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【お仕事回顧】祖国を出て放浪した元軍人の少女たちが国を救う物語
【お仕事回顧】この記事はなにか?
・ポートフォリオ的に見せるものです
・自分がスランプに陥ったときに振り返るお話の作り方の備忘録
です
公開許可を取っていないものもあるのでタイトルはボカしてあります
お話の作り方などを記載してあるのでネタバレがあります
(タイトル非公開なのでネタバレも何もないですが)
概要
ファンタジー世界を舞台にした王道ストーリー。軍事国家を舞台に、生物兵器として戦火に携わる少女たちを描いた物語のシナリオ制作。アニバーサリーのナンバリング3作目
期間
2017年12月~2018年1月
依頼元、依頼経緯
ゲーム制作会社、リピート依頼
関係者
企画窓口担当の方、打ち合わせ無し
仕事内容
ストーリーシナリオ、キャラクター設定、ストーリープロット制作、ストーリーシナリオ制作、その他テキスト各種制作
資料
特になし
納品物
企画大枠、キャラ設定、ストーリープロット、シナリオ、キャラボイス台本
ボリューム
60分尺のアニメくらいのボリュームをイメージ
時系列
各ストーリー依頼→作業→納品
概要
ひとことプロットは
「生物兵器として戦火へ投入されることを使命と教え込まれていた少女たちが欺瞞に気づき国を出、放浪した後に帰国し、祖国の危機を救う物語」でした。
もともと他の方が作成したキャラクター設定、ストーリー、エピソードがいくつかあり、それをお預かりした上で、一定の連続したその物語を完結編としてまとめる依頼でした。物語本編やショートエピソード、別のキャラクターを主人公として展開されていた物語など、複数の物語を集約して、ひとつの「完結編」としてまとめました。
アニバーサリー(◯周年、とか〇〇記念、みたいな意味で使っています)のタイミングで公開されるストーリーでした。3周年のアニバーサリー作品となります。アニバーサリーのストーリーはこれまでも書かせてもらっていましたが、3回目となるとプレッシャーが半端なかったです。
勝手に自分がプレッシャーを感じていただけですが、クオリティに関しては前年を下回るわけにはいかないため、ストーリーの中身を検討するのに非常に時間を使いました。
ある漫画家の先生は、毎話「前話を上回る」「前話をベンチマークにする」という激高のハードルを設定しているという話を聞きましたが、アニバーサリーのストーリーを考える際は僕も毎回同じように、気持ちだけは前回を超えられる感動を、という命題を掲げて取り組んでいました。
これまで基本的に長編を作らないようにしていました(読むのが大変なので)が、今回は「ボリューム」をひとつの売りにしようと考えました。登場人物、話数、規模感など、いくつかの項目で「ボリューム」に関して前回を上回ることを念頭に置いて制作をしていました。見てくれた人が「長いだけで退屈な作品だった」とだけは言われないように頑張ったつもりです。
話数については、実現しようとしたエピソードを全て盛り込むことができたため、良い結果になったかと思います。
ボリュームが前回を上回っていたので、ストーリーを分割して3部作として、リリースのタイミングをずらすなどで全体を公開しました。
ストーリーの軸は「集結型」です。
様々な場所に散らばった様々な人物たちが、ひとつの目的、ひとつの場所へと集っていく過程、また、集った場所で成す行動を描くストーリー型です。今回のストーリーに登場するキャラクター達のエピソードは別の形で複数発表されていたため、こちらのストーリー型に沿うように、各キャラクターの時系列とストーリーを整理して、物語の完結を目指しました。
「集結型」というストーリー型を使う場合、本来ならば「分散」とセットにして「分散集結型」として使います。組織や集合体などの塊が分散された後、各場所で展開される物語の過程も踏まえるからこそ、それが再び集結したあとのカタルシスが得られるからです。この物語の場合、別のエピソードやイベントストーリーなどで「分散」がすでに展開されていたため、「集結」に特化して描くことにしました。
