っているので、これらを組み合わせると「パイロットからの一方的な干渉を受け入れて、自分はパイロットに干渉をしていない」となります。
実際、スレッタはパーメットの励起が全く起こっておらず、スコア6ですら起こっていない。そしてエアリアルは、スレッタがまだまだ小さな女の子だと思っていたけれど、自分で学校に行くことを決めたことを聞いて、彼女がもう子供ではなく、大人の女性になりつつあることに気づきます。なのでエアリアルは、スレッタに干渉を行っていないと思われます。
そしてスレッタもまた、実はエアリアルと繋がっているのではなく、干渉しているのは「みんな」であるエリクトではないか?と感じます。スレッタは「みんなの声」と言っていて、「エアリアルの声」とは一度も言っていません。
それに、9話でボロボロにしてしまったエアリアルが、自分に対して怒っているのではないかと思っています。しかしエアリアルは、自分との繋がりが切れてしまって、すぐにマニュアルに切り替えてスレッタに戦うよう促します。あれは見放したのではなく、自分が手伝えないから切り替えただけで、むしろスレッタを助けるための決断です。それにエアリアルはスレッタを深く愛しています。血濡れた復讐の道を自分が歩むとしても、絶対にスレッタだけは巻き込みたくないと願っていた。過酷な道を歩むことをわかっている、きっと人を殺すことにもなるであろうスレッタに「一緒なら、きっと大丈夫」と、伝えようとしたのはエアリアルも同じです。(©創通・サンライズ・MBS 機動戦士ガンダム水星の魔女公式ホームページ https://g-witch.net/music/novel/ より引用)
エアリアルはどんな過酷な戦いをしようと、過酷な事態が起きようと、一度だってスレッタに怒ったことなどない。としたら、スコアが戻ってみんなの声を聞いていたスレッタにも、「わがままかな?」という言葉に「そんなことないよ。一緒にミオリネさんを助けよう」と伝えたはずです。それを示すように、エアリアルの瞳は強く光ります。しかし戦闘が終わっても、スレッタはエアリアルに、ボロボロにしたことを謝っています。エアリアルは気にしてなくても家族なんだから謝るのは当然ですが、「いつも、ごめんなさい」と言っています。しかしエアリアルは一度だってスレッタを怒ったことなんてないし、彼女のことをいつだって最高のパイロットだと思っているはずです。だからスレッタが「いつも」と言っているのは、あくまで彼女がいつもごめん、と思っていて、だからエアリアルも怒っていると思っているに過ぎないのだと思います。ミオリネにしているように、エアリアルの心を勝手に決めている、という感じですね。
そしてスコア6を記録したパーメットが励起したのはエアリアルにです。エアリアルのパーメットは赤色で、青色はエリクトのパーメットです。エアリアルの真のパーメットが青色だった、ではなく、青色のパーメットはエリクトのみです。なぜならルブリスのパーメットも赤色で、青色なのは本当にエリクトだけなので。
ということは、あれはエアリアルにエリクトのパーメットが励起した、ガンダムに乗る他のパイロットのように、エリクトのパーメットがエアリアルに流入した、そういうことなのだと思います。
ガンダムにパーメットが流入する?ってどういうこと?って感じですが、多分なのですが、エアリアルはガンダムでありながら、同時に「人間」でもあるのです。エアリアルは本当は呪いをクリアしているというわけではなく、スコアが6よりも下の時はスレッタに干渉を行わないことでパーメットの励起も、データストームも起こらない。6以上はレイヤーがさらに進み、レイヤーの奥深くにいるエリクトと接続することになるため、エアリアルがエリクトと相互干渉を行い、スレッタへの干渉を防ぐ。
こうであれば、「みんな」にエアリアルが入っていない理由も、スレッタがパーメットの励起すらしていないことも説明が付きます。
そして実際、これはアニメでも行われたことがあるのです。
それはエルノラとエリクトがルブリスに乗っている時です。あの時ルブリスと直接つながっているのはエルノラで、エリクトはエルノラを仲介しているという、ものすごい遠い関係です。しかし、パーメットの反応はエリクトのみが行っていて、エルノラはノーダメージです。これもエアリアルと同じで、エリクトがパーメットの影響を肩代わりして、同乗のエルノラをかばっているということのはずです。
