ひとりで頑張らず、子どもたちとともに

グループ学習は・・・
子どもたちの関係性がよくなってから
学級が落ち着いてから
子どもたちがきちんと話し合うことができるようになってから
学習規律が整ってから
などなど
そう考えて、グループ学習をすることに躊躇してしまう先生も多いのではないでしょうか。
また、
グループにしてしまうと、私語が多くなってしまう
勝手に立ち歩いてしまう
各グループの様子を見取ることが困難
などなど
このような理由でグループ学習をしないと考える先生もいるでしょう。

しかし、私は、新年度が始まるとすぐにグループにします。
登校から下校までずっと机をグループのままにします。
そうすることによって、子どもたちは自然とかかわるからです。というよりは、かかわらざるを得なくなるといった方がいいかもしれません。

学級の中には、学べなさを抱えている子が少なからずいると思います。
授業に集中できなくて立ち歩いてしまう子
分からないことがあっても、その分からなさを飲み込んでしまう子
静かにはしているけれども、頭の中は他のことを考えている子
などなど
そういう子どもたちを一斉授業の中で、教師が見取り、適切な支援をすることはとても難しいことです。

だから、私は、
子どもたちの力を借ります。
グループにすることで、自分のグループの仲間の様子を伺いながら、さりげなくかかわるようにしてもらうのです。
同じグループの子がかかわってくれることで、私がかかわらなければならない子が絞られます。
また、すてきなかかわりをしてくれた子を価値づけることができますし、学べなさを抱えている子が学びに向かうことができたら、それも価値づけることができます。
子どもたちが子どもたちで共に支え合いながら学びをつくっていくのであれば、教師一人が頑張るのではなく、やはり、子どもたちが頑張っていくことが大切なのだと思います。

また、
泰山裕氏は「思考ツール×ICT」で実現する探究的な学び」で次のように述べています。
「これまでやっていたような教科内容をしっかりと理解させるような授業(①)の段階から、児童生徒が自律的に方法を選択しながら深く学ぶこと(③)を目指すためには、教科内容に加えて、そのような方法を指導する必要がある。しかし、方法を指導したり、自己調整のレベルを上げて、児童生徒に任せたりすると、当然、教師主導で指導したときよりも学習に時間がかかったり、想定ほど深まらなかったりすることがある(②)。その際に、教師が焦って答えを言ってしまったり、急に主導権を奪ったりしてしまうと、いつまで経っても児童生徒主体の自律的な探究にはつながらない。
いずれは教科等の目標に応じて児童生徒が自律的に探究する、③の姿を実現するためにも、一旦、学習内容の理解よりも方法の習得を優先する②の段階を乗り越えることが重要である。」

最初は、私語が多く、騒がしい状況になるかもしれません。でも、どんな子どもを育てたいのか、どんな学びを引き起こしたいのかを明確にし、子どもたちのかかわりの中から素敵な姿を見取り、価値づけていくことで、子どもたちの学びは変わっていきます。

参考引用文献
「思考ツール×ICT」で実現する探究的な学び 泰山 裕編著 2023 東洋館出版社
note ささやかなさりげないかかわり 村山豪
note 学びの偽装 第68回e-cala cafe 村山豪

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