設定したキャッチワードは「廻る(まわる)」「軍国」「プラネテス」「放浪」「生物兵器」「星の子」などです。
「廻る(まわる、めぐる)」は一周して元に戻る、あちこちを回り歩く、といった意味があります。太陽系の惑星も自転と公転によって廻りますが、宗教的には人の一生や運命、魂なども廻るもの、という考え方もあります。人の一生を銀河の廻りになぞらえて、その不思議を物語に落とし込めるように構成してみよう、というのがこの物語を作るうえでの挑戦でもありました。
「プラネテス」は古典ギリシャ語で「惑う人」、転じて「惑星」を意味する言葉です。道に迷ったり考えが定まらずに思案する人を意味する言葉をキャッチワードにすることで、自分の運命や進む道を模索し見つけていく主人公たちの悩みを描こうと思いました。
「軍国」は、そんな主人公達が育った環境を言い表す端的なキャッチワードとして設定しました。生まれ育った環境はキャラクターに与える影響が非常に大きい要素であることを改めて感じました。
「廻る」を物語の根に、「プラネテス」をその幹から広がる枝になるようなイメージで各キャラクターのエピソードを構成していきました。
タイトルについて。
「タイトルを聞くと内容が思い浮かぶ」というのが個人的には理想のタイトル付けだと考えています。一番最初にキャラクターを設定した際に出たキャッチワードを思い浮かべて、それらをつなぎ合わせた際、キャラクターとストーリーを表現するひとつのワードになりました。そのワードをシンプルにタイトルとしました。後にこの作品の続編をいくつか書かせていただきましたが、基本的に同じタイトル付けをしていたかと思います。
キャラクターについて。
登場する主要キャラクターたちはそれぞれ「太陽系の惑星から力を借りている」という設定でした(「星の子」と呼ばれます)。キャラクターそれぞれの名前の元ネタは不明ですが、キャラクターの設定が力を借りている惑星の特徴に寄せられていたので、エピソードも一部それらを表現できるように意識していました。
木星は太陽系の惑星で最も大きな天体のため、木星をモチーフにしているキャラクターはその巨大な質量に押しつぶされそうになっている、とか。
金星は愛と美の星と呼ばれているので、金星をモチーフにしているキャラクターは美しいビジュアルと声を持っている、とか。
海王星と天王星は大きさがほぼ同じで太陽から離れた位置を回っているため仲良し、とか。
冥王星は惑星から除外されてしまった(かわいそう)経緯があるため、他のキャラクター達とは違う歪な力を持っている、とか。
火星は字面からとても強そうだが、もっとも地球に近くにいるので、優しく寄り添ってくれる、とか。
水星は太陽にもっとも近く過酷な環境のため、過酷な運命を強いられる、などなど……。
こじつけ感はあるかもしれませんが、惑星のもつイメージや実際の特徴は古代から語り継がれてきたものでもあり、我々としてもイメージしやすい特徴かと思います。火星は炎の星、みたいな事実とは違った認識もあったりしますが……あくまで個人のイメージということで。
描きたかった感情は「放浪する心」「自分の役割」です。
軍事国家で人間兵器として戦場に投入されることを使命として教え込まれてきた主人公たちが、その使命が偽りであることに気づき、放浪します。
これまで生きるよすがとしていた使命が偽りだったと気付いたら、各キャラクター達はどんな感情を持って、どんな行動を取るか。そんな心の動きを各キャラクター毎にあります。その悩みの末に自分の運命はこれだ、自分のやることはこれだ、と自立していく過程と、その感情を描けるようにしました。
あらすじ
3部作を構成する上で、1、2、3部それぞれに役割とやること、テーマをしっかり設定して、各部の中でそれらを処理できるようにしました。ざっくり下記で設定してします。
1部 プロローグ
2部 集結の過程
3部 カタルシス
1部 プロローグ
主人公は軍事国家で人間兵器として戦争の道具にされている存在です。強力な力を持つため他国との戦争で大きく活躍し、軍国の兵士からは尊敬を集めていますが、自分の存在意義について疑問を持っていました。自分たちに備わった力は、果たして戦争に勝利するためにあるのか。本来の力の使い方があるのではないか、という問いを繰り返しながら、戦場を駆けます。
