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【読書メモ】レベニューオペレーションの教科書

川上エリカさん等の書籍「レベニューオペレーションの教科書」を読了しましたので、感想や取り入れたいことをまとめておきます。
オペレーションに関する書籍はたくさんあるかと思いますが、RevOpsというキーワードはあまり馴染みがなく、どんな内容か興味が湧いたため手に取りました。


概要と感想

本書で提言されているRevOpsとは、

RevOps(レベニューオペレーション)とは、企業のレベニュー組織(マーケティング・営業・カスタマーサクセス)のプロセス・データをシステムで統合・最適化することで持続的な収益成長を目指す概念、役割のこと。

レベニューオペレーションの教科書 表紙裏面

となっており、データドリブンで経営を推進していくことを利益を生み出す組織にフォーカスした概念と理解しました。今のプロジェクトでは、業務オペレーションの自動化やBPRを行いながら、データ活用も目論んでいるため、本書の概念を取り入れることで企業活動の全体に広げられることができそうだとアイデアを膨らませることができました。
本書では概念だけでなく、組織やシステムのあり方などについても言及されており、RevOpsに関して広く理解することができる一冊となっておりました。
以降では本書で得た学びを3つご紹介できればと思います。

3つの分断問題

大企業ではあるあるかもしれないが、レベニュー部門で発生する3つの分断について言及している。この問題はレベニュー部門でもよく見かけるので、流用しやすい考え方であるので、他でも起きていないか観察してみたい。

  • データの分断

  • ゴールの分断

  • 業務の分断

データの分断

各部門でシステムが導入されると、個別最適が強く働きすぎて、他部門とのデータ連携は難しくなってしまうことは往々にして発生する。これにより部門間での情報共有のハードルはかなり上がってしまう。

ゴールの分断

各部門の目標を考えるときは全社の目標から分解されて各部門に降りてくることが多いかと思う。この時にそれぞれの部門の目標が必ずしも同じゴールに向かっていないことは経験上、納得がいく部分が多かった。それを達成しようとした結果、他の部門の足を引っ張る形になることもまま起きてしまう。

業務の分断

一連の顧客体験を考えた場合、売る前・売った後では特にデータ連携がなされないことが多いと感じた。製品を購入後にコールセンタに電話をかけたら、改めて購入した製品について改めて伝えなければいけなかったり、誰から購入したか伝わっていなかったりすることはよくあると感じた。

システムのあり方

全体最適の思想を持ち続けることが改めて大事だと感じた。個別最適で構築されたシステムを単に集めたとしても、データ活用はかなりの困難を伴う。特にお互いが持っている顧客名、ユーザ名などマスターデータに揺らぎやずれがあると分析のハードルは一段と上がってしまう。変換テーブルや文字変換ツールを用意すれば可能ではあるのだが、持続的に運営するのはコスト面で折り合いがつけにくくなってしまう。
そのため、全体のデータ配置を意識しながら、特に重要なデータをSingle Soruce of truthe (SSOT:信頼できる唯一の情報源)を作っていくことは理に適った方法であると感じた。

フォーキャストに活かす

普段はレベニュー部門との接点はあまりないため、どのようなレポートを必要としてるかは勉強となった。また、単にレポーティングするだけでなく、今後の予測や活動を支援するところまでが求められているのだと知ることができた。それぞれのデータが何を意味するかは日本語としては理解できるが、レベニュー部門にとってどんな意味があるかはシステム構築時にヒアリングして腹落ちした上で開発には臨みたい。

システムの開発部門にいるとなかなか知らない内容も多く、学びの多い一冊でした。

取り入れたいこと

  • レベニュー部門におけるニーズヒアリングに活かす

  • SSOTの要件を満たせているか再確認したい

こんな人におすすめ

  • MA/SFA/CRMのシステム開発に関わっている方

  • データドリブンな経営に必要なエッセンスを学びたい方


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