【自家製サッカー概論】88 アジアカップを終えて。「耐える」ってどういうことだろう
アジアカップ終わりました。
本当は終わってないけど、日本が負けたら“終わり”って感じだよね。
総括したいけど、やめときます。
アジアカップ5試合中、地上波中継は2試合のみ。
5試合全てを扱ったメディアが総括してください。
と、いう訳で、こちらはイラン戦のみの感想です。
本当は大会が終わって、全試合通じて「今回の日本って○○って感じだったよね」といった感想合戦が出来ればいいなと思う。
誰かが深掘りするのもいいけど、3人くらいパネラーを並べて「今大会の日本を一言で表現すると?」みたいな問いに、パネラーがそれぞれフリップを出す、みたいな。
パネラーも選手、監督といったバラエティ豊かな感じにする訳です。
例えば、司会は平畠啓史(ドンドコドン)さん。パネラーは中村俊輔(元日本代表・選手目線として)さん、岡田武史(元代表監督)さん、勝村政信さん(俳優/サッカー通)みたいな感じ。
立場の違う3人に「今大会の日本代表の戦いぶり」を一言で表現してもらって、その意図を問う、って内容です。
深掘りよりも、沢山の視点を持った方が「意外な発見」がある様な気がするのです。
なるべくバラエティっぽくライトな感覚で。でも、話している人の言葉は説得力がある…、そんな感じです。
閑話休題。イラン戦に戻りましょう。
後半、まあロングボールに手を焼きました。それは多くの人が感じたでしょう。
中継では内田篤人さんが「ここ耐えろ」と何度も言っていた。
こちらもそう思った。
だがそこで“ハッ”と思った。
(「耐える」って具体的にどういうことなんだろう?)
A.空中戦含め1対1で粘り強く対応すること
(空中戦では相手に体を寄せて自由にヘディングさせないとか)
B.守備人数を増やして対応すること
「AもBも両方だろ!」と言うなら、それでもいいだろう。
例えば後半、左サイドから大きく振られ、右サイドで毎熊晟矢選手がヘディングで競る場面があった。
その時、毎熊選手のさらに外にイラン選手がいた。
1対2だったのである。
なぜそこに日本選手がいないのか?
「耐える」が「守備人数」も含まれるのなら、「耐えていない」ことになる。
先ほどの毎熊選手一人で対応できない場面。どう対応するか。
一つは、堂安律選手が戻って対応。もう一つは、板倉滉選手がサイドに開き対応し、中央のスペースは遠藤航選手が埋める手段がある。
(その場合、久保建英選手(交代後・南野拓実選手)が戻る必要がある)
何が言いたいか。
やり方は色々あるだろうが、「耐える」というなら、『守備人数を増やして』守備をしたらいいのではないかということである。
いわゆる「守備ブロック」でもいい。
放り込まれても、「先ずは跳ね返す」ことに重点を置く。
そういう割り切りである。
形勢不利で耐えなければならない。そうなれば、全員とまではいかなくても、多くの人数を割いて守備をするべきだと思う。
言い換えれば「ゴール前を固める守備」に切り替えるのである。
「そんなことすれば、相手に押し込まれるだろう!」
そう言われるかも知れない。だが、相手が血気盛んで押し込まれるなら、粘り強く守備をするべきだと思う。
それが「耐える」ことだと思う。
不思議なのは、日本代表はこうした「耐える守備」が得意ではないことだ。
Jリーグでも、割り切って「耐える守備」に主眼を置くチームや、時間帯によって割り切って「耐える守備」をするチームを普通に見るのに、代表ではそれが苦手なのである。
海外サッカーを観ると、先制した大概のチームが余裕を持って守備をする。
だが、日本代表は違う。
日本が先制する。負けているチームがリスク覚悟の前係りで来る。プレッシングも強度を増し、「ボールのある所に重心を置いた守備」を仕掛けてくる。
そうなった時に、日本は途端に弱気になる。
リードしているのに弱気になる。
日本には、この悪癖がある様な気がする。
話を戻す。
イラン戦の後半。苦しいと思った時。両サイドハーフを戻し、しっかりと守備ブロックを敷く。それで相手のロングボールを跳ね返す守備に重点を置く。
攻撃の切り替えが上手くいかなくても、割り切って守備をするのである。
こちらの経験則だが、何分か粘っていれば、相手のミスでこちらにチャンスが転がってくるものである。
その時に決められるかどうかは別にして、潮目が変わることもある。
そこまで「粘る」「耐える」のである。
“良い守備から良い攻撃”という時に、その「良い守備」は「ショートカウンター狙いの守備」とは限らないのである。
守備ブロックを築き、相手のボールがブロック内に入ってから、それを回収し攻撃に移るというのもある。
その時に、相手のサイドバックが上がっていれば効果的なカウンターになる。
こうした戦い方もあるのだが、今の日本代表はこういうことができない。
戦い方の幅が狭く、上手くいかないと不安に陥り、弱気になる。
これが今の日本代表の弱点の様な気がする。
逆に、相手を押し込み相手の背後を取れれば“押せ押せ”で得点を重ねる。
つまり、“強みが出れば強いくせに、相手の強みが出ると弱気になる”
これがイラン戦の背後にあったものの様な気がする。
さて、これがアジアカップ全体通して、日本代表に当てはまるのかどうか。
これは日本戦全戦を観た人が判断してくれればいいと思う。
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