【脱ニート】たけべみお25歳。今日からYouTuber見習いになりました。
朝8時。
アラームが部屋中に響く。
のそのそと起き上がり、溜まった洗濯物をまわし、シャワーをあびる。
髪の毛を乾かしながら、やかんで湯を沸かす。
カーテンから注がれる太陽の光を見ながら
お白湯を飲む。
ホッと息をつく。
洗濯物を干し、お皿洗いをして、綺麗に並べられたお皿や、ゆらゆら揺れる洗濯物を長い時間ボーッと見つめ、何だかやりきった感にひたる。
こんな調子で何も予定のない1日が幕を開けるのだ。
コロナが流行りだしてから毎日こんな調子だ。
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朝9時。
『私はYouTuberになる。』
いや、まだマネタイズ出来ていないので、YouTuber見習いとでも言おうか。
パソコンに向かい、カタカタと編集。
1週間前からYouTubeとやらを始めてみた。
最初、1本の動画の編集に2週間ちょっとかけた。
撮影なんて、14分の尺を4時間ほどかけたりする。
最初疲労困憊で動悸が続き、このまま死ぬんじゃないか?と思ったほどだ。
もう動画を4本作ったが、未だにたった5分の尺の編集が3時間以上かかったりする。
編集カットを失敗して、動画の中の自分がカタコトになっている。
まるでどこか違う星から来た宇宙人のような自分。
かなり滑稽に思えた。
文字のテロップの色味のセンスの無さに絶望する。
まるでにんじんジュースと、草と、トマトを掛け合わせたような色合いだ。
なんだか新しいインテリアの置き場所がいびつで、落ち着かないようなそんな心もとない感じがする。
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『私はYouTuber見習いになったのだ。』
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昔、YouTubeが流行りだした頃、何となくイメージはパリピの、やんちゃな、自由人がやってるイメージだった。
「今の小学生の夢はみんなYouTuberらしいよ。世も末だね」
なんて大人の言葉を耳にしたのはいつだっただろうか。
当時、YouTubeを始めていれば今頃有名だったかもしれないな~なんて思ったりする。
残念だが、わたしはそんな流行を先取り出来る人間ではない。
【当時の小学生の方が、幾分か見る目があるじゃん。】なんて思ったりする。
まさか、そんな私が今YouTuber見習いだなんて、人生面白い。
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企画を練りにねって、カメラに笑顔をふりまき、冗談を言っておどけてみたりする。
何だか簡単そうに思えるが、コレが意外と大変である。
『ブンブンハローYouTube!』とか、『「V・A・M・B・I、ハロハロー☆、どうも、ヴァンゆんです!ん”ー!!卍」』なんて意気なあいさつは思いつかないし、
『やっほーみんな息してる?』なんてユーモアな挨拶はちょっと照れてしまうだろう。
パソコンの力を借りて、編集で文字を自由にババンって動かせないので、文字に命は吹き込まれていない。
動画の中の自分はYouTuberっぽくない。
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『わたしは、YouTuber見習いである。』
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時には心が折れそうになる。
やるせない気持ちにもなる。
悔しい気持ちだって湧き上がる。
でもわたしは諦めない。諦めたくない。
【だって、YouTuberになって沢山の人を笑顔にしたいんだ。】
欲を言うならば、何者でもない素の自分が自由に生きられる空間を作り出したいんだ。
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企画を練りにねって、カメラに笑顔をふりまき、冗談を言っておどけてみたりする。
何だか簡単そうに思えるが、コレが意外と大変である。
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『わたしは、YouTuber見習いである。』
『見込みは、まだない』
『どこで花が咲くかとんと見当がつかぬ。』
だけど、いつか本物のYouTuberになると自分を信じている。
そんな今の自分の人生をかなり気に入っているのだ。
たけべみお