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カンボジアの小学校 音楽教育ボランティア実習で感じたこと


2024年8月5日から9日にかけて、関西大学の国際協力実習の一環として、カンボジアのクラチェにあるアノワット小学校で、JICA 海外協力隊員である渡部先生の活動に参加した。実習に先立ち、日本にてリコーダー教育の実践者からリコーダー教授法を学び、現地でカンボジアの小学生たちにリコーダーの基本的な演奏技術を教え、練習を重ね、最終日には、現地の小学生たちが私たちと一緒に練習した曲を披露する機会が設けられ、音楽を通じた交流の成果を発表することができた。



武田エッセイ(カンボジア1日目)

朝、最寄り駅を出発するとき、心の中では少し不安があったけれど、どこか「いける」という根拠のない自信も湧いてきてた。自分がこれから踏み出すカンボジアという未知の地で、何か新しい経験ができるんじゃないかとワクワクしながら、気持ちは高まっていた。



関西空港に到着し、いよいよ飛行機に乗る時間が近づいてきた時、飛行機が目の前で飛び立っていく姿に、これからの自分の未来を重ねるような気持ちになった。初めての海外経験ということもあり、目に映る全てが新鮮で、期待と不安が入り混じる感情の中、搭乗手続きが少し手間取ったけれど、無事に乗り込むことができた。



ベトナム航空の飛行機に乗った瞬間、これまで見慣れた日本語の世界が消えて、周りからは外国語が飛び交い、まるで別世界に足を踏み入れたような感覚が押し寄せた。キャビンアテンダントが飲み物のオーダーを取ってくれたけど、緊張してオレンジジュースを頼んでしまった。隣のおっちゃんがビールを頼んでいるのを見て、ちょっと羨ましかったな。飛行機での映画を楽しもうと思って画面をつけたら、なんと壊れていて、仕方なく前の席の人が観ていた「猿の惑星」を、座席の隙間からチラ見して過ごした。



機内食が運ばれてきて、思ったより美味しくてびっくりした。サラダやハンバーグにパン、ショートケーキといったラインナップで、寝起きだったけど、つい食べすぎてしまったくらい。飛行機の中で 4 時間近く過ごし、窓の外を見ると、立体的な雲がまるでボディソープの泡のようにふわふわしていて、ほんまに美しかった。

ベトナムに着陸すると、緑豊かな大地と都市が混ざり合う光景が広がっていた。特に川が大きくて特徴的で、どこか日本の川とは違うクネクネした形状に目を奪われた。



再び飛行機に乗り込み、いよいよカンボジアに向かう時、飛行機の中で小さな韓国の赤ちゃんが座席の前にいて、めちゃくちゃ可愛くて癒された。赤ちゃんの純粋な笑顔を見ていると、国や文化の違いなんて関係ないんだなと思わされて、国同士が争うことが本当に馬鹿らしく感じた。



カンボジアに到着すると、空港の中は青や水色、エンジ色といった、少し異国情緒あふれる色合いが目に飛び込んできた。荷物を取りながらも、活気ある街の中に自分が入り込んだことを実感していた。空港を出て、プノンペンの街に足を踏み入れた時、街中を走る車やバイクの音が日本とは少し違っていて、クラクションの音も少し高めで、どこか可愛らしくてイライラすることはなかった。



街中を見渡すと、原色が多く使われた看板や、カンボジア国旗が立ち並ぶ姿が目立ち、人々が屋台を囲んでいる光景は、どこか日本のお祭りのような賑やかさが感じられて、とても楽しい気持ちになった。まるで映画のワンシーンのようだった。



その日の最後に、カンボジアの子どもたちを目の当たりにして、物乞いをする子どもたちの姿を見て、自分は彼らのために何ができるのかを深く考えさせられた。ただ魚を与えるのではなく、彼らに釣り方を教えることができる教育こそが、自分がこの地で果たすべき役割だと強く感じた。そして、その思いを胸に、これからの数日間を真剣に過ごしていこうと決意し、初日は終わった。




帰国後の振り返り(カンボジア 1 ⽇⽬)

エッセイを読んでみて、⼊国前に私は感情が⾼まり、⾼揚していたことを思い出した。初めて海外に⾏く前は、「無事に⼊国できるかな?」と⼼配していたが、今となってはその⼼配が嘘のように、⾃信に満ちている。⼀度経験したことで、ハードルが低くなったことを改めて実感している。エッセイの最後には、カンボジアの⼦どもが悲しそうな⽬をして⾞道に出て物を売っていたことを綴っている。




