素晴らしきゲーム音楽の世界[32]真・女神転生 if…
今回は1994年にスーパーファミコンで発売された『真・女神転生 if…』のゲーム音楽についてお話します。
本作は『真・女神転生』『真・女神転生Ⅱ』に続く3作目にして番外編的な位置づけ。東京のような広い舞台ではなく、ひとつの高校がメインに物語が進みます。広々とした2Dマップはなくなり、3Dマップのみの構成。
七つの大罪を体現する魔界に移動してボスを倒すのが大まかな流れ。ストーリーはそれぞれのエリアでまとまっているため、分かりやすいです。
交渉で悪魔を仲間にしたり、合体させてより強い悪魔にするなど、基本的なゲームシステムは従来とほぼ変わりません。主人公は男女の選択が可能で、人間の仲間も数人から選べます。ここが物語の分岐点。
スケールが縮小したようにも感じますが戦略性は深くなっており、個人的に難易度も高い作品ですね。特に「ガーディアンシステム」は難易度上昇のいち要因としてあげられます。
人間である主人公とパートナーにはガーディアン(守護霊のような存在)が憑依します。ガーディアンによって戦闘力や使える魔法が異なるので、有用な存在をつけたいのですが……その調節が難しい。
憑依するガーディアンは戦闘とともに蓄積するポイントによって決まるのですが、戦闘不能になるとポイントがゼロに。何度も戦闘不能になると弱小ガーディアンと一緒に旅する羽目になり、戦いが難しくなります。
通常戦闘でも気を抜けば一撃でやられるので、シビアですね。
クセの強い作品なのでシリーズの入り口としては不向きですが、1作目や2作目が好きな方であれば、上級者向けとして楽しめる作品だと思います。
作中のBGMは前作、前々作から引き継ぎやアレンジが中心。本作のサントラがあれば、過去作のサントラが手に入らなくても満足できちゃうところが嬉しくもあります。
安全な校内ですら不穏なBGMですから、どこ行っても襲われそうな今日ばっかりです。セーブポイントの曲ですら呪われそうな怖さ。明るいのは魔界のカジノくらいですよ。高校生が利用できるのはどうかと思いますが。
曲タイトルは前作と前々作で使われた場面がそのまま名前になっています。ここは本作に関するタイトル名にしてほしかったな……。
お気に入りの曲は『3D:センター<真・女神転生Ⅱ>』ですね。本作中では嫉妬界のBGMとして使用。ここはパートナーが離脱した状態で攻略するので難しかった思い出があります。
YouTube-真・女神転生if... プレイ映像 より
サントラにはオリジナル版と、プレイステーションに移植されたときのアレンジ版の両方が収録されています。曲自体は後者の方が綺麗ですが、それでもスーパーファミコンの原曲に心を動かされてしまいます。
本作はスーパーファミコンでプレイしたのですが、大人になってWiiのバーチャルコンソールでも購入しました。なんならシリーズ全部買いました。昔プレイして、ソフトも持っているのに。
スーファミを引っ張り出さなくてもプレイできる、カセットを抜き差しする必要もない、置き場所を取らない、データが消える心配もない、画質も音も綺麗、いつでも中断できる……買うしかないでしょ?
過去のゲームがWii(現在はWii U)でしか遊べないのなら、この先もずっと手元に置いておきたいハードです。名作がいつでも快適に遊べるように。