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Zildjian ALCHEM-E Perfect Tune Headphone
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先日、こちらのヘッドフォンを「ヘッドフォンの日」(2月22日)にお迎えしました。
Zildjianというメーカーですが、トルコで創業し400周年を迎えた歴史のある、シンバルのメーカーです。
ドラマーには馴染みのあるメーカーだと思います。
今はアメリカに拠点を置いてますが、国内代理店はYAMAHAが務めています。
仕様としては、ワイヤレスヘッドフォンになるので、基本はBluetooth接続(SBC、AAC)になります。
DSP(デジタル・サウンド・プロセッサー)を搭載しているので、EQによる音質調整は他社製同様に行えます。
専用のZildjianアプリでは、聴覚測定機能が備わっていて、これが“Perfect Tune“という名前になります。
ガイドに従って、この聴覚測定を行うと左右それぞれに自動で音質設定がなされます。
デフォルトではかなり中低域が強めな音なので、曲によっては強すぎる場合があると思いますが、聴覚測定後はかなり聴きやすくチューニングしてくれます。
これに、EQを重ねる事が可能なので、かなり好みの音に近づけることができるようになっています。
コーデックに関しては高音質なLDACやaptXAdaptiveに非対応ですが、音質設定のデータがそれなりに帯域を占める気がするので、2.4GHz帯のBluetooth規格では無理だったのかもしれませんね。
基本的に高音質と音質のカスタマイズの豊富さはトレードオフなところがあります。
その他に、ANC(ノイズキャンセリング)も搭載し、肉厚なイヤーパッドと相まって遮音性はかなり高いです。
外音取込みのモードは非搭載ですが、ANCの“ハーフ“というモードで代用はできます。
あとは単純にオフもあるので、ANCは3段階に調整できます。
Bluetooth製品にありがちなバッテリーが切れた時は3.5mmオーディオケーブルが付属するので、アナログ接続でプレイヤーなどに繋いで聴くことはできます。
ただし、この場合はDSPを通さないので、先ほどの音質設定は反映されないようです。
単に解像感が高かったり、重低音が凄かったりといった要素ではなく、楽器メーカーらしく、音楽を楽しく聴くためのエッセンスが詰まっている機種だと思います。
音の傾向は珍しい、濃くて重い音が楽しめるので、ドラムのアタック感やシンバルの生音感を感じながらロックやメタルサウンドを流すのに向いています。
逆に中高域メインのヴォーカルライン重視だったりすると、他の製品が適合する気がします。
デザインもハウジングがシンバルを感じさせるもので、カラーも“ブラック×ゴールド“ととても映えるものがあります。(カラーは3種類)
操作性も高く、右側のハウジング部分に備わる、ダイヤルでほとんどの事ができてしまいます。(音量調整、再生、曲送り&戻し)
タッチセンサーで操作を行うものも多いですが、誤操作も起きやすいので、直感的に操作が行える仕様はありがたいです。
すごく個性的な製品ですが、市場に溢れる数多な製品よりも刺さるものが感じられる人にはうってつけの製品だと思います。
重量感はそれなりにありますがね。
付属のケースもフルシリコンでコンパクトに持ち運べるので、考えられた良い製品だと思います。