私は、⼦どもたちが当たり前に笑顔で学校に通える環境を作りたいという思いを抱いている。だからこそ、笑顔で学校に通うどころか、夜になっても危険な道に出て物を売っている少年を⾒たとき、⾮常に衝撃を受けた。私に何ができるのだろう。経済⾯で⼤きく⽀援することはできない。しかし、教育⾯では何かできるのではないかと思った。「⿂を与える」ことはできないが、現地に⼊って、「釣り⽅を教えることができる。」そうした活動を⾏うことができる⻘年海外協⼒隊への希望が、この⽇、より⼀層強く固まった。





武⽥エッセイ(カンボジア2⽇⽬)

カンボジア 2 日目は、通訳のスメイさんとダウさんが合流した朝から始まった。朝ごはんには、トーストやクロワッサンチョココロネ、ゆで卵二つと、ほりにしのような美味しい調味料が使われた料理が出て、なかなか美味しかった。



朝、バス乗り場に向かうと、まるで少林寺サッカーやカンフーの世界に入ったような雰囲気が漂っていた。そこにいた人々の制服はオレンジ色で、まるでイナズマイレブンのような印象を受けた。その後、クラチェへ移動する途中、栄えている場所とそうでない場所の差が非常に大きいことに気づいた。広がる土地がどこまでも続いていて、まるで日本で遠くを見ると海が広がっているのと対照的に、カンボジアではどこまでも土地と緑が続いていた。 


道中では、立ちションをしているおっちゃんがいて、ここで疑問が生まれた。「立ちションは世界共通なのか?」

また、メコン川の汚さや、工場で低賃金で働かされているカンボジアの人々の状況に考えさせられるものがあった。
途中、沖縄のような雰囲気の場所がある一方で、東南アジアらしいカラフルな建物や仏教の像が立ち並ぶエリアもあり、場所によって特色が異なることを感じた。



お店で外国人に話しかけてみた。「GOOD?デリシャス?」と声をかけたけれど、反応はポカーンとしていた。「どこの国から来たの?」は通じて、カンボジアから来たという返答が返ってきた。しかし、そこからたくさん話しかけられ、何を言っているのか分からなくなり、気まずくて退散してしまった。自分の力のなさを実感しつつ、「もっと話しかけていこう」と決意。まずは笑顔でコミュニケーションを取ることが大事だと思った。



首都から 5 時間離れた場所では、羊が自由に歩き回っていたり、豚を生きたまま運んでいるトラックに出会ったりするなど、都市部とは全く異なる光景が広がっていた。
クラチェに到着すると、まるで沖縄のような雰囲気で、メコン川沿いに「シルバードルフィンホテル」というホテルがあった。ホテルのおばちゃん「グンティイアさん」が日本語を話せることに驚き、お姉さんは 20 年間も日本に住んでいたという話を聞いた。



休憩後、リコーダーの練習に取り組んだ。練習した曲は「アラピヤ」と「いやいやよー」、それに「ありがとう」の歌も練習した。演奏が揃っていて、「ウマイネー」「スゴイネー」と褒めてもらった。「ありがとう」の歌を知っていることにも驚き、教材を少し書き足した。おばちゃんたちは優しく、クメール語の発音を教えてもらいながら、リコーダーを吹いて練習した。



その後、マーケットに行ったが、まるでお祭りのような賑わいで、毎日こんなに賑やかなのかと驚いた。そこで、さとうきびジュースを飲んだが、さっぱりしていてとても美味しかった。
日本人であることが珍しいのか、皆がこちらを見てきた。「チョムリアップスオー」と挨拶をすると、ニコッと笑って返してくれる。すごく温かい雰囲気で、この街が本当に好きだと感じた。さらに、屋台で辛いお肉を挟んだサンドイッチを食べた。タピオカも飲んだが、もちもちしていて美味しかった。



夜には花火が上がり続けた。祝日だったようで、1 時間半も花火が続き、青や赤などの色鮮やかな花火がメコン川から上がっていた。花火に合わせてカンボジアソングが流れ、そのリズムに乗って踊ってみると、子どもたちが爆笑し、一緒に踊ってくれた。変なロボットダンスやクネクネダンスを踊って、最高に楽しかった。カンボジアが本当に大好きだと感じた。


