![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111639382/rectangle_large_type_2_c93e8be226c7c522a6459c71cafdceb7.png?width=1200)
免疫チェックポイント阻害薬投与前から抗TIF1γが陽性だった1例
今朝笹木先生から教えてもらったAutoimmunity Reviewsを読んでいたら興味深いケースがあった。
Dermatomyositis unleashed by immune checkpoint inhibitors. Three additional cases and a review of the literature
Autoimmun Rev .2023 Jun 13;22(8):103375.
紹介されている3ケースのcase1
A 45-year-old man has been diagnosed with stage IIIC (T4aN2aM0) melanoma. He started treatment with 6 mg/kg of nivolumab every four weeks in April 2019 (therapeutically equivalent to the usual dose of 3 mg/kg every two weeks).
45歳男性のメラノーマ、2019年4月からニボルマブ6mg/kgを4週ごとに投与開始された。点滴の初回点滴の2日前に、頬、額、手の甲に軽度の紅斑を認めた。点滴後、紅斑は増悪し、点滴2回目から筋炎症状が出現した。その後症状は増悪した。
![](https://assets.st-note.com/img/1690241082383-Ck4xhDNwY6.png?width=1200)
ニボルマブによる治療を中止し、ステロイドとアザチオプリンが開始された。状態改善乏しく、IVIG6サイクルが行われ症状が改善した。
治療開始前に患者から採取した血清は、抗TIF1γ自己抗体が陽性であったことが判明した。
なんと、治療前からTIF1γ抗体が陽性だったとのこと。治療前の血清保存ちゃんとしていたんですね。さすが。
免疫チェックポイント阻害薬と皮膚筋炎のreview: 年齢中央値は62歳、肺がんが多くついで悪性黒色腫。18/22で、ニボルマブとペムブロリズマブ、22人中11人が抗TIF1γ自己抗体陽性だった。
治療前から自己抗体が陽性だった場合はどうか
・最近の研究では、ANA抗体陽性160≦、陰性でirAE発症に有意差はなし J Endocr Soc 2018; 2: pp. 241-251.
・抗甲状腺抗体や抗アセチルコリン受容体抗体は、治療後の甲状腺機能障害や重症筋無力症との間に関連あるかもしれない、とのこと。後者は日本からの報告。Ann Oncol 2017; 28: pp. 583-589.、Neurology 2017; 89: pp. 1127-1134