【自家製サッカー概論】59 女子サッカーの見どころとは……
日々の猛暑でございますが、体調はいかがでしょうか。
酷暑お見舞い申し上げます。
…なんて、季節ネタから入ってみた。
日本中が猛暑の中、女子ワールドカップが南半球のオーストラリア・ニュージーランドで開幕する。
NHKによる、開幕戦と日本戦の中継が決まった。
さて、視聴率はどうなるか。
あれだけ「TV中継待望論」をぶち上げたのだから、皆、観てくれるんですよね。
そこは強く言わないと。(“誰に”とは、あえて言わないのである…)
ワールドカップ直前に、なでしこジャパンは国際親善試合MS&ADカップで、パナマと対戦した。
相手のパナマも大会出場国。親善試合とはいえ手を抜くことはないだろう。
その相手になでしこは5-0の大勝。見事である。
さて、その中継で気づいたことがあった。それが、女子サッカー対する指摘につながるのではと思い、今回のテーマにしたのである。
中継は、言ってしまえば総花的だった。
メインでは、2011年のワールドカップ優勝メンバーをゲストに迎えていた。
副音声ではタレントが多数出演。クイズなどを出すバラエティに富んだものだった。
それは、少しでも視聴者の気を引こうというものなのでTV局の意図もよく分かる。
ただ、気づいたのは「出演者のコメントを拾っていても中継が成り立つ」点だった。
これがJリーグだと、少し長い話をしようものならば、ゲームの「見どころ」が現れるのである。
思い出話をしているとシュートシーンになるとか、経験話をしていると1対1の激しいぶつかり合いがあるとか。
つまり、余計な話の余地がないほど、ゲームは目まぐるしく展開されているのである。
それが、なでしこジャパンの試合では話が出来るのである。
優勝当時の思い出や、選手エピソードなどが入るのである。
それはつまり、「見どころ」がなかなか現れないということである。
シュートに限らず、ゴール前へのパス、クロス。1対1の仕掛け、1対1の激しいデュエル。
ピッチ上では、観衆を引き付ける様々な場面が、切れ間なく繰り広げられているのである。
この「見どころ」が、なでしこのサッカーでは少し寂しいのである。
これは今の、女子サッカーの致命的な弱点だと思う。
昔のJリーグで批判されてきたのが、「横パス・バックパスばかりでつまらない」というものだった。
今は、Jリーグもゴール前のシーンが増え、見どころも多くなったように思う。
だが、10年くらい前は、まだそんなサッカーだった様に思う。
ひょっとしたら、女子サッカーはJリーグの周回遅れを行っているのかも知れない。
ゴール前からゴール前へとボールが動くのに時間と手間がかかり過ぎる。
そんなサッカーをしているのだろう。
女子サッカーの発展のためには、観てくれる人に対し、「見どころ」をもっと提供するサッカーを意識しなくてはいけないと思う。
それは、言い換えれば「リスクを冒して点を獲りに行っているか」である。
ミスを恐れずボールをゴール前に送り込んでいく。点を獲りたい選手はどん欲にゴール前に飛び込んでいく。
こうした場面をどれだけ作っているのか。改めて問うべきだと思う。
この意欲・意識を植え付けてからの戦術やパス回しではないだろうか。
先ずは女子サッカーに対し、「サッカーの見どころはどこか」を問うべきだと思う。
そこから、どれだけ「見どころ」を増やしていけるかを考えていくことだろう。
この辺りの議論や意見をもっと活発に促していく必要がある様に思うが、どうだろうか。