その一方で、反省点として、来てくれた子どもたちばかりに注力してしまったことに気づいた。大学生としてならそれで良いかもしれないが、明日からは先生として、全体の子どもたちにどうアプローチするかを考え、皆を楽しませることが重要だと思った。  



クラチェは本当に素晴らしい街で、人々の笑顔と優しさに包まれた一日だった。今日はノリノリで踊って楽しんだが、明日からは全体を意識して行動し、気を配りながら、プロとして振る舞うことを心に決めた。




帰国後の振り返り(カンボジア2⽇⽬)

お店で話しかけた時、ちょっとした挫折を経験した。⽇本にいるときはコミュニケーションで困ることはなかったが、この⽇初めて⾃分の無⼒さを実感し、「まずはあなたとコミュニケーションが取りたいんだ」と伝えよう。と⼼に決めたことを強く覚えている。




もう⼀つ反省点として挙げている全体の利益を考えられなかったことはすごく反省している。あの⾏動は全体がコミュニケーションを取り始めて慣れてきた頃にやるべきだったかなとも思う。だけど、あの⼦達との時間はその時だけなので話しかけて仲良くなれたことはよかったことであるが、程度を考えないとなと思うきっかけとなった。カンボジアでうまくコミュニケーションが取れるかなと不安に思っていた2⽇⽬だったのであの⼦達のおかげで⾃信を取り戻た。すごく感謝している。街並みを⾒る中で気づきが多かった。




⽂化的なことや地理的なこと、世界史についてもっと勉強しないとなと思った。


武⽥エッセイ(カンボジア3⽇⽬)

カンボジア 3 日目は、朝 5 時に目覚めた。早起きしたことで、一日が始まる前から青い制服を着て、「いよいよ先生として授業をするのか」と、ドキドキと覚悟が交錯する気持ちになった。準備をしていた時、歯ブラシを取り出したら、歯ブラシの様子がおかしい。舌磨き用かと一瞬勘違いしてしまったが、単にブラシが欠けていたことに気づいて、笑った。



5 時半にロビーに降りると、クルー全員がまだ寝ていた。彼らは 6 時にアラームが鳴ってようやく起きたようだった。この日は湿気があり、朝から暑さが感じられた。
学校に到着すると、子どもたちが朝から掃除をしている姿が目に入った。校長らしき女性が満面の笑みで出迎えてくれ、昨年 2 月の時とは違い、今回は歓迎されていることを強く感じた。
昨年は、「この人たちは何をしに来たのだろう?」というような視線を感じたというが、今回は違った。




その後、書道の授業に入った。渡部先生が画用紙を使って絵を描きながら授業を進めるのは、とても分かりやすく、裏にはカンペが書かれていた。子どもたちと接してみると、ジェスチャーで案外通じるものがあり、彼らが「ウェルカム!」と歓迎してくれているのが伝わってきた。 



授業ではスマイルやニコちゃんマークを紙に描き、来週は自分の名前を書く予定で進行した。
朝食は豚肉がのったご飯で、クメール語で「豚肉ご飯」と言うことが分かり、そのまんまだなと笑ってしまった。





朝の休み時間には、ちえちゃんからもらった縄跳びを使って子どもたちと遊んだ。大縄跳びが大人気で、二重跳びをすると、子どもたちが「ブラボー!」と歓声を上げてくれた。次の授業は9:35 から始まるが、特に緊張はなく、「なんとかなる」と前向きな気持ちで臨んだ。手には各指の名前を書いて準備を整えた。




校長室にお邪魔し、通訳の方と英語の確認を行った。校長室には赤ちゃんもいて、クメール語が飛び交う中で、異国の地でありながらも心地よい空気を感じた。




リコーダーの授業では、いくつか課題が浮き彫りになった。音が綺麗に出ない子、指がずれてしまう子など、全員が同じように進むわけではなく、どうサポートするかを考える必要があった。また、机の配置や生徒との距離感、メインとサブの連携など、授業の進め方を工夫することが大切だと感じた。次回は、机の配置を工夫し、生徒全員が一緒に取り組みやすい環境を作りたい。




昼休みには、子どもたちとさらに交流を深めた。パントマイムが大好評で、子どもたちが周りに集まり、空手のパフォーマンスで盛り上がった。子どもたちは次に何が起こるのか期待しているようで、こちらもそれに応えようと、もっと引き出しを増やしたいと感じた。




