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ほとんどの警察官が説明できない  「交通違反」の本当の流れ

「違反を認めなかったらどうなるか。」


現場で警察官に聞いても「裁判になる。」程度のあやふやな回答しかない。
点数がどうなるのか、その後の流れがどうなるのか明確に回答できる警察官は1割にも満たないと思う。むしろ1割もいないのではないだろうか。
法の執行者としてどうかとは思うが、それでも滞りなく手続きが進むのは日本という国がある意味恵まれた法治国家であることを証明しているのだろうなとふと思う。
ここで説明するのは反則者であり、いわゆる赤切符による手続きになる無免許や酒気帯び運転などの非反則者は少し違うのでご注意ください。

簡単に説明すると
・違反を認めなくても点数は加算される
・刑事事件として書類送致、検察官が公訴を提起すれば裁判
一般の青切符ではほぼ不起訴になる(判例がほぼない)
(出頭して検事の取調べ後・もしくは受領した仮納付書で反則金を払えば終了)
となる。詳細は下記で説明する。

交通反則通告制度

1969年にこの制度が始まる前は、軽微な交通違反であっても正式な刑事事件として処理していたが、社会実態に沿わず国民の大半が前科前歴者になり兼ねない状態だったため、軽微な交通違反は反則金を納付することで刑事手続きを免れる仕組みが出来た。
違反を認めないとなるとこの交通反則通告制度手続きではなく、刑事手続きとして処理する流れになるため、極論だが万が一裁判になり、有罪となれば前科となる。
実態は判例もほとんどないため不起訴が大半と思われる。

運転免許は警察許可

分かりやすく説明すると「一般的に禁止されている行為を、特定の要件を備えている(免許を持っている)者に対して、その禁止行為を解除して適法にその行為(運転)を行わせることができるようにしている。
道路交通法をしっかり勉強して安全運転をしますという宣言のもと警察が運転免許証を交付して許可している。
だから、試験に合格して免許を与える意思表示をしても免許証の交付がなければその効力は生じない。

交通反則通告制度(刑事手続きの場合含む)と行政処分は別物

違反行為は一つでも、
・反則金
・点数の加算
は同時に個々別々に手続きが進む。
わかりやすくいうと
刑事処分・行政処分(便宜上)
がそれぞれ別に進む。
違反を認めようと認めなかろうと点数が引かれるのは警察許可である側面が影響していると思う。

点数が加算されるのは行政処分ではない

上記の説明と少し食い違うのでは?と思った方もいるだろうが、行政処分というワードにした方が分かりやすいからであって本当は異なります。
違反点数は「運転免許に記録を残したにすぎない。」のであって行政処分とは異なる。よって行政不服申し立ての対象にはならないので注意が必要である。運転免許制度における行政処分は、運転免許の拒否・保留・停止など明確に決まっている。
不服申し立ての方法として、更新時にゴールドにならなかった等、実際に処分的行為がされたケースであれば認められる可能性はあるが、そもそも認め
られる可能性はほぼないが、方法の一つとして記載する。

なぜ仮納付書なの?

簡単に言うと、警察官が反則者があると認めて告知したら、警察本部長に報告して、本部長が反則者として認めた場合に反則金の納付書を違反者に通告して払うのが、制度上の正式な払い方であるが、郵送費諸々違反者に後日支払わせるなど不便が生じるので、現場において仮納付書を交付し、それで支払えば通告によって支払ったものとみなすとなっているから仮という名称がついている。

本当に違反をしてない場合

YouTube等でたまに弁護士が紹介している動画があるが、納得がいかなければまずは現場の警察官・警察署の交通課で上席を含めて話をするほかない。
自分が違反していない証拠・ドライブレコーダー等の映像によりそれを証明できなければ難しい。衝撃時のみ録画するものよりも、常時録画のものをお勧めする。
青切符は原則すぐに通告センターに切符を送付しているが、大抵は2、3日警察署で保管しているので、その間に話し合いをするほかない。

