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前WHOアジア事務局長、葛西先生を思う: ポストコロナの世界で
2024年4月13日から、医療安全学会総会が開かれました。理事長、会長の御尽力により素晴らしい方々が集まり、そしてご登壇されていたように思います。
ただ、この場所にぜひいて欲しかった人間がひとりおります。前WHOアジア事務局長葛西先生です。
ご存知のかたは多いと思いますが、葛西事務局長はWHO内での言動がパワハラとの告発を受け、任を解かれてしまいました。それは、まさしくコロナ禍の真っ只中
医療における各省庁の思惑(2024年度保険改定の裏側)
初めに 2024年度の診療報酬改定については、本体は0.88%のプラス改定といわれながら、物価上昇率を考えればがっかりしている施設管理者が多いと思います。そこにはさまざまな事情があるわけで、どんな場合においても自分たちの要求がすべて通るわけではないのは世の常です。ただ、その事情というものは理解しておく必要があるのではないかと思っています。
今回は、医療に主にかかわっている四つの省庁(財務省、経済
FLOXED: 日本ではあまり語られていないニューキノロン系抗菌薬の最近のお話し
初めに ニューキノロン系(海外ではフルオロキノロン系)と呼ばれる抗菌薬は、現在臨床で多数使用されています。この系統の薬剤は1980-1990年の間に12種類も発表され、うち9剤は日本企業が開発したという、ある意味誇らしい系統の抗菌薬となります。たとえば泌尿器科領域においてはレボフロキサシンを筆頭にニューキノロン系は非常によく処方される傾向にあります。ただ、この系統のお薬がでて30年以上経過し、欧