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労働相談のチラシ 相談しやすいキャッチコピーに変えてみた。改善例をビフォー・アフターで紹介。
自治体がつくるチラシで「大切な事業なのに良さが伝わらず、もったいない」と思うチラシがあります。
そのひとつが労働相談のチラシ。
この記事では、相談しやすい、電話しやすい労働相談のキャッチコピーをビフォー・アフター形式で3パターン紹介します。チラシ作成時などに参考にしてください。
※私が作成したキャッチコピーを使いたい場合は、連絡をいただければ無償で提供いたします。私のプロフィールと連絡先はこちらです。
この記事でお伝えすること
![](https://assets.st-note.com/img/1685750093393-tE7GQu5I9W.png?width=1200)
【ビフォー】
典型的な労働相談のチラシ
堅い・怖い「労働相談」
都道府県の労働相談室や市町村などが作るチラシ。ほとんどがこのパターン。典型的なチラシがこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1685751114833-Zw0jCRnQfH.png)
このあとビフォー・アフターを比較するため、キャッチコピーを抜き出してみます。※山崎県は、事例を伝えるための架空の自治体名です。
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労働相談
労使間のトラブルに相談に乗ります
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サービス残業の強制や、セクハラ、パワハラ。命にも関わる長時間労働など。ひどい職場はまだまだあります。
その相談にワンストップで乗ってくれるのが都道府県などに設けられた総合労働相談コーナー。自治体によっては「労働相談室」など名前は多少の違いがあります。
働く人の体や心を守る大切な事業です。でも「労働相談」ってコトバ、正直なところ「堅い」「怖い」イメージです。もっと言えば「労働相談って、自分には関係ない」と思っている人もたくさんいます。
これに気づかされたのは、職場の問題で困っていた20代の女性に「ここに相談してみたら」と労働相談のチラシを渡したときです。返ってきた答えは「え、労働相談って労働組合が相談に行くところだと思っていた」でした。
労働運動や組合運動が低調になる中で「労働相談」というコトバ自体が、特に若い世代には知られていないのです。
そこで考えたのが次のようなキャッチコピーです。
【アフター1】
労働問題をイメージできる
キャッチコピーに変えてみた
![](https://assets.st-note.com/img/1685750396294-vMgIjyThJh.png?width=1200)
キャッチコピー事例
(事例番号00070)
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ブラック職場はもう嫌だ
公的機関が無料で相談に乗ります
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メインコピーには「ブラック職場」を使ってみました。サービス残業や、セクハラ、パワハラ、長時間労働などが横行する職場を端的にイメージさせる身近なコトバです。
その上でサブコピーでは
▼「公的機関が相談に乗ります」(怪しいところじゃない)
▼「無料で相談に乗ります」(お金もいらない)
この2つのメリットを伝えています。
なお「ブラック」というのが黒人差別につながるーという議論はあるので「ブラック職場」というコトバを使うかどうかは判断が分かれると思います。
もう少し別の呼びかけを考えてみました。次を見てください。
【アフター2】
相談に行く人の気持ちに沿った
キャッチコピーにしてみた
![](https://assets.st-note.com/img/1685750587933-XabpckUOKP.png?width=1200)
キャッチコピー事例
(事例番号00071)
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職場が本当につらい
公的機関が無料で相談に乗ります
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ブラックというコトバを使わずに、労使関係に悩む人の気持ちに添ったコトバでキャッチコピーを作ってみました。
「あ、自分のことだ」。こう思ってもらえる。
「相談したい」。そんな気持ちにつながる。
相談の電話をしてみる、きっかけになると思うのです。
次は、具体的な「つらさ」をキャッチコピーにしてみました。
【アフター3】
具体的な「つらさ」を
キャッチコピーにしてみた
![](https://assets.st-note.com/img/1685750841797-36uS1FlFCV.png?width=1200)
キャッチコピー事例
(事例番号00072)
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サービス残業がつらい
パワハラ・セクハラが嫌だ
公的機関が無料で相談に乗ります
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ひどい職場で多いであろう「つらい」状態。
サービス残業を含む長時間労働の強制。パワハラやセクハラを平気でする上司。こうした「つらさ」を抱える人なら「え、私のこと」と振り向いてくれるのではないでしょうか?
【まとめ】労働相談のキャッチコピーは
相手の「つらさ」に寄り添うコピーにしてみる
【労働相談を必要とする人に届くキャッチコピー】
●ブラック職場というコトバで自分の職場をイメージ
●「職場がつらい」相談者の気持ちに寄り添う
●「つらさ」を具体的にキャッチコピーにする
どんなコトバが、つらい人に届くのか。難しいとは思います。
ただここで言いたいことは「労働相談」というコトバでは伝わらない人、でも、そのつらい職場で苦しんでいる人を相談窓口につなぐには、どういう呼びかけなら振り向いてもらえるか考えてほしいということです。
実際には、本当につらい状況に継続して陥いると、それが当たり前になって気持ちが麻痺します。「つらさ」を感じること自体ができなくなってしまいます。
そんな状況に陥る前に「あ、自分のつらい状況を相談していいんだ」「相談に乗ってくれる先があるんだ」と伝えてほしい。
だからこそ「労働相談」しています、ではなく、もう一歩、二歩、踏み込んだ表現で「相談に乗りますよ」と呼びかけてほしい。労働相談を必要としている人に、あなたの呼びかけを届けてほしいと思います。
効果的なキャッチコピーの作り方をいっしょに考えたいと思います。私に相談いただく場合の連絡先はこちらです。
※労働相談は労使ともに相談対象ですが、今回は労働者側に絞って考えてみました。
次回(来週)は「労働相談ホットライン」のチラシ。相談が集まるキャッチコピーを考えます。
#労働相談 #ブラック職場 #サービス残業 #自治体 #チラシ #キャッチコピー #広報 #弁護団 #労働問題
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![たけなが つとむ|人が集まるキャッチコピーの作り方 講師](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/91223211/profile_e66c6f868e2c514ae59ca99355a16c6c.jpg?width=600&crop=1:1,smart)