意外に使える「恐怖指数」について
みなさま、日々恐怖と戦っておりますでしょうか?私は戦っています。本日は、投資のタイミングを図る際に重要な指標である「恐怖指数」についてご紹介します。
恐怖指数とは?
恐怖指数は VIX 指数とも呼ばれ、Volatility Index の略となります。Volatility は日本語で言うところの、ボラティリティに当たりまして、株価の変動幅みたいな意味です。Volatility が高いと言うのは、株価の変動幅が大きいという意味になり、相場が安定していない状態となります。
Volatility というのは変動幅になるので、正の意味と、負の意味があるのですが、恐怖指数は負の反面が強く、株価下落のタイミングでこの数字が上がります。感覚的には、株価が急激に上がるタイミングでは、恐怖指数はあまり上がりません。逆に下がったりします。株価下落のタイミングで上昇する指数なので、恐怖指数と呼ばれるのだと思います。
VIX 指数と日経 VI 指数
VIX 指数は S&P500 をベンチマークとするのですが、日経平均をベンチマークする指数としては日経 VI 指数があります。基本的にどちらも連動しているので、どちらかだけ見ていれば良いと思います。VIX 指数と日経 VI 指数を見るサイトとしては、下記のサイトを参考にしています。
一般的に、VIX 指数は株価指数と逆相関となるのがリンク先のチャートなどでもご覧になっていただけると思います。すなわち、株価が下がると VIX 指数が上がります。
VIX 指数の使い方
この VIX 指数について、私は緊張感のような感覚があります。VIX 指数が 10~20 ぐらいの時は、非常に快適です。30ぐらいに上がりますと、ピリッとした緊張感が走ります。40を超えると相当負荷がかかってきて、夜眠れなくなります。40 を超えてくるような局面はそう頻繁に起きるわけではなく、直近だと 2020年3月がそれに当たります。このタイミングでは 50 付近まで上がり、阿鼻叫喚でした。最大瞬間風速だと 85.47 を記録したようです。この時はまさに地獄でした。
VIX 指数は恐怖指数という名前で呼ばれることから分かるように、投資家の心理を反映しています。VIX 指数が 40 を超えてくると投資家はこぞって株を売り始めます。逆張りの投資家であれば、VIX 指数が 40 を超えたら株を買えばいいのです。
VIX 指数が 40 オーバーで株を買う難しさ
VIX 指数が 40 を超えた時に株を買えばいい。非常に簡単ですが、実際にやろうとするとそれが非常に難しいです。まず、市場が混乱しているので、冷静な判断をするのが難しいです。特に含み損が増えていくと投資家として追い詰められていくので、買うよりも売りたい衝動に駆られます。そこをグッとこらえて買いに行くのは想像よりも難しいのです。
他にも私のような逆張り投資家は、VIX 指数 30 ぐらいから買い始めます。資金が潤沢にあれば買い下がれるのですが、VIX 指数 40 を超えた辺りから資金が尽きてしまう場合があります。
「現金を貯めておいて、VIX 50 のタイミングで買いまくる」これが理想ではありますが、実際はそんな芸当は簡単にはできません。それが簡単にできれば苦労しない、非常に偏差値の高い買い方になります。
【番外編】1552 VIX 短期先物指数
VIX 指数には先物指数があります。
VIX 指数が上がると指数が上がり、下がると指数も下がるというものです。VIX 指数は株価の動きと逆相関となりますので、株価のリスクヘッジとして使える可能性もあります。しかし、かなり扱いが難しい ETF ですので、オススメはしません。直近少し上がっていますが、長期的に見ると下降トレンドなので、少しトリッキーな ETF ですね。
おわりに
いかがだったでしょうか?今回は VIX 指数(恐怖指数)について取り上げました。VIX 指数は投資家の心理状態を客観的に判断する際に、意外に使える指数だと思います。株価急落局面は、自分も心理状態が悪化するので「恐怖指数 40 なら買いでしょ」と自分を言い聞かせて買いに向かうこともできます。個人的には意外に使える指数だと思うので、投資活動の一助として下さい。