このように、パーメットの影響は同乗者が引き受けることができるのです。
…まぁ、なんでスコアを上げるとみんなの声がよく聞こえ始めるというのは、スレッタからの一方的な干渉もまた強くなるから。もしくは、パーメットスコア2以下はパーメットの励起が起こっておらず、パーメット2を起動したエランは腕まくりをし、戦っている時にも3になって顔にパーメットが浮かび上がったので、顔に見えるようになるのは3以上と仮定すると、2以下のスコアで済んでいるとすれば、顔に見えない理由付けはできます。(つまり今後6より上のスコアになるとスレッタはどんどん危険になるという可能性が…)
いずれにせよもしこうであれば、スレッタは人殺しをエアリアルにさせただけでなく、負担をエアリアルにすべて被せているということで、エアリアルの献身にただ乗りしているような状態です。スレッタは何も知らないので彼女だけが悪いというわけではありませんが…。
父親側に行ったんだと相手の気持ちを勝手に決めつけて、そういうつもりはなかったでしょうが結果的に負担をすべて弟に被せたどっかの兄貴と似てますね…。
それはともかく。
もしエリクトがルブリスに奪われ、エアリアルの元の人格の持ち主、現在のスレッタの肉体の本当の持ち主が現在のエアリアルで、スレッタは元はルブリスのAIだった、のだとしたら、プロスペラはGUNDによって生かされ、GUND-ARMによって娘を奪われ狂い、ついには魔女となってしまった。
これが真である場合、御三家の子供たちのすべての始まりはプロスペラで、スレッタ、グエル、ラウダ、シャディク、エラン、すべての因果がプロスペラを中心に回るのです。
そしてミオリネも。ミオリネは多分GUND関係ない子供なんじゃないかなと考えていますが、御三家にプロスペラを紹介してしまったノートレットは、ある意味全ての元凶で、両親の計画であるクワイエット・ゼロが魔女によって乗っ取られようとしている。
主要な子供たちの関係性が、すべてプロスペラへと収束するのです。
ラウダとミオリネ、グエルとスレッタ
プロスペラへと収束したところで、主要キャラの中でスレッタ以外でプロスペラ関連で重要なキャラクターが二人います。
ミオリネとラウダです。
ミオリネはスレッタの花嫁として、ラウダは父親の代理として、それぞれプロスペラと対峙します。
そして二人とも、彼女に一杯食わされたり、不信感を抱いたり、大切な人を奪われます。
大切な人?って感じですが、まずミオリネは明確にスレッタを奪われています。プロスペラと再会するまで、スレッタは人殺しに躊躇する一般的な倫理観を持っていました。ところがその倫理観がズレてしまい、ミオリネはスレッタを「人殺し」と忌避し、せっかくこれから時間をかけてわかりあうはずだったのに、断絶してしまいます。
ラウダは、突然おかしくなり始めたのは、実はグエルよりも父親の方だと思っていたのではないかと思うのです。
グエルは年頃の青少年で、家のことや必要なことを忘れて誰かに強く焦がれてしまうのも、まぁ仕方ありません。ラウダも「なに馬鹿なことを!?」とは言っていましたし、「なんだって兄さんはあんな愚鈍な女を」とあからさまにののしってはいましたが、好きになったこと自体は否定しません。
それにラウダはスレッタに嫌がらせもしていませんし、関わることがなくなれば涼しい顔でスレッタを見ます。
これも、憎しみを抱いているにしてはあまりにもいつも通りで、その後「仕方ないだろ!」とは言いましたが、歩いている顔はやはり怒りをたたえているというよりは、グエルの話題が出てすぐに「グエルが心配だ」というような表情にシフトしているようです。それにラウダがパーメットの情報共有能力に優れていた場合、ミオリネでさえ引いていたスレッタのおかしな様子をもっと不気味に感じていたり、そもそも母親が得体の知れない魔女なので、ペトラが近づかないように足早に立ち去ったのかもしれません。ペトラがスレッタへ怒り始めてからその場を離れていますし、「行くよ、ペトラ」とペトラに付いてくるよう促していますので。