主人公には子どもの頃から一緒に育った大切な幼馴染がいました。繰り返される戦争の中で彼女に会うことも叶わず、悩みを打ち明けることもできずにいました。
ある時主人公は同じ力を持つ仲間が、自らの力に押し潰され、命を失いそうになっていることを知ります。仲間を守るため、主人公は軍国を脱出することを決意します。
自分たちの力で、当時起きていた小規模な戦争を止めた時、自分たちの力の正しい使い方の片鱗を感じます。主人公は軍国に残してしまった大切な幼馴染に想いを馳せながら軍国を後にし、世界を放浪します。
2部 集結の過程
数年後。主人公の離脱以降、軍国でただ人間兵器として戦っていた主人公の幼馴染もまた、戦場を後にしました。主人公達の力を利用し己の目的を果たそうとする黒幕は、主人公達がいなくなってからも、主人公達に代わる戦力を手に入れようと蠢きます。
戦争から去った者、戦場に残る者、争いを裏から操る者、それぞれの動きを見せますが、軍国が抱える問題(自国を苦しめながら他国への侵攻を繰り返す)は未だ解決しません。
そんな中、主人公は黒幕が画策する次なる大規模な戦争の情報を知ります。黒幕はその戦争に向けて巨大な兵器を復活させようとしていました。祖国を去り、バラバラになっていた主人公達はそれを止めようと、祖国へと集結していきます。巨大兵器を止める戦いの中で主人公はついに大切な幼馴染との再会を果たしますが、奮闘もむなしく、巨大な兵器は復活し、大規模な戦争は始まってしまいます。
幼馴染は主人公を守るため、時空の彼方に消えてしまいます。
3部 カタルシス
主人公たちの願いと裏腹に、戦争が始まってしまいます。
主人公たちの離脱で戦力が落ちた軍国は、巨大兵器を利用し戦争を有利に進めます。主人公は敵味方に別れてしまったかつての仲間との戦いを乗り越え、バラバラになっていた仲間達と再会し、巨大兵器を止めるために力を合わせることに成功します。
自分に備わった力。その使い方に生じた疑問の答えを主人公は見つけます。自分の力は人々と戦うためではなく、導くために使うものである、と。
仲間の力を集結させ、主人公が巨大兵器に立ち向かいます。力を貸してくれる仲間たちの中には、時空の彼方に消えてしまった大切な幼馴染の姿もありました。
かつて小規模な戦場で果たすことができた「戦いを止めること」。その時に発揮した力を黒幕にぶつけ、巨大兵器を倒すことに成功します。国家間のぶつかりという巨大な戦いを止めることで、主人公は自分の力の意味を知り使命を果たすことに成功しました。
戦いが終わり、戦争の傷跡が残り、仲間達は復興に尽力します。そんな中、主人公は仲間達の許しを得て旅に出ます。自分を守るために遠くへ消えてしまった幼馴染を探すために、主人公は再び世界を放浪します。
感想
描きたかったシーンは「登場人物全員で1つの巨大技を放つ」です。やりたいことは沢山ありましたが、とにかくこれがやりたかった……。
「登場人物全員で巨大技を放つ」。これは古今様々なエンタメで描かれている胸熱なシーンですが、実際にストーリーの中に組み込んでみると、建付けや整合性を取るのが非常に非常に難解なシーンなのだなと感じました。
巨大技の設定(どういう理屈で使える技なのか、誰が使えるのか、どういう効果・威力なのか、どういう発動手順なのか)。
巨大技を発動できる環境をどう用意するのか、いきなり巨大技を放つのは唐突感につながるため、それを緩和するために、事前説明としての前フリをどこにどう入れるのか。
クライマックスにそのシーンを持っていくために、各キャラの動きをどう調整するのか。
巨大技を放つに値する敵をどうやって設定するのか。
放った後どういう影響があるのか、どういう結果が得られるのか。
デメリットがあるのか。あるとしたらどんな影響があるのか。
ざっと書き出しただけでも考えていたことがとても多く、ストーリーに落とし込むまでの時間もとても長くなり、考える間は自分自身がプラネテスでした。
ゲームであることの前提を忘れずに、バトルシーンやBGM、仕様を踏まえたうえで、結果的に整合性はしっかり取れて、ひとつのクライマックスシーンとしてうまく落とし込めたと思います。