午後の授業では、翻訳なしではなかなかうまく進めらなかった。ずっと穏やかでいられていない自分に遭遇し、自分のキャパシティの少なさを感じた。もっとリラックスして、何を言っても受け入れてくれると安心感を持たせるような人になりたいと強く思った。



夜は、JOCV カンボジア隊員やマラウイでの経験を持つ保健師の元隊員、国際協力の博士号を持つ大学教員、JICA の職員である服部さんと夕食を共にした。この場で聞いたマラウイでの話が特に印象的だった。




マラウイはアフリカの中でも最も貧しい国の一つで、水も電気もない生活が当たり前の過酷な
環境だという話だった。ザンビアや他のアフリカ諸国から来た人々でさえ、その貧しさに驚くほどで、そこに住んでいるだけで日々が挑戦だという。しかし、そこに派遣された隊員たちは、皆、口を揃えて「行って良かった」と言うという。マラウイにいることで感じる達成感や、日常生活を乗り越えること自体が貢献だと実感できるのだ。



特に、澤山先生が語ったエピソードには感動した。彼がブータンで卓球の隊員として活動していた時、卓球台がなく、自分が特に大きな成果を上げたとは思っていなかった。しかし、20 年後にブータンを再訪した際、現地の大学教授から感謝の言葉を受けた。「君は卓球ボールが潰れていても捨てずに再利用していた。それがブータンでの卓球文化の発展に繋がった」と言われたのだ。その言葉に、国際協力の活動はすぐに目に見える成果が出なくても、長い時間をかけて影響を与えることがあるのだと教えられた。 


マラウイに派遣された JICA の職員も、「マラウイで生きること自体がクリアだ」と言っており、その過酷な環境の中で、派遣された隊員たちが「マラウイに行って良かった!」と感じる理由にますます興味が湧いた。私自身も、体験してみてそれを自分の糧にしたいという強い思いが芽生えた。今日のこの経験だけでも、カンボジアに来て本当に良かったと思う。

寝る前の 22:12、夕食会での話の余韻に浸りながら、扇風機もエアコンもない部屋のベッドに横になり、今日一日を振り返っている。トイレが流れないので、明日ホテルの人に伝えようと思う。



帰国後の振り返り(カンボジア3⽇⽬)

この⽇初授業をする⽇であったため、⾃分の気持ちがよくエッセイに現れている。
「なんとかなる」と前向きな気持ちで臨んだ。手には各指の名前を書いて準備を整えた。これがいいように働いた。こう思えたことも研修できちんと準備を重ねたからで思えたことである。⼿に各指を書くのは全体としても共有され、活⽤する学⽣が多かった。良かった。昼休みには、子どもたちとさらに交流を深めた。パントマイムが大好評で、子どもたちが周りに集まり、空手のパフォーマンスで盛り上がった。子どもたちは次に何が起こるのか期待しているようで、こちらもそれに応えようと、もっと引き出しを増やしたいと感じた。


ここが帰国後、最もやりたいと思ったことである。もっと引き出しがあれば、もっと楽しませられたのに、と引き出しを増やすことで芸は⾝を助けるんだなと感じた。



この⽇は、JICA 関係者とお話しできたことが何よりも⾃分の学びになった。お話をしてみて、聞いてみて やはり私は国際協⼒や JICA の活動にすごくワクワクするなと⾃分の感情を再認識できた。⾃分がやりたいと思っていることをやれるときに、挑戦しようとこの⽇強く思えた。
この⽇から環境に適応できてきたと感じた。1 ⽇の流れや街の様⼦がある程度分かったからであろう。


武⽥エッセイ(カンボジア 4 ⽇⽬)

今日の授業は 7 時からスタート。めちゃくちゃ早い時間だったが、気合を入れて臨んだ。幸いなことに、昨日壊れていたトイレは無事に直ったので、朝の準備も順調だった。


授業が始まってみると、今日はなかなかリコーダーを吹くのが厳しい子どもたちに直面した。
特にリコーダーの授業では、子どもたちにとってまだ難しい部分が多く、歌ってから吹くと少し効果があったが、タンバリンが思った以上に有効だった。肘をついてしまう子や、穴をしっかり押さえられない子が多かったので、「OK?」と確認することで、しっかり理解しているか確認することができたが、このままではやばいという危機感も抱いた。