ともかくどうにもそんなに強い憎しみを抱いているようには見えないんですよね。で、もし彼が人の心が感じられるのなら、あの時期のスレッタはあまりにも邪気がない存在として認識していてもおかしくないはずです。
あの頃のスレッタは、エアリアルの修復のために決闘もやっておらず、ミオリネと地球寮には頼りにされ、忙しくとも充実した日々を送っています。現に機嫌よく歌を歌って楽しそうに温室の世話をし、嫌な顔ひとつせず株式会社ガンダムの新GUNDのテストを行い、彼らにもまた親しく接してもらい、褒められたりまでされて。水星で孤独に生活し、学園に入ってもトラブル続きだったスレッタにとって、もしかしたら人生の中で一番充実した時間だったかもしれません。
そんな呑気で幸せな感情を感じて思うのは、二極化したり二つのプロセスを踏むはずです。こっちが大変な目にあっているのに呑気をさらして許せないと憎むか、毒気が抜かれて現実を直視して「誰を憎むこともできない」と受け入れるか。この二つです。
ラウダは恐らくこの狭間であり、もう後者の方に半分以上はいっていると思います。だからスレッタを見るのは無感情で、わざわざ話題にされたらムカッとはするけども、しかしこれもスレッタに怒っているというよりは、「兄さんは…!」と眉をしかめているので、兄が八割悪いことはわかっているんだと思います。
さらにグエルがいなくなったのも、「どこに行ったんだ」だけ言っているので、恐らく父親が原因であるとわかっているとすると、これも年頃の青少年が父親に反発して家を衝動的に飛びだすというのは普通のことですし、ラウダ自身も親に反発心を持つ普通の青少年なので、嫌気がさして家出するというのは多分「そりゃそうだよな」と理解を示していそうです。
それにエランに衝動的に決闘を取りつけたのも、グエルは考えなしに売り言葉に買い言葉で決闘を取りつけるのは日常だったでしょうから、父さんの言いつけが頭から飛んで受けたのかと、ラウダにとっては頭が痛いでしょうが理解はできます。現にラウダは「決闘はダメだ!」と、自分のディランザに乗っているのは自分たちに内緒で決闘を受けたからだな、と察している風ですし(チーフメカニックであるカミルも知らなかったので、あの決闘は寮へは知らされていないでしょう)、「なんでそんな馬鹿なことを!」とまず言うのではなく、「こんなこと、父さんに知られたら…!」と、理由は置いといて父親に知られたらマズイと、どうして決闘をしたらダメなのかを説きます。
なので、多分ラウダはどうして決闘をしたらいけないのかが頭から吹っ飛んだな、という理解をしていて、グエルの決闘で全部解決しようとする悪癖を知っているラウダからすれば、想定外ではあるけれど一応は理解できる範疇です。
翻ってヴィムは、ラウダにとって恐ろしく不可解な行動を取っています。
まず3話でダリルバルデを早期に回収することです。ラウダはあの時「エースパイロットのはく奪だけで済ませたかったんだけど、ダリルバルデまで引き上げだなんて…。」と言っていて、エースパイロットの称号がはく奪されるのは想定内だけれど、ダリルバルデの引き上げまで強行されるのは想定外です。ダリルバルデはまだ実験機で、ガンダムを仮想敵としているのなら、ガンダムが学園にいる現状は絶好のテスト機会です。下手を打っても死ぬことがない戦いなんて、今を逃せば二度とないかもしれない大チャンス。「ダリルバルデまで」と言っているので、もう一つ二つ罰が課されるかもしれないけれど、ダリルバルデは手元に残すはずと、ラウダは想定しています。が、実際には有無を言わさず回収されてしまう。
そしてもっとおかしいのがプロスペラに取り引きを持ちかけているどころか、もっと前に何らかの取引をしている点です。デリング暗殺未遂とかいうヤバイカードで取引を持ち掛けられたのでそりゃ乗るしかなかったんですが、ラウダはその事実を知りません。だとすると、ベネリットグループ御三家の一人で、今期では1位の業績を残した超トップ企業のCEOが、151位とかいうほぼビリのCEOと何かしらの取引をしたということで、むしろこっちの方が頭がどうかしているとしか思えない所業です。