要素を出してタイムテーブルを管理してイベントスケジュール通りに進行して……。当時悩んでいた感情が何かに似ているなと思ったら、学園祭とかイベントを運営する実行委員会の方が悩む気持ちに似てるのかなと思いました。
まとめ
8年ほどの歴史があるゲームですが、ボリューム、登場人物の数についてはTOP3に入る作品だったかと記憶しています。
個人的な思い出としては、このストーリーを書いている時、一番多忙なタイミングで、生まれて初めて帯状疱疹を患いました。めちゃくちゃ痛いですね、あれ。
最初は原因不明でチクチクする痛みに違和感を覚えた程度ですが、〆切が迫るのに比例して痛みが徐々に強くなっていきました。
生まれて初めての痛みに耐えながら、苦しむ登場人物たちの心に寄り添いながら「大丈夫、俺も一緒に苦しんでいるから」とふざけていたのがいい思い出です。
周年のストーリーを書くことのプレッシャーとストレスもあったのかと思います。そういった意味でも思い出深い作品です。
進路や就職先など、人間にとって進む先は何も見えない暗闇です。僕の仕事も一寸先は闇です。
欺瞞でも嘘だったとしても、「あなたの使命はこれだ」と教えてくれる存在は実はありがたいものなのかもしれません。そういった、ある意味自分を導いてくれるものを手放してまで、未知の空間に飛び出して放浪する。そして自分の本当の使命を見つける。
そんな主人公達の決意と行動に共感して、何かを感じ取ってほしい。そんな気持ちで書き上げました。
印象に残っているシーン&セリフ
火星の子の凛々しさ。
戦場にて。命の火が消えようとしている兵士と火星の子との会話。
火星の子はとってもかっこいい。
「わるい……な。ジュディス隊長……。俺は……もう、帰れない……ようだ。」
「そうか……もう、立てないか。」
兵士の手を両手で強く握る火星の子。
「第2軍と第3軍の勝利の報告が届いた。この中央の戦場を制せば我らの勝利だ。敵の砲撃から身を挺して私を守ってくれた貴様の献身、必ず未来へと繋いでみせる。」
「妹と……同じ年頃の、娘を……。殺させるわけに……いくかよ。」
「ジュディス……祈って……くれない……か。倒れていった……他の仲間たちと……。同じ……ように。」
「……………………。……あなたの魂に、星の加護がありますように。」
「ありが…………とう。俺たちの…………女神……。」
兵士が息を引き取る。
「……………………愚か者め。待つ者がいるなら……味方を見捨ててでも生き延びろ。私のためなどに、命を投げ出すな……。」
「ジュディス隊長! 突撃の準備が整いました。俺達はいつでも行けます。」
「……敵の砲撃によって生まれた砂煙に乗じる。最高速度で敵陣を貫くぞ!!1人でも多くの敵を倒すことより、1人でも多くの味方を守れ!無駄に命を捨てることは許さん。」
聖女の遺言
惑星の力の始祖となった聖女の遺言。
今回のクライマックスを象徴する預言と、メインストーリーの最終回で使用する予定でした。本編での使用は叶いませんでした。
「……分かたれし私の力は、ひとつひとつが弱い、
淡い輝きを持つ星となります。
それらは時として、空を……大地を彷徨うでしょう。
それでも……淡く輝く光は集まり、
この地が危機に瀕した時必ず、大いなる光を取り戻すでしょう。」
主人公である水星の子と火星の子の会話
戦場で向き合う2人。
戦いを止めようとする主人公がかつての仲間を説得します。
ストーリーの目的を、相反する立場の2人によって口にしています。
「ジュディス。私はあなたと戦いたくない。きっと私たちは、同じ願いを祈っている。」
「怯懦した貴様と一緒にするな!私には守るべき者がいる。導かなければならない部下がいる。」
「彼らが抱いてきた願いを、平和を願う祈りを叶えるために、私達星の子は戦い続けなければならない!!」
主人公は武器を喉元に突きつけられます。それでも一切怯まずに主人公が睨み返します。
「その戦いの運命を! 私は否定したい!!
「……………………!」
「戦いを止めたいの、ジュディス。星の子の力を、本当の力を……。私は導くために使いたい。」
「その道を選ぶために誰かが傷つかなければいけないのなら、私が代わりに傷を背負う!!
