【自家製サッカー概論】98 気持ちって、なんでしょう?
13日(土)に、16年ぶりの東京ダービーが開催された。
テレビでも中継され、何度も「気持ち」というキーワードが使われた。
選手、監督、スタッフ、そしてサポーターも、「意地と意地のぶつかり合い。負けられない一戦」に「気持ち」が昂るものがあるだろう。
そして試合が始まる。だが、始まってみると、(ん?)と思った。
どうもピリッとした感じというか、“鬼気迫る感”が薄いと感じたからだ。
例えば、「気持ちの入る」の試合というと、こちらは日韓戦なんかを思い出す。
特に韓国側のプレーが激しいのだ。悪く言えばダーティー(汚さのあるプレー)である。
日本選手が持つとファールで止めるのは当たり前で、倒した日本選手に「すぐに倒れやがって!」みたいな言葉を吐きかける。
これに日本側も激しく体を当てる様になると、一気に試合のボルテージが上がるのである。
こうしたプレーに対し、賛否はあると思う。
だが、「気持ち」の面では観ている側に十分伝わるのである。
話を戻して、東京ダービー。
東京Vの連動したディフェンスやFC東京のボールを奪って攻め立てる感じなど、見どころは多かった。
だが、肝心の「気持ちの入った」という部分では物足りなさを感じたままだった。
結局のところ、「気持ち」って何だろう?
この試合の場合、「相手がボールを持っているのが我慢ならない!」というのを期待していたんだと思う。
先の日韓戦でも、韓国側はこうした気持ちを強く感じるのである。
だから、ボールを奪いに行く時の迫力が生まれるのだと思う。
東京ダービーでは、それが薄かった感じがするのだ。
球際で、観る者が思わず昂ってしまう様な迫力が出てこないのである。
なぜそうなるのか? その要因を問われても、正直分からない。
だが、これは日本サッカーの課題でもある様には思う。
そして、今晩からU-23日本代表が、パリ五輪予選を戦う。
激戦必至の、各国まさに「気持ちの入った試合」が予想される。
そこで、日本が気持ちで負けずに戦えられるか。
ここは大きな注目点だと思う。
何としても「気持ちで負けない試合」をして、パリ五輪の切符を掴み取って欲しいと思う。