痩せ薬革命:製薬業界が切り拓く次世代の肥満治療

Nature 638, 591-592 (2025)
画期的な痩せ薬の需要が急拡大する中、製薬会社は、薬の効果をさらに向上させるだけでなく、体重減少以外にもさまざまな健康効果をもたらす新薬の開発に力を入れています。

カナダ・トロント大学の内分泌学者であるダニエル・ドリュッカー氏は、「今年も毎週のように本当にすごいことが起こる年になるでしょう」と語り、この分野の急速な進展に期待を寄せています。

これまでに登場したオゼンピックやウィーゴビーといった薬は、体重減少を促すだけでなく、血糖値をコントロールする効果も示し、特に糖尿病治療の分野で注目を集めてきました。これらの薬は、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬であるセマグルチドを有効成分としており、GLP-1というホルモンの働きを模倣することで、血糖値や食欲の調節を助けます。

https://www.eastcl.com/medical-diet/glp1/


しかしながら、このような薬は高額である上に、週に一度の注射を継続的に行う必要があるという課題も抱えています。加えて、服用を中止すると体重が元に戻ってしまうリバウンドの問題もあり、これらの課題を解決するために製薬会社は新たな治療法の開発を進めています。


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