今週の映画 メキシコホラー祭りは続く
ゆ、緩い!お金かけてない!でもミイラ男の怪奇をメキシコの脈絡に置き換えて作られていて面白かった。元々のミイラ男の映画を知らないから、私にとってはこれがミイラ男ものの最初の作品になってしまった!若い女性が催眠術で前世の記憶にアクセスしたら、アステカの首都、テノチティトランにぶっ飛んでしまい、死の儀式を再体験してしまう!!なんてこった。そして遺跡に行き、その場所を確かめたことでミイラ男が目覚める…。
ウッド先生の言う、古典ホラーの構図、モンスターがモノガミー核家族の平和を脅かすが、ヒーロー=父親によって危機を回避するお話…かと思いきや、ホントのヒーローは父親ではなく、妻の父親だったのが面白い。
主人公エドゥアルドは精神医学か何かの研究者。催眠術で前世の記憶にアクセスすることを思いつくが、学会では相手にされない。実験をしたいッと義理の父=教授とはなしていたところ、妻=教授の娘が、あたくしが実験台になりますわ!と言い出す。気の弱い助手の男(←メガネでかわいい)は気乗りしない。
いかにも彼女が犠牲者になったように見えるのだが、その実、妻は好奇心いっぱいで、やってみたかったのだと思う。結局それは恐ろしい体験になって絶対イヤよ!という立場に変わる。
サブストーリーとして、その遺跡から持ち帰った金の飾りを狙う強盗団が出てくるが、謎。覆面黒尽くめのボスが少し滑稽。あの時代にテレビ電話で部下に指示を出すよ!そんなテクがあれば他の金儲けができそうだが…。
若干身勝手なエドゥアルド、ハンサムなんだけどね、教授の娘と結婚しちまう辺りに危ういものを感じる。
古典的ホラー映画をよく見せてくれた作品かもね。しかし面白いのは、例え白人であっても、メキシコ人にとってアステカ文明が半ば地続きになっていること。これはメキシコ文化を考える上では重要。あっきらかに誤ったアステカの儀式の抜け感は半端ないのだが、これも一つの文化の楽しみ方である。そして、この文化が混ざったメキシコのホラーは『メキシコオブデス』で開花するのである!
https://m.youtube.com/watch?v=WcGj2LRTK64