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漢文の海で釣りをして【第13回】楽しむ者こそ最強

「之を知る者は、之を好む者に如かず。 之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」
≪訳≫ある物事を知っているだけの者は、それを好む者にはかなわない。しかし、それを好む者であっても、楽しむ者にはかなわない。
≪出典≫『論語』雍也篇

たとえば本を読むにしても、知識を得るための必要に迫られて「勉強」になっているひとはなかなか身に付きませんし、何よりも苦痛を伴うため長続きしません。
本を読むことが好きだというひとならば、読書自体は楽しめるかもしれませんが、興味の薄い分野の本だと、やっぱり身が入らないでしょう。
しかし、読書好きなひとが大好きな分野の本を読むならば、周りからは「勉強」に見えるような本でも時間を忘れて没頭してしまいます。

物事に当たっては、楽しめるかどうかというのは大きいのですね。
専門家も顔負けの知識や技術を身に付けているひとは往々にして、楽しみを見出だしていることが多いと思います。

それまで苦痛でしかなかった物事も、ふと楽しみを見出だしたとき、感じ方が変わります。
楽しみというモチベーションは孔子の時代から最強なのでした。

かくいう孔子自身こそ学問を楽しむ者でした。
繰り返し読み返しすぎて大好きな書物を3度も破壊したりしています。
説教臭い話が多いのも事実ですが『論語』は、そんな孔子と弟子たちの人間臭さ溢れる書物です。
並び称されることもあるブッダやキリストと比べるとはっきりいって俗っぽい書物ですが、それ故に愛され続けてきたわけです。

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