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【テイクアウトの裏側から③】訪れた旅先の景色を、一皿に写して ~BARMANE・奥田匡章さん、修代さん〜

「テイクアウトの裏側から」
ここではテイクアウト情報だけでなく、「テイクアウトの裏側から」と題して、お店の魅力やお店の方々の思いを伝えていきます。

農家や市場から仕入れた無農薬の野菜や魚介を、素材そのものの味を大切にしながら調理する。心も体もよろこぶ料理に出会える「BARMANE(バルマーネ)」。奥田匡章(まさあき)さんと、修代(ひさよ)さんご夫婦、お二人でお店を営んでいます。今回は修代さんに、旅から始まったお店の成り立ちや、おいしくやさしい料理の秘密を教えていただきました。

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△左が修代さん

ーお店を始められて、どのくらい経つのですか?

2016年4月にオープンしてこの6月で丸4年経ちます。私たち夫婦が出会ったのはちょうど10年前。どちらも海外に旅するのが好きで、出会ったのはフランスだったんですよ。

ー旅先で出会ったんですね!

彼とは、語学勉強のために滞在していた街で出会いました。私の目的はファームステイだったので、その後、田舎の町に移動して、WWOOF (ウーフ)という有機農場を営むホストと、そこで手伝いたい・学びたいと思っている人とを繋ぐシステムを利用して農業のお手伝いをしていました。他にもキャンプ場の手伝いやベビーシッターなど、いくつかの場所を移動しながら、その町々の暮らしを体験しながら過ごしていましたね。

ー匡章さんはなぜ、フランスに?

元々、京都でフレンチ割烹に勤めていたんですが、料理の修業をしたいとフランスに渡ったんです。その頃は料理を創作する技術を学ぼうとレストランに勤めていたんですが、一緒に過ごすうちに食材そのものの、素材に興味を持つようになって。田舎を、家庭料理を知りたいと私と同じように、ファームステイをすることになりました。

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ーお二人で、一緒に?

いえ、やはり二人一緒だと日本語しか話さなくて勉強にならないなと思ったので、別々に。彼は自分の縁があるところにお世話になっていたんですが、そこは家族みんなで自給自足しているご家族だったんです。ヤギ飼ってチーズ作って、パンを焼いて。週末はマルシェで作ったものを売る。私も途中からはそちらに合流して。

他にもオリーブをつんでオイルにする農家さん、葡萄からワイン造る農家さんなど、色んな所にお世話になりながら過ごしました。しっかり労働しながら、その土地の家庭料理をいただく。そういう旅を二人でしながら、素材から食べ物を作るということを経験しました。

ーそこでの経験が、BARMANEにつながっていくんですね。

帰国して、半年で結婚しました。そこから彼は京都のスペイン料理屋さんで働いて、4年前にここをオープンしました。味のベースとしてはスペイン料理とフランス料理なんですが、結局、素材を大切にするという、旅での経験が一番大きいんだと思います。過度に味付けするというより、素材の味を引き出すことを大切にしているんです。

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ー素材はどのように仕入れていらっしゃるんですか。

市場に行くのが昔から好きで。八百屋さんや市場に足を運んで、仕入れることも多いです。毎日、魚介も野菜も自分で選んだ新鮮なものを使いたい。それはテイクアウトになってからも続けていて、この先も大事にしていくと思います。

食べるということにとって、それがすごい大事なことだというか。葉っぱ一つでも、命をいただくということに、変わりはない。その考えは私たち夫婦、共通のものなんです。

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どんな素材を扱うかということも大切にしていますが、まずは「おいしい」と思っていただけること。そして私たちがどんな人なのか、人となりを分かって足を運んでくださる方がいること。そういうことがうれしいんですよね。ちゃんとお客様と私たちの間にエネルギーが通っている、これを大事にしようと思ったんです。むしろ、これだけでいいというか。

ー来てくださる方と血が通い合う。その関係性を大切にされているんですね。

今回テイクアウトをやってみてわかったのが、「いつも通り」の難しさです。テイクアウトとはいえ、丁寧に、料理を提供したい。アレルギーがないか確認したり、週に何回か来てくれる方には中身を変えたり。

それを小さなお弁当箱の中で、限られた時間内に提供しなくてはいけない。飛び込みの方にもそれを対応していると、さすがにしんどさを感じてしまう。やってみて、正直うちにはむいてないなと(笑)

常連さんから「やっぱりお店で食べたいな」。そんな言葉をいただくと、私たちもそうしたいし、やっぱりお皿の上で料理を提供したいなと思ったんです。

ー今後の展望を聞かせてください。

世間の情勢に合わせて、となりますが、人数制限をしてお店をオープンしようと思っています。席の間隔をあけて、最大でも3組までかな。9時から夕方ぐらいまで。一組につき、1時間半ほどのお時間をとってゆとりをもってご案内したいと思っています。

この機会に、少し考え方を変えたんです。ゆっくりとお客様に料理と過ごす時間を作っていただくためにも、前日までにご予約いただき、メニューはコースだけにする予定です。時間も9時ぐらいから夕方までの明るい時間のうちに。

BARMANEの「MANE」は朝という意味。朝の光が差し込むように東向きの窓になっているんです。新しい体制になるかもしれませんが、変わらず足を運んでいただけるとうれしいです。

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お店からのお知らせ

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<MORNING BARMANE>

店内でもBGMとして流れる、京都在住ギター奏者の青木隼人さんの生演奏を聞きながら、「maka」のフレッシュハーブティーをいただく素敵な朝のひと時を過ごす『MORNING BARMANE』。

演奏の後は、朝の光を浴びながらBARMANEの朝食をいただきます。いつもと違った特別な朝の時間をBARMANEで過ごしませんか。

※予定していた6/17(水)は中止となりました。様子を見て、7月には開催予定です。詳しくはInstagramから、随時ご確認ください。

<テイクアウト情報はこちら>


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