続いて書道の授業を行った。日本の書道セットを持ち込み、半紙にニコちゃんマークを書いていくと、子どもたちは新しいことにワクワクしている様子だった。特に、カンボジアの 6 年生は日本の 6 年生と違い、思春期な感じがなく、とてもノリが良い。自己紹介で「チョムリアップスオー、クニョムチュモ タケ、タケノコニョキニョキ」と言ったら大ウケし、自己紹介も大成功だった。 


休憩時間には、商店街から少し離れたところへ行ってみた。そこで見たのは、生活感がよくわかる風景だった。一見貧しそうに見えるが、話しかけてみると本当に素敵な笑顔で挨拶してくれる人々ばかりだった。その笑顔は「ニコ」を通り越して、まるで「キラーン」と効果音がつきそうなほどだった。物質的な豊かさではなく、心の豊かさをすごく感じた。



休み時間には、大きな梨のような果物を買って食べた。中身はオレンジやグレープフルーツに似ており、岩塩をつけると塩味と酸味が絶妙で、熱中症対策にもぴったりだった。
部屋に戻ると、床がびしょびしょになっていた。窓を開けっぱなしにしていたせいだった。



チーム全体に対して「どの達成目標を目指しているんですか?楽しむことですか?観光に来たんですか?」と厳しい指摘を受けた。死ぬほど悔しい、涙出るほど悔しい。何度も子どもたちにリコーダーを通じて達成感や喜びを味わわせたいという思いを共有し、研修を重ねてきたからこそ、悔しい。悔しい気持ちを抱えながらそのままいても立ってもいられず、コピー用紙を確保しに行った。


英語で店員に尋ねると、「ここにあります」と案内してもらえ、さらに 2 枚のコピー用紙を無料で提供してもらえたが、他の商品を買うことでお礼を伝えた。 


今のままではリコーダーの授業が終わっても子どもたちが達成感を感じられないかもしれない。でも、まだやれることはたくさんある。ほのかが「大丈夫ですか?手伝いますよ」と言ってくれた時、涙が出そうになった。


また、一回生の子たちが服装について注意を受けた時、4 回生としてもっときちんと注意すべきだったと反省した。自分が 4 回生として求められていた役割でもあったなと反省。注意を促さなければ、日本人全体の印象が悪くなる可能性があった。夜ご飯のお店では、通訳の方から、子どもたちが「空手が楽しかったからまたやってほしい」と言ってくれたと聞き、嬉しい気持ちでいっぱいになった。さらには「たけのこニョキニョキ」の自己紹介も子どもたちの間で話題になっているようだった。

私たちの目標
私たちはチーム全員で、「授業を通して、子どもたちが自分の成長を実感でき、最初は難しいと思っていたことを達成できるようにする」という目標を立てた。リコーダーを嫌いにさせたくないという意見も出たが、私たちは厳しい指導ではなく、子どもたちが成功したいという目標を持ち、それに向かって一緒に努力する姿勢を見せることが重要だと考えた。
具体的な計画としては、指の押さえ方のプリントを配布し、休み時間を使って子どもたちと一緒に練習することを目指している。校長先生や担任の先生、渡部先生にも協力をお願いし、
子どもたちが日本人と一緒に頑張ったという「過程」を残せるように全力を尽くしたい。


今日の夜 2 時までかけて、指の押さえ方のプリント作りを無事に完了させた。ほのかが水やライトを用意してくれ、最後まで手伝ってくれたことが本当にありがたかった
悔しさはあるけれど、一つ目の過程を達成。明日、校長先生を説得して、休み時間にリコーダ
ーの練習ができるようにお願いしてみようと思う。
タンバリンを使って笑い合った時間、意見が分かれながらも模索しながら進めた会議のこの時間が、本当に青春だった。



帰国後の振り返り(カンボジア4⽇⽬)

この⽇は⾃分にとってもこのチームにとっても⼀番成⻑できた⽇なのではないかなと思う。 死ぬほど悔しい思いをしたあの⽇。 そこで腐らずに何とかしようともがいた姿勢は、良かった。 また、この⽇ 4 回⽣としての役割を果たせなかったことに強く、反省したことも覚えている。


この⽇はいろんな感情が出てきた。 リコーダーが全然吹けてなくて、焦る気持ちや 死ぬほど悔しい気持ち、優しさに触れて感動する気持ち、 みんなと場を共有して笑い合った⼼が満たされるような気持ち。 ⾃分の⾄らなさに気づくこともできたけど、 困難に直⾯したときに、それを解決しようとあれこれ考えるのが⾯⽩くて、 ⾃分のストレス発散⽅法はストレスと思っていること、例えば現地の⼦供たちになかなかリコーダーが上⼿に吹けない状況にあることや、⾃分たちの思いが伝わらずに観光できたんですかと⾔われた状況において、 ⾃分の性格として、そのままそれを受け取るのではなくて、それをどう改善していこう、どのように乗り越えようと考える癖がついているなとこの⽇気づいた。だから楽しかった。