ちなみに否認事件となると専用書式が必要なため警察官にとっては実況見分や書類作成など負担が増える。嫌がらせとしては良いかもしれないが、署名
しなかったとなると記録的には署名を拒否したと残るのでお勧めしない。

察しの良い方は前段で気づくかもしれないが、警察官は告知(切符を切った)した場合、警察本部長に報告する必要があり、警察本部長は反則行為をした反則者であると認めるときは、その者に理由を明示して当該・・・反則金の納付を通告することができるとなっているので、切れられてしまったらここしか望みがない。現場の警察官は仮に違反者ではないことが判明してもなかったことには手続き上できないため、是正通告のための手続きを取らなければならない。ただ、そもそも違反していない・人違いだった場合など誤った告知には明文上是正通告に関する記載はないが、行政法の一般原則に従い書面で通告する形となる。YouTubeにあった歩行者妨害はどのように処理したか不明ではあるが、おそらく反則者でないという形にしたのではないだろうか。

通告や告知は行政庁の行う処分ではないので行政不服申し立てには該当しないが、行政機関の行う行為である以上「行政行為」に該当し、瑕疵が重大かつ明白であれば当然無効となる。
ようするに、現場の警察官次第。反則者だと思って切符を切ったけど、やっぱり違ったと報告できるのも本人しかいない。違反していない証拠は同乗者などの証言では弱いのでやはりドライブレコーダーは必須。

免許を出さないとどうなる?

単純に逮捕される。
①その者の居所又は氏名が明らかでない
②その者が逃亡するおそれがある時
上記の場合は、通告制度をすっ飛ばしていきなり刑事手続きに移行する。
説得しても反則者であることの確認すらできないのであれば現行犯逮捕するほかない。
運転免許証は警察官に提示すれば足りるので、渡す必要性はないが記載内容が確認できないような状態だと反則者であると認定できないので逮捕される確率があがる。
逮捕された後に、反則者であると認めた時は釈放時に告知(切符を切る)されるだけので正直逮捕されるだけ損。

反則金を納付しないと逮捕されるって本当?

本当。
電話、手紙など再三にわたって出頭を求める通知をしているにもかかわらず出頭しないことによって、逃亡するおそれがあるとみなされ逮捕状が出る。

逮捕された当日は、手錠に繋がれ警察署で弁録・写真・指紋の採取後に区検察庁(警視庁の場合交通執行課)まで連れていかれ、区検の検事から取調べを受け、釈放後に反則金を納付して終わり。
当日会社への連絡も一切できず、基本的に午後までかかるので気が気ではないと思う。完全に犯罪者と同じ扱いになる。
手錠は勘弁してくださいと大半の人がいうが手続き上どうにもできず、うなだれる人が多かった。

ちなみに反則金を納付しないで逮捕されても、道路交通法の罰則に定める罰金の上限を取られることはないです。出頭しないことだけを持って反則金以上を取る理由にはならないという判例があるためと思われる。

なぜ郵便局か銀行でしか払えないの?

反則金は国庫を取り扱うことができる金融機関で納めるよう決まっているため、郵便局や銀行で払う必要があるから。
時代に沿わないなとなぜコンビニで払えるようにしないのか一度だけ聞いたことがあるが「処罰的意味が含まれているため、容易に支払うことができるようにするのは好ましくない。面倒な手間をあえてかけさせることで反省を促している。」といった内容だった。
気持ちはわからなくはないが、交通違反をした人として対面で払う形になるので正直どうかと思う。

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。
立場的な主観によって内容の見え方も違うのかなど思います。
条文も入れようかと思いましたが、あえてわかりやすく記載しませんでした。
大人になってから知らないって罪だと色々と思う時が多いように思います。
日々勉強ですね。
最近YouTubeに警察官の職務質問をあえて拒否する動画を投稿する輩もいますが、個人的には絶滅して欲しいですね。何がしたいのか意味がわからない。それに費やす時間を他のことに充てて欲しいなと。。。




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