職人の仕事
久しぶりの投稿です。
不動産・保険の営業の傍ら、職人の仕事を始めて1年が経ちました。
2級建築施工管理技士補の資格まで取ってしまった。
来年は1級を取得します。
感じたことを少し。。。
職人不足
これはかなり深刻かと思います。
平均年齢が肌感ですが、40後半から50前半ではないかと。
会社によっては60代70代もちらほら。
管理部署など比較的規模が大きい会社はもう少し若いですが、実際に現場で稼働している人は高齢化が進んでいます。
現役で頑張ってる世代が引退し始める、今後5~10年程度で仕事はあれどできる職人がいないという事態がかなり増えると予想しています。原因①
もっとも大きな原因は
「施工単価が上がらない」
これに尽きる。
基本的に職人さんの場合は日当になるので最低時給云々は正直あまり関係なく仕事量がすべて。何時間働いたのではなく、何ができたか。
3Kと言われる仕事内容なので今の若い世代でやりたいと思う人は少ないと思う。実際やれば分かるが日によっては警察学校の訓練よりもキツイ時もある。
これだけきついのにたったこれだけ?と私でも思うので尚更だと。。。
経営側から見れば採算ギリギリで、工期のずれなどでも赤字になってしまうため、見積もりを少し高めに設定するが、相見積で負けてしまい案件を取れなくなり、無理をして赤字を繰り返してしまえば会社の存続が危うくなるケースもあるから削れるところは削るしかなくなる。
今はまだこれでも受けてくれる会社があったりするが、今後数年でそういった施工単価を安く設定したり、相見積だけを取ったり他社と競合させるような会社は淘汰されると予想している。
今のうちに腕の良い職人さんと良好な関係を築いておくべきだとそろそろ建築系の会社は意識を変えていかないととんでもないことになる。原因②
ブローカーの暗躍。私の本業である不動産でもかなり多いが、案件を右から左に流すだけで中抜きをする会社が多い。
施工管理・作業員の派遣をしているのであれば良いが、えぐい金額を抜いて何もせず最低限の人足しか出さないケースもあったり。
致し方ない部分もあるが、現場の職人が報われない。
案件紹介をしているサイトもあるが、上手く繋がるのがなかなか難しい。原因③
一人親方制度。昔からの慣習もあると思うが、せっかく育った社員が独立して離れて行ってしまえば、一向に会社規模が大きくならない。仕事も楽にならないので正直
社員採用すれば社会保険料負担が大きいので、休職などになってしまえば社保倒れする危険性すらある。
結局のところ一人親方の方が収入が上がるのでぶら下がりの構造が出来上がってしまう。
国が危機感を持つべき。災害復興・インフラを含めて現場管理者・職人の育成のために社会保険料・法人税の優遇など手を打たないと取り返しがつかない。
職人側のリスクとしては、働けなくなったときに収入が0になること。
最悪生活保護などの制度も利用すれば良いが。。。
生命保険諸々対策を講じる必要性がある職種であることに間違いない。原因④
施工管理の人材不足と業務量過多によるコミュニケーション不足。
一言で言えば悪循環。
工事が進まなかったり余計な作業量が増えることがままある。
作業量が増える=きつくなる
よく言えば助け合い。
建設業界全体で人材不足になったのは、少子高齢化も原因ではあるけれども消耗品として扱って来たツケが回ってきたのかと感じる。原因⑤
これは書くか悩んだけど、職人さんはマウントを取る方が結構多い。
異業種の経験からすると他の業種よりもそれが強い気がする。
特に他業種の職人さんのことを更に下に見るというかなんというか。
警察官もそういうタイプは少なからず存在するが、
他の会社で同じ職業になることはできないから我慢もできる。
一方で建設系は他でいくらでも働き先がある上に、職業を限定する必要もないから我慢できない。余程の熱意があれば続くだろうが。。。
若手がすぐやめてしまう理由の大半は、作業のきつさよりもここにある気がしている。
山本五十六元帥の言葉
やってみせ
言って聞かせて
させてみて
ほめてやらねば人は動かじ
ここまでは誰もが知っているが、実は続きがあって個人的にはここからが好き。
話し合い
耳を傾け
承認し
任せてやらねば人は育たず
やっている
姿を感謝で見守って
信頼せねば
人は実らず
どの職種にも言えるが人を育てるのは大変なことだけどものすごく大事なこと。自分が思うには職人の場合は経験から来る達成感の積み重ねが続けていく上で大事なポイントなのかなと。終わりに
環境を整える必要性があるけれど、行政には期待できないので個人で意識を変えていかないと厳しい業界になると思う。
ん。業界批判しているみたいになってしまった。
仕事はきついけれど正直楽しい。
「大人の図画工作」
「大人の土いじり」
「ガンダム発進!!」
家の基礎・建物・壁・外構などを実際にどう作るか、どのように作業するか説明できる不動産屋はほとんどいない。
そしてそれがどれほど大変か。。。
不動産と建築は交わりそうで交わらないんですよね。
ここに新たなチャンスがあると思っている。
実際にやってみて新しいビジネスを始めたいと人生で初めてアイディアが浮かんだ。
来年はそれを実現するために不動産の営業も職人の仕事ももっと増やしていこう。