武⽥エッセイ(カンボジア5⽇⽬)

今日は朝から渡部先生からのお返事をいただき、気持ちが伝わったことに大きな喜びを感じた。先生は私たちが夜遅くまで頑張っていることに感謝してくださり、私たちの振り返りや目標設定についても全面的にサポートすると約束してくれた。「無理はしすぎず、カンボジアの子どもたちと過ごす時間を大切にしてほしい」という言葉が特に心に残った。




先生の応援のおかげで、気持ちを新たに一日をスタートさせた。今日は、コピーの作業も成功し、指の押さえ方のプリントを子どもたちに無事に配布することができた。校長先生や担任の先生の許可も得て、私から英語ができる子に通訳を頼み、さらに通訳さんがそれをクメール語に翻訳してくれた。その結果、子どもたちにしっかりと伝わり、休み時間には、できる子と取り出しの子に分かれて練習することができた。 




5 年生以外の学年では、私が 1 年生から 6 年生の子どもたちと遊んだ。ラララライや空手を披露し、1.2.3 ダーで盛り上がり、楽しませることができた。幼稚園にも行き、手をかざして顔を変えたり、おばけになって追いかけたりする遊びも大ウケで、子どもたちは徐々に笑顔を見せてくれるようになった。最初は戸惑っていた子どもたちも、最後にはすっかり打ち解け、楽しんでくれた。 



ゲストハウスで少し休憩し、体力を回復させながら、午後も引き続き頑張るつもりだ。疲れが少しずつ溜まってきたが、まだ残り半分の期間があるので、しっかり昼食を食べて午後に備えた。



授業は 9:35 から 10:15 まで行われ、リコーダーマスターズの確認やパートごとのチェックを行った。説明が終わったら 9:55 に移動し、リハーサルでは 3 回通して演奏し、私たちの立ち位置も確認した。授業後には、4 人で賞状を渡すことになっている。



そんな中で秋本さんからメッセージが届いた
秋本さんからのメッセージ
今日は体力的に少し厳しい日だったが、秋元さんからのメッセージが励みになった。「カンボジア楽しんでるかな?」「無理せずに協力して頑張ってね」という温かい言葉をもらい、改めてたくさんの方の支えがあることを実感した。このメッセージを受けて、少しでも焦りや悩みを抱え込まずに、協力しながら進めていくことの大切さを再認識した。 


明日に備えて早めに休むことにした。明日はまた新たな気持ちで頑張ろうと思う。 

帰国後の振り返り(カンボジア5⽇⽬)

この⽇は、⽂量の少なさからも、なかなか疲れが溜まってきているのもわかる。 渡部先⽣に 1 つ思いを伝えることができて、そこから渡部先⽣の動きも変わったように感じた。 全⼒でサポートしようと動いてくださった。(もちろん、これまでとんでもなく動いてくださっていたが) 思いが伝わったのかなと実感できた。


休み時間は、リコーダーを教える組と 5 年⽣以外を楽しませる⼈に分かれた。休み時間に教えると⾔うアイデアの⾔い出しっぺだったため、5 年⽣以外を楽しませる側に移ったことに関して申し訳なさ思ったが、 5 年⽣以外の 1 年⽣から 6 年⽣の⼦たちが広場に出てきて、今⽇は何が始まるのかなとワクワクした顔で⾛って⾶び出してきた様⼦を⾒て楽しませずにはいられなかった。教室でリコーダーを教えてくれたみんなに⼼から感謝したい。秋本さんからのメッセージが来た。 改めてたくさんの⼈に⽀えてもらって、今いるんだなと実感できた⽇だった。 この⽇はなかなか疲れが溜まっていたが、このメッセージを⾒てもう⼀度頑張ろうと思えた。



武⽥エッセイ(カンボジア6⽇⽬)

