プロ野球、契約内容の問題から見た今後の展開。
代理人として著名な、団野村さんの記事は興味深かったね。
これについては、記事でも書いてある通りスチュワートの契約によって少しずつではあっても矛盾点が認知されていくと思いマス。
まず、この契約が余り取り上げられないのって
① マスコミと球団の関係で、マスコミ側が一定の”忖度”してる可能性
② スチュワートが”外国人”で、だから日本人と契約内容が違っても当たり前と思い込んでいる点
③ 助っ人と外国人選手の概念が段々と乖離し始めているトコにフォーカスしない
点があるからじゃないかと。
まず、①は恐らくホークスの資金力や実績、ブランドを考慮したら余り注目度の高くない記事をリスク冒してまで書こうと思わないんじゃないかと。注目度が高い領域なら、批判的であっても(同業他社も追随してくれるだろうし)記事に取り上げると思いますしね。
②について実は
長期雇用を前提とした、初めての海外からのプロスペクト(有望株)契約
なんですよね。何が違うかというと
1 これまではポテンシャルはあるが、無名に近い選手を育成契約
2 育成実績ができたことで、現地でも応募者というパイが増えてきた
3 競争率が上がったことで、選手の原石としての質も向上
という流れの中で
ついにアメリカでも評価の高い選手すら来ることになった
点だと考えています。
これは推測ですが、代理人のスコット・ボラスさんはこう考えたんでしょう。
MLBと巨額の契約するのはイイが、契約後はマイナーという環境の悪い場所からスタートさせられる
プロスペクトとして契約したのなら、それにふさわしい”待遇”であるべきだ
クライアントの代理人として、こういう非合理は看過できない
一方、ホークスの環境はプロスペクトに対して”ふさわしい”用意がある
だったらそこで実績を作らせて、今までと違う”実例”を作ろう
とまあ、こんな感じで計算したんじゃないかと。
ボラスさんにしてみれば、MLBがスチュワート本人の故障歴など、リスクを感じてボラスさんが要求する契約内容を提示しなかったから、
あの時あんたらがしなかったからこうなったのだぞ
という実例を作りたいんだと思う。そうなれば、それをテコに改善要求ができる。市場規模が小さいNPBにやれて、なぜMLBにやれないんだ、と。マイナーのハードさを避けて4AともいわれるNPBで結果を出してしまえば、ワザワザ数年マイナーリーグのきつい生活をしなくても済む。こういう思惑の中へついに、NPBも巻き込まれつつあるのでしょう。
そう考えると、明らかにスチュワートは助っ人と呼ばれる即戦力の外国人選手では全くない。
助っ人=外国人選手
という公式がほぼ、破綻していると言えます。
ホークスにしても、この契約に乗ったのは
長期契約で縛れる
開花して、最盛期まで契約上使える
孫さんの世界戦略の一環
という事が背景にあるのでしょう。
こういう国際化がジョジョに進行していく過程で団野村さんの言う
ダブルスタンダードに対する問題提起
というのは非常に大事だと思う。たまたま得意分野の契約内容を中心になっていただけで、NPBの問題ってホント、山積みだから。
ダブスタなのはポスティングやドラフトでもそう。国際化する過程でドラフト対象になる選手に関しても、今後野球留学が
出身地→強豪校(ただし国内)
から、
出身地→海外も含めた野球留学先
に変わっていくと思う。そのタイミングがどのあたりなのか?に関しては素人なのでプロの皆さんに任せますが。(笑)
そうなると、海外で実績を積んだ日本国籍の選手をドラフトでかけるのかどうか?という点がクローズアップされていくと思う。最初はレア・ケースとして処理するんでしょうけど、抜け道的に青田買いみたいなことが始まれば、目立ちすぎて看過できなくなる。そうなった時にまで、対策をとらないんでしょうね、これまでみても後追いだし。
でもそれを座視していたら野球ファンとしては困るので、あえて案を出しておくと
1 MLBと協約を結び、双方のドラフト対象者において意思表示をしてもらう(NPB、MLBどちらを優先し、行く意思があるかどうか)
2 それを経なかった場合は、NPB・MLB(二軍以下・マイナー含む)の年数(5年程度)を超えればドラフトを経ずに移籍ができるようにする
3 協定を結んだ範囲外の地域に関しては個別対応(台湾や韓国と個別に協定を今後結ぶのが望ましい)
4 ポスティングをやめて、日米のトレード条項を確立する
こんな感じかと。とにかく今回は契約に関して中心に書きましたが、いち野球ファンとしては問題がとにかく多いからすごく心配なんですよね…。