向こうが頭を下げて頼んできたと言うのならまだわかりますが、二回目はわざわざこちらから足を運んでまで再取り引きを持ちかけているということは、企業のパワーに任せて取引と言う名の恫喝もしないということで、突然パワーバランスがひっくり返っているのです。しかもそんな状況なので、ラウダは取引内容を聞いたでしょうが、こんな失態をヴィムが言えるはずもないでしょうし、ラウダにとっては「父さんが何かしらの弱味を握られているのか?」「ということは、父さんが何かしらやらかしたのか?そんな、151位の企業に脅迫されて従わざるを得ないことを?」「しかも再取り引きってなんだ。こんな企業とはさっさと関わらないようにするべきだろ」といろいろ察せられる事態で、ジェターク社にまで害が及びそうな大ポカをヴィムがやらかしたということで、そしてラウダ時視点ではそれはプロスペラが来てからのことです。
ダリルバルデが戦うことになったのもプロスペラが審問会を上手く切り抜けたからで(実際はミオリネが啖呵を切ったからですが)、ラウダからするとプロスペラが現れてから父親がおかしくなってしまった、と見ることも可能なのです。
さらにこれは私の考えですが、サリウスが「ヴィム・ジェタークの擁護も引っかかる」と言っていて、シャディクには娘、スレッタを探ることを頼んでいるので、サリウスはヴィムを探ることにしたはずです。そこで、こちらの考察で考えた通りラウダが、デリングを筆頭に御三家とも繋がりを持っていたとすると、サリウスは一番ヴィムに近い人間としてまずラウダに探りを入れてきたかもしれません。ガンダムを擁護したなど、ラウダにとってはありえないはずで、これも知らされていたら明確にプロスペラが原因で父親がおかしくなっていると考えたはずです。
だから、二期のPVで「お前が来てからおかしくなったんだ…」と言っているのは、もしかしたらスレッタじゃなくてプロスペラに言ってるんじゃないかな~というのはまぁ置いておいて。
こう考えると、ラウダは大切な人である兄を突然おかしくなった父親によって奪われており、それは元をただせばプロスペラが原因になるのです。
前提条件が長くなりましたが、こう考えるとミオリネとラウダはプロスペラによって大切な人を奪われている。だけでなく、彼女と直接対峙した数少ないベネリットグループトップの子供です。どうにも共通点があり過ぎるんですよね。
あとこの二人、性質も似ている。ミオリネは自己中でラウダは他者に献身するタイプと見せかけて、ラウダは自分が生きたいように生きるタイプで、ミオリネは一度決めたらその誰かのために尽くすからお前も尽くせというすごいタイプです。
ラウダはグエルとジェタークの関係者とグエルを好きな人間以外にはちょ~う塩対応です。そのため、ラウダは自分が献身する相手とそうじゃない相手を明確に分ける、割り切ったドライな思考の持ち主であると言えます。そんな現実主義な人間が献身するのは、「そうしたいから」以外の理由はなく、自分を見捨てて出て行って音信不通という、普通ならとっくに見放すようなことをされても見放さず、かと言って盲目的に愛するのではなく、音信不通なことは普通に許せねぇな…と思っている、すごい普通の感性の持ち主なので、彼がグエルを一心に愛するのは、そうすると決めたからです。誰でもない自分が。
ミオリネは最初他人のために尽くそうとするスレッタに「自分のためだけに生きればいいじゃん」と言いますが、スレッタのためなら矢面に立って彼女をかばい、靴を脱いで駆けて嫌いな父親に頭を下げて、会社を立ち上げてそれを守るために奔走し、淡い感情も捨て去りますし、自分から離れようとするスレッタを鬼の形相で追いかけます。ミオリネは自分の隣にいてくれる人を無下にできない情の厚い人間で、一度信用したらその人の手を離さない、離すことを許さない激しい愛の人です。いや、離しそうになってますが、血まみれの手はさすがにね…彼女がつかんだのはその手ではないので。それにPVでまたプロスペラと会っているので、何かしらでまた覚悟を決めてスレッタと向き合うはずです。
このようにラウダとミオリネは結構自分が生きたいように生きるタイプという内面が似ています。
ちなみにスレッタと内面が似ているのは恐らくグエルです。