今日は体育の授業から始まった。【ウォーミングアップ】として、体操を行い、手を繋いで一緒に立ち上がる運動をした。【スキップ】では、横で見本を見せながら、タンバリンで飛ぶリズムを合わせてあげた。【長縄】では、飛ぶタイミングで「ゴー!」や「ジャンプ!」と声をかけ、風船遊びでは 8 人 1 組で円になり、手を繋いで風船を落とさないようにするというゲームを行った。子どもたちは楽しみながら体を動かしていた。


渡部先生からもアドバイスをいただいた。「空手を通じて楽しませたことや、異文化でも受け入れられた経験、三三七拍子のリズムを空手で教えたことなどを面接で伝えるといい」とのことだった。
体育の前半は、子どもたちの反応も良く、いい感じに進んだ。授業の合間に髪を切ってきた。
とても丁寧に対応してくれ、髭剃りと髪を切るサービスでわずか 300 円。髪型もポルトガルのサッカー選手みたいにしてくれて大満足だった。


この地域では、地域全体で子どもたちを守り、育てているのがよくわかる。みんなが笑顔で迎えてくれ、その笑顔は本当に素敵だった。日本では各家庭ごとに線が引かれていて、地域の関わりが薄くなっていることから、虐待や不登校といった問題が生まれているのかもしれないと感じた。地域全体で子どもたちを見守り、支えていくことができれば、もっと良い社会になるのではないかと思った。



式典とリコーダー発表
午後の式典は、カンボジアの方たちが主催してくれた。私たちは日本でいう PTA が座るような場所に座らせてもらい、厳格な雰囲気の中で進行した。校長先生の挨拶に続き、ひろみ先生のスピーチがあり、いよいよ子どもたちのリコーダー発表が始まった。リコーダーを並んでから渡したため少しバタバタしたが、前半のグループは見事に揃っていて、涙が出そうになるほど感動した。後半のグループは少し早く演奏が進んでしまったが、最後まで吹き切ることができた。 




続いて、カンボジアの歌とリコーダーの発表があり、日本からは「ありがとう」の歌を披露した。
最後に校長先生から布のスカーフのようなものをいただき、心温まる式典となった。 



その後の大宴会
式典の後、学校で大宴会が開かれた。爆音の音楽に合わせて、3 時間もの間踊り続けた。みんなで協調しながら踊りを分かち合い、楽しい時間を過ごすことができた。個々の技を披露するというよりも、全員で楽しみながら踊る雰囲気が印象的だった。 




カンボジアの街を見ている時に、教授に教えていただいたことがある。中国はカンボジアに多くの支援をしているが、その支援が本当にカンボジアのためになっているのかを考えなければならないという。中国は大金をかけて街を整備し、作業には中国人を雇っている。その結果、カンボジアが自力で持続可能な発展を遂げるための力を養うことができていない。日本の JICA のように、現地に入って直接関わり、研修を通じて「釣り方を教える」支援が重要だと感じた。 



JICA の青年海外協力隊に参加できるチャンスが来たからには、絶対にやりたい。現地の人々と一緒に活動し、彼らの自立を支援する活動に携わりたい。そのために大学生活の 4 年間で多くの教育現場で自己研鑽を積んできた。帰国後は小学校の教員として、カンボジアでの経験や学びを子どもたちに伝えていきたい。国際協力の活動に強い意志を持っている新卒の今こそ挑戦したいと感じている。


帰国後の振り返り(カンボジア6⽇⽬)

最終⽇は、⼦どもたちが上⼿にふけるように願うことと段取りを確認したりするので、ちょっと慌てていた。 リコーダーをもともと持たせた状態で発表させたらよかったなとかありがとうの歌を歌った時に⾳楽のもたつきがあったのをどうにかできたかなと思う部分もあったけど、トータルして無事に終えることができて、この⽇はすごく⼼が満たされていた。クラチェの⼈の優しさや、カンボジアの⽂化に 触れて、明⽇戻るのかと寂しい気持ちでいた。 7 ⽇⽬はやり切った感でぼーっとしていた。 バスの中で歌を歌ったこと、すごく思い出に残っている。


実習を経て学びたいと思ったこととして
⼿話、英語、世界史、楽しませる引き出しを増やすことである


この実習を通してカンボジアの子どもたちや文化、街並みや歴史に触れ、カンボジアについて、また日本について考える機会になった。国際協力への気持ちがさらに高まったことにも気づくことができた。また自分自身の強みと弱みを再認識することができ、これからの自分の課題を把握することができた。JICA海外協力隊として開発途上国で小学校教育をするという一つ目の夢に向かって進んでいきたい。





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