積み立て投資の意外な落とし穴、アクティブファンド vs パッシブファンド
今回は積み立て NISA などでよく使われるドルコスト平均法と銘柄選びについて考察してみます。
ドルコスト平均法について
ドルコスト平均法は一般的によく知られている仕組みなので、ここでは注力して解説は行いません。一応、三井住友銀行の解説ページリンクを貼っておきます。
要するに定期的に同じ銘柄を買い続ける方法(積み立て)で、株価が安い時には多く買えるし、株価が高い時には買う量が少なくなります。このように機械的に銘柄を購入することで、投資家の余計な判断が入り込む余地を少なくするというメリットがあります。
私のドルコスト平均法の実際
私がドルコスト平均法を初めて行ったのが 2008年です。会社で企業型確定拠出年金に入会し、あまり意識しないでドルコスト平均法を開始しました。その当時はあまり投資に対する知識が少なかったせいか、アクティブファンドを選んでしまっています。具体的には「フィデリティ・日本成長株・ファンド」というのを選んでおり、運用管理費用は 1.683% 程度です。今だったら絶対に選ばない銘柄です。実は、ドルコスト平均法は優れた投資法だと思うのですが、この銘柄選びこそが最大のポイントとなります。
投資信託の手数料を考える
世の中の投資信託にはアクティブファンドとパッシブファンドの2種類があります。アクティブファンドというのは、ファンドマネージャーが積極的(アクティブ)に銘柄選定します。人の手を介すので、一般的には手数料が高めになり、1%を超えるものも少なくありません。
一方、パッシブファンドは、指数に連動して銘柄を買い付けするので、ほとんど自動的に売買がなされます。人の手を介すプロセスが少ないので、手数料が安いという特徴があります。最近は、手数料が本当に安い銘柄も増えてきているので、0.01%の銘柄なども多くあります。
アクティブファンドとパッシブファンドを比較した場合に、手数料が100倍違うということになります。
この記事を書くに当たり、いろいろな積み立てシミュレーションを見てみたのですが、どれも手数料を考慮していないシミュレーションばかりです。実際、投資の際にシミュレーションを活用する方も多いと思うのですが、手数料までしっかり考えるのは難しい状態かもしれません。
ざっくり計算で考えます。3%利回りで30年、毎月3万円を積み立てしたとします。アクティブファンドは手数料を考慮して3%利回りから1%引いて、2%で考えてみます。
計算は金融庁のシミュレーションを使いました。
【最終資産額】
パッシブファンド(利回り3%)最終積立金額:17,482,107円
アクティブファンド(利回り2%)最終積立金額:14,781,762円
利回りが 1% 違うだけで、270万円程度の差が生まれるというシミュレーションとなりました。これは、かなり大きいですね。もちろん、同じ米国株に投資をしていると言っても、アクティブファンドとパッシブファンドは構成銘柄が違うと思うので、全く同じ結果になるわけがありません。しかし、将来の投資成績はわかりませんが、投資の手数料は必ず分かる情報であるので、手数料は安ければ安い方が良いと言って間違いないと思います。
まとめ
ドルコスト平均法は株価変動を加味しながら積み立てができるので、優れた方法
しかし、積み立てする銘柄の手数料が高い場合は、その効果が薄くなる危険があり
一般的に、アクティブファンドはパッシブファンドよりも手数料が高い傾向がある
ドルコスト平均法を用いる積み立て投資では、手数料が安いパッシブファンドがオススメ
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