スレッタもグエルも親の強い影響下にある。二人とも衝動で動いてしまう考えなしな一面があり、ミオリネとラウダに迷惑をかけてしまうことが多々あり、スレッタはミオリネの、グエルはラウダの考えを勝手に考えて勝手に傷つきがち。グエルがラウダの考えを勝手に推測して傷ついているのはこちらを参照のほど。
そして二人とも自分のパートナーのことが大好きで、今まさに親の呪縛からの助けを必要としています。
スレッタが人殺しの忌避感を克服するきっかけになったのは、実は「進めば二つ」ではなく、「自分が動けばお母さんも自分も、そしてミオリネさんも救われる、救うことができる」というところです。あそこで初めてスレッタは母親の言葉を繰り返し、戦闘が終わるとすぐにミオリネを探して、最短距離で駆けつけます。
グエルについてやはりこちらに詳しく書きましたが、わかりやすいところを抽出すると。グエルはスレッタの直接の懇願でもこれ以上父親の怒りを買ったらもう許されないと、耐え忍んでいつかジェターク寮に戻ることを選んでいます。学園を出奔したのも「お前に何が期待できる」と言われたからで、「お前には何も期待できない=ラウダには期待できる」と受け取ったからだと思われるので、彼が自分の技術も知識も何も役に立たない職場を選んだのは、父親から直々の後継者として指名されるであろうラウダの邪魔にならないようにと考えていた可能性も高いのです。他にもデスルターが使われるのにあれだけ噛みついたのは、ラウダが継ぐジェターク社にテロリストに使われたという汚名が付くのが嫌だったからだろうとか、ラウダには荒い言葉を使っていないとか、いろいろありますが、いろいろありすぎるので考察をご参照ください…。
このように二人の内面は似ているのです。
さらに二人は人を殺めたという共通点ができてしまい、スレッタは忌避感を克服し、グエルは罪悪感に苦しみます。いや、多分スレッタも本当には克服できていないはずです。
スレッタは「進める子」と母親に言われて、覚悟を決めて出てきますが、その時も震える手で拳を握り、顔を曇らせていて、足を踏み出すのも遅い。完全に母親の言葉だけで覚悟が決まっているわけではありません。そして、「逃げたら一つ!」と、笑顔を向けますが、彼女はいつでも進める子では本当はありません。
本当は怖くて、進めない時もあるけれど、それでも「進めば二つ」だと自分を鼓舞して進んでいく。そしてここでも、「逃げれば一つ」で自分を鼓舞し、初めて笑顔になりますが、その笑顔も恐らく無理をしているのです。だから歪なものなのです。
スレッタは本当は今でも人殺しなんてしたくない。死ぬかもしれない実戦なんかに出たくない。例え母が望んだとしても。でも自分が動かなければミオリネさんを救うことができない。だから怖くても嫌でも、進むしかない。スレッタにとって彼女は、ゼロから知り合って関係を築いた、かけがえのない存在だから。スレッタが異様に明るかったのは、こういう事情もあるのかなと感じます。自分は平気、大丈夫。こんなこと、なんてことない。ミオリネさんだって、きっと喜んでくれる。そう思わなければ、思いこまなければ、スレッタは絶対に動けなかった。
血まみれの手を笑顔で差し伸べるという絵面から、スレッタが壊れて狂ったようにも思えますが、こう思うと、あれは何とも悲しくてやるせない場面です。彼女はそうでなければむしろ、心を守れなかったのです。
グエルもまた、親の呪縛に再び囚われた一人です。彼は逃げることで親から離れたし、その前から父親が自分をないがしろにすることにおかしいのではないかと疑念を持ち始めた。しかしその父親を殺したことで、父親は「絶対的なもの」になってしまった。
自分が逃げたから、自分にとっては重要な、しかし父親にとっては価値のないであろう少女に進もうとして、それで失ってしまった。逃げなければ、進まなければ、彼は死ななかった。父親が死んだのはすべて、自分が愚かだったからだ。子供のようなわがままのせいだ。どうして自分は、父さんの言うことを聞けない、悪い子供だったのだろう。そういう呪縛、独り立ちを咎める呪縛です。
グエルとスレッタは、共に自立を目指して確かにその萌芽を得ていたのに、また親の呪いに苦しめられている。