私の罪は自覚している。それでも、お願い、ジュディス。私を止めないで……。」
「……………………。」
聖女の詠唱
強烈な魔法を放つ詠唱シーン。
登場人物全員で呪文の詠唱を行うための前フリのシーンとして。
「星々の力よ
銀河を巡り
光を連ね
時を超え……光の道を指し示さん。
大地を、この星を……全てを照らす希望となれ。」
天王星の子と海王星の子の会話
記憶を失ってしまったことに悲しんでいたキャラクターと、その原因を作ってしまったことに苦しんでいたキャラクターが絆を取り戻す瞬間のシーン。
互いを見失わないように、寂しくないように寄り添う2人の関係がエモいです。
「昔の記憶がないのは、時々悲しくなっちゃうけど……。
私の記憶の真っ白な部分に、リーベルが沢山描き込んでくれたから。」
私は今の私でいい。
私の中に、真っ白な部分なんて、もうないよ?」
「……ふふふ。わかった。一緒に戦おう……ポーシャ。」
「天王星と海王星は、他の星よりも遥か遠くに存在する星だ。だから……。」
「えへへ……うん。一緒にいなきゃいけないよね。」
聖女との会話
惑星の力の始祖となった聖女に向けて、決意を語るシーン。
「夢を見るんです。私と同じくらいの女の子を必死に守る夢。私はあなたに約束しました。あの子を……アリエッテを守るって。」
「ユティス……。」
「あなたが残した力以外にも、私たちには受け継がれているものがあるんです。たとえ過去にその約束を果たすことができなくても……。
想いは受け継がれる。そしてきっと、叶えてみせる。」
「あぁ……ユティス。幾星霜の命を巡っても、あなたは、あなたの魂は……ずっと優しい光を放っているのですね……。」
「星の子にはきっと、あなたの願いを叶える力があります。テラ様。私たちに任せてください。」
「ディオネ……。」
「誰かが歪めた運命じゃない。私たちは私たちの手で、運命を刻んでみせます。
守ってくれてありがとう。…………行ってきます、聖女様。」
「……………………。」
「ユティス……いいえ、土星の子ディオネ。
あなたに星々の加護がありますように……。」
主人公が大技を放つ鍵となるシーン
主人公が大技を放つキーパーソンであることが告げられ、決意するシーンです。
これまで展開されてきたエピソードに意味があったことを明かしつつ、主人公らしい見せ場として設定したシーンです。
「ええ。ですから、スフィア。あなたにお願いがあります。星の子の持つ力を導き、私に注いでください。」
「私が……導く?」
「これはおそらく、あなたにしかできない事です。あなたはこれまで全ての星の子と出会い、触れ合い、想いを重ね合った。」
「あなたが星の子として生き、国を離れ放浪し、多くの戦いを経験した旅。あなたが歩んだ轍は、星の道となりこの地を照らすでしょう。」
「かつて聖女が遺した言葉と同じように……。」
「……………………。」
(私が適任なのかはわからない。ずっと悩んできた弱い私が……。)
(でも……悩み続けてきた日々、苦しんできた時間。彷徨い続けてきた道が……。みんなを導くためにあったのなら……。私は私の信じる使命を……果たしてみせる!!)
仲間達に呼びかけ、大技を放ちます。
「みんな……私と同じ時代に生きた大切な仲間たち。お願い。私の声を聞いて。」
「みんなの力を……あの使徒にぶつける。星の力を高めて解放して。私がみんなの力を導く。みんなの力を私に貸して。」
「フェリスの、みんなを癒やす優しい力。」
「セシルの、ジュディスの……。守るために振るう力強い力。」
「リーベルとポーシャの、共に輝こうとする穏やかな力。そして、ディオネの……約束を守り続ける、眩しい力。」
「あなた達の力を、私に預けて。みんなの星の力を……私が導いてみせる!!」
テーマを語った締めのセリフ
星の巡り、プラネテスについて語りつつ、これから先の展開を予感させるセリフを締めに持っていきました
空に浮かぶ星は、地上を照らし、
また再び地上を彷徨う。
再び運命と出会うために。
再び光を集めるために。何者かになるために。
銀河は巡り、命は回る……。
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ではまた!