そしてラウダとミオリネもまた、父親を失っているという共通点が生まれています。いや、デリングは生きてますけど、意識不明なので口を出すことはできない。恐らく二人は生まれて初めて、親に自分のやることを咎められない、指示されない状況にある。特にラウダは、それぞれの大切な人を守るために動き出すのではないのかな?と希望的観測をしています。
なぜならずっと、ラウダは兄のために動くことができなかった。いつの間にか父親が手を回して兄が傷つけられてしまっていて、それを知らない、そんな情けないけれどもどうしようもない立場だった。
その枷がキレイになくなった。ミオリネはこれよりも前から自分のやりたいことが許されるようになってきましたが、ラウダはこれからです。これからが彼の本当の物語の始まりのはずです。
え?ラウダはサブキャラだろって?いきなり主役級になるなと…。
いや、私もそう思うのですが、しかしこの世界の本当の物語、嵐によってめちゃくちゃになる前の本来の世界を考察してみると、実は本来の物語とは子供たちを中心としたオズの魔法使いなのではないか?それも、オズ役がラウダなのでは?そしてスレッタ、ミオリネ、エラン、シャディク、グエル、ラウダ、全員がいなければアド・ステラへと至らない。そういう世界構造なのではないか、と思うのです。
まとめ
ラウダとスレッタは、パーメットによる情報共有能力に優れ、恐らく自然受精で生まれた。御三家の長子たちは人工授精で生まれた。そしてそれは、エリクトを失って彼女を生き返らせようと望んだプロスペラが生殖機能を補助するGUNDを開発したことから始まり、御三家の因果はプロスペラへと収束する。
今回の考察は以上になります。次回はアド・ステラの本来の世界とは、テンペストによって覆われた真の世界とは何か、それを考察していきたいと思います。
今回もオマケがあります!
※なお、この考察はあくまで私の考えであり、確定情報ではありませんので、この先設定が明らかにされて否定されても、私自身に責任は発生しないものとします。
当ページに載せているスクリーンショットは考察による説明の補足として引用しているものであり、三次利用はいかなる理由があろうとも禁止とします。
オマケ
この考察にのっとり、主人公組と御三家の子供たちの誕生日の推測をしてみました。まず大前提として、グエルがしし座、アスティカシア学園は日本と同じ4月はじまりであると定義しているので、この前提条件が違ったら全部台無しです。ガハハ。
グエル しし座:8/1~8/22
ラウダ おとめ座:8/23~8/31
シャディク てんびん座:10/1~10/23
エラン いて座:12/1~12/22
スレッタ おうし座:4/20~5/20
ミオリネ やぎ座:1/1~1/19
ラウダはデカールで天秤が使われていたりするので、てんびん座という可能性も高いですが、天秤に剣と言えば正義の女神。そして正義の女神はローマのユースティティアが由来であるとされ、彼女はおとめ座をつかさどるアストライアとも同一視されます。安心してうっかりでできちゃったら数日差ってこともあるかな~と。
シャディクが近いですが、グエルはパイロット技術に必要な遺伝子を解析され、出生前に胎児の遺伝子を調べるのは約6~7週目でできるそうなので、それを踏まえて作られたとしてギリギリ10月のてんびん座で。
エランは…性格診断で一番自由奔放らしい。というのと、アクシデントで母親が亡くなったなら、元々体が弱くてなかなか子供ができない人だった可能性もあるので、時間がかかったと推定。
スレッタは、編入した時にはもう17歳で、それから2か月経った段階で地球は夏だったので7~8月とすると、その前の4月~5月として。
ミオリネは色々ゴタゴタして、2週間を経た二期開始時点で誕生日がまだきていないので、いっそこのぐらい遅くてもいいか!で。
以上、妄想コーナーでした。
※なお、この考察はあくまで私の考えであり、確定情報ではありませんので、この先設定が明らかにされて否定されても、私自身に責任は発生しないものとします。
当ページに載せているスクリーンショットは考察による説明の補足として引用しているものであり、三次利用はいかなる理由があろうとも禁止とします。